座敷童
夏休み、それは全国高校生が待ち望む青春の夏。
「オゥ…日本の夏ハ相変わらず暑いネー…」
夏休み、それは高三にとって、受験の追い込み時期。
「air-conditioner使いまショウヨ~イェアーコンディシュヌゥ~」
そんな大事な時期に何故、俺が外人のおっさんに絡まれているのかと言うと、なにを隠そう、コレが我が家の座敷わらしだからだ。
「ア無視?無視スルノ?座敷わらしダヨ私?」
しかもなぜかペリー。
うん、黒船の。FLASHでお馴染みなやつ。
「うるさいぞペリー」
「ワタシペリーじゃないヨ!?」
「どっからどう見てもペリーだろ、軍服着てるし」
「違ウヨ。別人デス」
しかも何故か認めないし、なんなんこいつ。
「モウ暇ぁ~…ソウダお供え!お供えしてクダサイヨ~、ミートパイ食べタイネ!!」
「japanの家庭でミートパイは作らねぇの、クリスマスに七面鳥も食べないの」
俺はプリントをやりつつペリーを流す。
ケン〇ッキーで我慢しろ。俺は好きだぞ?クリスピーとか。
「chickenは美味しいネ!でもturkey(ターキー、意味:七面鳥)のほうが大きいヨ」
でかけりゃ良いってもんじゃないだろ。
「japaneseは小さくて高性能好きヤカラネー」
「はぁ…」
俺はシャープペンを置いて、前にがっくりと頭を落とした。
「…やる気なくした」
「なら、ケン〇ッキー買いに行きまショウ!クーポンありますシ!」
ペリーが朝刊のチラシを差し出す。
「…どんだけ喰いたいんだよ、お前は」
俺は苦笑しながら、チラシを受け取った。
…もうこれ怪談じゃないよね!!めでたしめでたし!(`・Д・)ノシ゛