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従僕的ユーリ  作者: 青葉
3/3

死化粧殺人事件 3

私は殺人を犯したあと子供っぽい表現だが…スパイをしている。

目的は、警察の内部情報を少しでも手に入れ、主人に貢献すること。そして知り過ぎた物達を排除するためだ。

誰も…私をスパイとは見抜けない。


ユーリという探偵を紹介しよう。

彼女は俺が今まで話していたユーリの別人格だ。

別人格が発症したのは、生まれてすぐ…元の色は黒髪に青い目をしていたが髪の色が白に目の色が赤に変色したらしい。

その場にいなかったし、よくは分からんが…

生活にはかなり支障がでたらしいが、変色した白のユーリは黒のユーリと違って頭が良い。良すぎるくらいにな。最初にこいつを押し付けられた時は、勘弁してくれと思ったがここに来て早々白のユーリが俺が担当していた事件を解決し、俺は出世した。その後、ランダムで出てくる白に事件解決を手伝わせている…俺が出世する為に。


10月10日

15時30分旧病棟

「フムフム…なるほど。大体わかったよ。」

「分かったならさっさと探せ。ここに何かあるはずなんだ」

「探さなくて良いんじゃない?」

「なんだと?」

「だってさ、ハヤがもってたあの鍵、この部屋だけじゃないでしょ?」

「?」

そう言うとユーリは薄暗い部屋でこの部屋の鍵を取り出す。

「この鍵に139と書いてあるでしょ?病院にいるんだから、一つしかないじゃん。」

「………あぁ!病院の部屋番号か。」

「そう。多分この鍵は、この病院の139号室と同じ構造の鍵なんだ。何か調べられそうになった時、世良は自分の部屋を囮としたんだよ。」

「なら、今からあっちの病院に戻って…」

向かおうとした瞬間ユーリから声をかけられる。

振り向くと旧病棟の地図を見せられ、139号室を指さしていた。

「………あ」

その後呆れたようにため息をついて

「ホントに刑事向いてないね。そろそろ転職考えたら?」

「ハハ…」

こいつを出世道具として見てる理由はただ一つ。こいつの事が嫌いだからだ。


139号室は、旧病棟の地下にある。

この旧病棟は、今の病院と比べてかなり小さく病床数も100あるかどうかだ。

だから、この病院25号室しかないのだ。しかし、地下にあるたった1つの部屋…139号室。なんでこんな数字なのか分からん。


139号室の扉は、他とは違う。手術室のような扉をしていた。

鍵を使って開けると腐食したような異臭が広がった。

「………ぐぅっ!」

「うわっ…これは、なかなか…ちょっと見てきてくれない?流石にこれは…ちょっと……」

「俺だって行きたくねぇよ…」

「出世のためだから…ね」

「お前…さっき転職進めたクセに、よく言えたな」

前へ進めば進むほど、血の匂いや腐ったような匂いが強くなっていく。

部屋の中は入院部屋とは程遠い手術台や、なんかの器具。床に3本の…なんだ?これ拾ってみると結ばれる前のまっすぐな肌色のリボンのようになっている物があった。3本とも片方は歪なもう片方は綺麗な形をしている。

