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Moon②
看板を眺めていたら、ベアに急かされた。
『せいかちゃん、早くー!!』
「分かったー」
私は、急いで店内へ入った。
『今日も、はちみつteaにしよっと』
ベアは、手慣れた様子で紅茶をつくっている。
この喫茶店は、持ち込み自由。
一応、メニューもあるがお金は頂かない。
それに、普通の喫茶店とは違う事がある。
カラン…コロン…
きれいなベルの音が鳴った。
『あのー、すみません…』
「はい」
入ってきたのは、10代くらいの女の子。
学校の制服を着ているが、世間は夏休みの最中なはず。
その子は、ストレートで黒髪。
大きな目で可愛い子だった。
その子は、少し躊躇って口を開いた。