表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怪談を無理やり面白くしてみよう  作者: きつねそば
11/44

走る人体模型

夜の学校。

とりわけ小学校というのは、幾つになっても怖いものである。

今年晴れて小学校の教師になれた俺は、新米らしく泊まり込みで学校を見回るという面倒くさい仕事を押し付けられていた。


《………タ……タタ…》


廊下から、誰かの足音が聞こえてくる。

「またあいつか…」

俺はため息をつくと、宿舎室のドアを開けた。

「うるさいぞ田中!!」

俺が注意すると、廊下を走っていた人体模型がこちらを向いた。

「あ、里中先生!こんばんは!」

彼、人体模型の田中は、心臓を動かすため日夜こうして校内を走り回っている。

「いや~いい汗かいたぁww汗腺ないけどw」

「元気なのはいいけど、宿舎室の前はコースから外してくれないか?」

俺は額に手をあてつつ訊いてみる。

「駄目ですよww見回りもかねてるんですから!」

田中が《どん》と胸を叩く。叩いた拍子に腎臓が外れ、田中は慌てて拾いあげた。



(…初めてこいつを見たときは怖かったなぁ)

カクカクと人じゃない動きをする田中を見て、しみじみと思い出す。

なにせ見回りの最中に後ろから迫ってきたからな。うん、怖かった。

「ふー危ない危ない、これがないとお酒が飲めなくなるところだった…もとから飲めないんだけどね!」

「うん、あとアルコール分解するのは肝臓な」

今日も田中は元気です。


めでたしめでたしノシ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