「これは…」

そのまま流れるように裏へ返す。

裏には肌色とはまったく違う赤色をしており、液体が少し流れている…少し見ていて気がついた…こいつはリボンなんかじゃない!皮膚だ

「……わっ!」

驚きのあまり、手に掴んでる物を落としてしまう。

「ふざけるんじゃないぞ…誰がこんな」

「うぅ…」

「…!?」

後ろから声が聞こえる。その声の方に振り向くと縄で縛られた。私服姿の少女だった。

歳は12?黒い髪に長髪の

気を失っているのか目覚める気配がない。一応生きているようだがこの部屋の最悪な雰囲気に似合わないかなり綺麗な体をしている。

こいつは誘拐だ。あの記憶喪失の女が言っていたことは正しいのかもしれない。

「ユーリ!来るんだ!」

「え、なに?その子…」

「分からん!ここに倒れていた。とにかく運ぶぞ。警察で保護する。」

「………分かった。」

地下から1階に出る。あの部屋はなんだったんだ…

ユーリに子供を預け、自分は応援を呼ぼうとした。

その直後床が軋む音が聞こえる。

ユーリも聞こえたらしい。俺達が歩いた音じゃない、

じゃあ、いったい何が…

考える暇はなかった。気づいた時には、俺の腕に何かが噛み付いていたからだ。

「……っ!」

「ハヤ!」

銃は今無い。変わりにクルス刑事から言われて持っていたナイフを取り出し噛み付いている何かに刺す。その何かは俺とは反対方向。つまり、ユーリ達がいる所に走っていた。

「クソっ、ユーリ!」

何かがユーリに向かって飛んで来た時、人格が白から黒になる。

その瞬間飛びついた何かが怯えるような声を出して、その場から去っていった。

「……?」

何が起こった…あれは…動物?なんで逃げていった…

「ユーリ!」

人格が戻ったからだろうか…気絶している。

急いで2人を運びだし、応援を呼びに車まで戻っていった。


10月10日

夜19時 

ササヤマは同居しているアパートへ帰ってきた。

今日の収穫はゼロ。ミハヤの取り調べを監視カメラから盗み聞きし、あの病院に行ってみたがほとんど何もなかった。

仕事終わりに考えても仕方ないと玄関を開ける。

「ただいま」

「あ、おかえりー」

彼女を見ると今日の出来事を思い出す。

都合の良い偶然というのは、こういうことなんだろう。

冷蔵庫から酒を取り出しながら、話しかける。

「さっきは助かったよ。」

「ん。あぁ、病院のこと?」

「あぁ、あいつのあの悔しがってる顔だけで一日過ごせた。」

「ずっとあの人の愚痴言ってたもんね。でも私になんでお金を渡したの?」

「金で買いましたの方が分かりやすいだろ?」

「そっか。」

ミハヤを引き留めた女性看護師は、俺の彼女だ。

俺が先に彼女の職場である病院に着いたと分かると、ミハヤに一杯食わすため、芝居をうってもらった。

「ところでさそろそろ貴方の両親の所に挨拶とか行かないの?」

缶の蓋を開けた直後にこんな事を言われたので、ササヤマは硬直した。

「貴方の両親だし、気難しくはなさそう」

「両親……そう…そうだな。ハハハ、ちょっと…一人にさせてくれ。」

「?うん…」

寝室に行き酒を少し飲み、スマホの着信履歴からかなり下の方を探す。

父さんの電話番号を見つけた。

そこから更に酒を飲み電話番号を見つめてはをくり返す…1缶分飲んでしまった事に気づき、俺は何故こんなに怯えているのかを問う。

「バカだよなぁ…今更ビビって」

意を決して連絡ボタンを押し、コール音を聞く。

こういう時に限ってコール音は長く感じる。

電話が繋がった音がした。

「あっ…父さん!俺だよ…あの…」

つい焦ってオレオレ詐欺みたいになってしまった。

落ち着かなくては…

「あのさ…」

「同期よりも、出世したのか?」

懐かしい声が聞こえる…その場にいたら一歩身を引いてしまいそうなあの声…

「いや…まだだけど…」

「それまで掛けてくるなと言ったはずだ…」

「まってよ、今度しょ…」

電話を切られた……その後怒りが湧き、スマホを投げつけてしまう。

「クソッ!」

今まで全て順調だった。警察学校でも、捜査でも。

なのにあいつ…あいつが全てを狂わせた。

「ミハヤァ…!」

警察学校では、俺の眼中になかったあのぱっとしない男が、急に沢山の事件を解決させ、俺より出世した…

「ちょっとどうかしたの?」

外から声が聞こえるが聞こえないフリをする。

今に見てろ…俺はあいつを越えて、認めさせてやる!


