花子さん
小学校三階の女子トイレ。三番目の個室に、花子さんはいました。
「はーなこさん!あーそびーましょー!!」
《どんどんどん》と、けたたましくトイレのドアを叩くのは、ごく一般的な男の子。しいて違うところを挙げるとすれば、霊が見えるってことかな?
ねぇ花子さん、
「やらないか?」
「急にいい声になるなッ!!」
《ドバーン》と勢いよく内側から扉を開いたのは、我らがアイドル花子さん。だけど女の子なんだから、もう少し静かに出てきてもいいと思います。
「うるさい!なんなのさっきの野太い声は!?小三が出していい発声じゃなかったわよ!」
「知らないの?いま小学校で流行ってんだよ、阿部さんごっこ」
「どんとこい超常現象のほうにしときなさい!!」
さすが花子さん、そんじょそこらの小学生とはツッコミのキレが違います。
「それはそうと、早く遊ぼうよ花子さん♪」
「あ…う、うん。そうね」僕が言うと、花子さんははにかむように笑いました。
最近は花子さんもよく笑ってくれます。初めて会ったときには、おままごとでいきなり包丁振りかざしてきましたからね。sch〇ol daysを観てたからなんとか避けられましたが、あれは怖かったです。
「じゃ~あ~…なんにしよっか?」
花子さんが上目遣いで聞いてきます。
僕は腕を広げて言いました。
「さーて、今週の花子さんは?」
「ちょっ…サ○エさんみたいに言わないでよやめて!」
「『小外で技あり』『背負いで技あり』『合わせて一本』の三本です!」
「柔道!?柔道するのわたし!?あと何本なのか分かりにくい!紛らわしいよ!!」
これは、霊の見える少年と花子さんの物語――――
なんか始まっちゃいましたねwwめでたしめでたし