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霧の少女 ~追跡と罠の始まり~ ③


そして、そのまま倒れてしまった。


その後、謎の声が「アルス、目覚めろ!今は意識を失っている場合じゃないぞ!」と、びっくりするぐらいの突然さと焦りが混じった声でアルスの意識に呼びかける。


眠りの底に落ちかけたアルスは謎の声を聴いたことでハッとなり、体にもどった。


そして、目覚めると半数以上の警備兵が死体となってあちこちに転がっており、生き残った兵士もまだ抗戦している者もいるが、命からがらで逃げる者もいる光景が目の前に広がっている。


その光景を見て一瞬だけ呆然としてしまったが、急いで立ち上がっていつも持ち歩いている短剣を抜き、こちらに赤黒い炎の剣と水の鞭を持った例の少女が下を向きながらゆっくりと歩いてくる。


3メートル先で立ち止まったと思いきや、引きずっていた長い水の鞭がいきなり蛇のごとく動き出してアルスめがけて攻撃してきたのを間一髪で避けたが、水の鞭の水しぶきが右腕にかかって皮膚がただれてしまう。


アルス「あっつ!!しぶきに触れただけでただれるってどれだけ熱いのだろう・・・・。」と、休む暇を与えずに攻撃してくる鞭をすごい速さでかわしながら呟いた。


だが、次第に避けるスピードが落ちていく。


それを狙っていたかの如く隙を見てアルスの足首を鞭でからめとって赤黒い炎の剣でとどめを刺そうとしたその時・・・。


少女はアルスの顔を見て「ウィストン、あなた・・なぜここに?」と、戸惑っている様子。


アルスはこの緊迫した状況なのにもかかわらず、冷静な口調で答える。


アルス「ぼくは、君が何者なのかさっぱりわからないけど、あくまでも君の味方になりたいんだ。

それにぼくはウィストンじゃなくてアルス・リバーノンっていうんだ。」と、すこし苦笑しながら言う。


アルスの話を聞いた少女は胸ぐらをつかんでいる手の力が若干ゆるくなったが、まだ信じられないというような顔で剣を首元に押し付ける。


少女「それは本当の話か?まさか私をだまそうとしていまいな?」と、問うてくる。


アルスはその問いに無言のまま、しかし少女を見るアルスの目は嘘偽りのない透き通った目で本当だと訴える。


それからアルスの答えを信じたのか、アルスの胸ぐらを離し、赤黒い炎の剣と水の鞭をおさめる。


アルスは危機は脱したと心の底からホッとした。


だが、ホッとしているのも束の間で遠くのほうから鎧と武器の金属音と1000人ぐらいの人の足跡が聞こえてきた。


少女「とりあえず、まだまだそなたが信用できる者なのか、何者なのかお互いよくわかっていない。だが、ここでゆっくり話している暇はない。逃げるぞ!」と、言った瞬間に少女は風の力でアルスを連れて遠くへ逃げたのであった。


その後、どことも知れない森の中で焚火を焚いて例の少女と一緒に野宿することになった。


二人は黙々と焚火が燃えるのを見つめている。


このままだと空気が重くなると思ったアルスがとうとう口を開く。


アルス「ずっと疑問に思っていたことなんだけど、君はどうしてあの霧が一年中晴れない森をさまよっていたの?」と、暖かい火が燃えるのを見つめながら静かな声で聞く。


少し間が開いて少女も口を開く。


少女「正直に言うと、私もわからないわ。なぜあの森をさまよっていたのか、自分が何者でどこで生まれたのかさえ全部わからない・・・。忘れてしまった。」と、少しうつむきながら暗い声で答える。


アルス「じゃあ、君の名前は?」と、今度は少女のほうを向いて聞く。


少女「名前もわすれ・・・。いや、待って何か思いだせそう・・。」と、突然、うつろな目になって何かを考えている。


しばらくして「ティルシス・・・。」と、呟いた途端、激しい頭痛を感じたのかそのまま倒れてしまった。


続く



誤字脱字だらけの小説ですが、ここまで読んでくださり、誠にありがとうごまいます。


引き続き不定期ですが、書いていくので何卒最終回までよろしくお願いいたします!



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