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怪談を無理やり面白くしてみよう  作者: きつねそば
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赤紙青紙

「ふむふむ…図書室に文庫本が10冊追加か…」


学校のトイレで優雅に学級新聞に目を通す私は、ごく一般的な小学生男子。今日も朝の会が始まる20分前に学校に来て、学内の情報をキャッチします。

「……ろかぁ?」

「?」

私が漫画イラスト部の描いた4コマに集中していると、頭上から響くような声が聞こえてきました。

「…赤い紙やろかぁ?青い紙やろかぁ?」

どうやら紙が足りているのかを心配する親切迷惑な方が隣にいるようです。

カラーも2色用意しているあたり、かなりのオシャレさん、そして白を用意してないあたりうっかり屋さんと見ました。

「赤い紙やろかぁ?」

「いや、いらない」

「青い紙やろか」

「いらない」

しつこく薦めてくる声に、やや食いぎみに答えます。

「赤い紙…」

一拍の間があいた後、声は同じ質問を繰り返し始めました。

まさにエンドレス。ドラクエ5で、ヘンリーの「子分になれ」命令にずっと『いいえ』連打した夏を思い出します。

人生には妥協も必要。面倒くさいので、私は適当に答えることにしました。

「じゃあ、赤い紙を下さい」

「赤い紙だな…」

声が答えると、天井から短い紙が落ちてきました。

「……これは?」

「リトマス紙だ」

「あ、そう…」

のりを塗ってふせんにするか…私は胸ポケットにリトマス紙をねじ込みます。

「青い紙もいるかぁ?」

「………じゃあ、遠慮なく」

ホントはいらないけど。

またリトマス紙が落ちてきました。こっちは栞にしましょう。

そろそろ教室に戻らなくては…私は水を流し立ち上がりました。

「あ、待って」

隣の声が言います。

「トイレットペーパー…わけてくれない?」


隣にいたのは、理科の橋本先生でした。

「なぜリトマス紙を?」と聞くと、彼は「いや…等価交換?」と答えました。理系の思考はよくわかりません。


めでたしめでたしノシ

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