10月11日

午前9時 警察署

「で…あの子供を保護したと?」

「はい。」

「………貴方だけでなんて、やっぱり信じられないわね…」

「なっ…そ…そんなことは」

ユーリは勝手についてきたと嘘をついた。

しかし、やはりクルス刑事は、やる気のなさそうな雰囲気だがやはりプロだ。嘘は通じないだろう。

「でも一緒にいた黒髪の女の子がやったなんてのも信じられない。」

ユーリが黒の時で良かったよ…

「まっ…あの2人も目を覚ましたし、ひとまずはあの子を家に帰したら?」

「はい…そうさせてもらいます。」

「旧病棟で、何か見つかりましたか?」

「まだ何も…地下にいたあの子が何か知っていればいいのだけれど」

「やぁ、ミハヤ」

警察犬を連れたリクト刑事が現れた。

「………っち」

クルス刑事が嫌そうに先輩を見た後すぐに立ち去る。

「ハハ…すっかり嫌われものだね。」

少し、身長の小さいリクトがミハヤの耳に耳打ちをする。」

「解剖医の所に行け。死んだ3人とお前が救った子供についてだ」


病院でも思ったことだが、消毒の匂いは苦手だ。

「お前が拾ったと言っていたリボンみたいな皮膚だがな…あの3人とDNAが一致した。」

「それで…」

「その皮膚のサイズだがな、少し縮んでいるが顔と同じだった。遺体に残った皮膚の真上だ。」

「つまり…一度皮を乱雑に剥いでからナイフで綺麗に削いだと?」

「それは分からん…あと……言いたくないんだが……あの、お前が救った子供を調べた…」

「そりゃ…どうも」

「クルスにここの医者を増やせと言ってくれ。それで、あの子には…膜がない。」

「は?」

「あの病院で何があったかは分からないが……丁重に扱ってくれ。心の傷が…あるかもしれないから。」

「分かりました」



10月11日

午前10時

ササヤマは誰もいないタバコ休憩室で電話をかけた。

「何?今仕事中なんだけど、警察も来ててさ。」

「あぁ…知ってる。それでさ頼みがあるんだ」

「えぇ、また?」

「頼むよ。今がチャンスなんだ。今メールで女の子の写真を送ったから、それのカルテとかを見つけてくれ。」

「そんなこと言われても…」

「頼むよ!じゃ」

プツッと切られてしまった。

あの人は、根は優しいが、時々急ぎすぎな所もある。

今そんな子のカルテなんて…

病院の廊下を歩くと噂話をしている看護師を発見した。

「それでね、あの患者出世街道から降ろされちゃったんですって。」

「どうして?」

「これからって時に奥さんの遊びを優先させて怪我しちゃったから。」

「やだぁ!奥さんも気の毒ね。自分のせいでなんて思いながら暮らすのも。」

「そうね。私だったらいやだなぁ。誰かのせいで出世できないなんて」

それは、彼女を動かすには十分だった。


13時

警察が引き払ったあとの休み時間に旧病棟に忍び込んだ。そして世良という医者の部屋にあるカルテをあさってみる。

スマホの画面にある女の子……名前さえわかればなぁ…ここにあるカルテは少しだからなんとかなるが…

「あった。」

女の子と同じ顔をしたカルテを見つける。

その中身を写真にとって送ればいい。

「え?……なにこれ」

寒気がした。床が軋む音が聞こえる。背後の何かが私を殺すなんて映画やドラマで腐るほど聞いたセリフだが、実際に遭遇すると気味が悪い。

「………ハハ……幻聴よね。」

その直後何かが飛びついてきて、足を噛まれた。

「キャアァァァァ」

足を引きずりながら外へ出ようとする。明かりが見えた。もう少しで助かる…その希望が私の遺言のようなものだった。私が死んで残ったのは、使っとけば良かったと後悔した貯金300万とメールで送ったカルテのみ。


14時

アパートに帰ったミハヤを待っていたのは、20代前半ではありえないような17歳の女子高生と12歳の子供がリビングでアイドルのライブ映像を見て、はしゃいでいる様子だ。

ユーリには悪いが、ここは横槍を入れさせてもらう。

「すまないが、いったん休憩でもいいか?君に色々聞きたい事がある。」

家でも仕事しろと言われ、この少女を連れて帰った。

チハルと名乗った少女は解剖医の爺さんが言うより元気だった。

ユーリは、自分より年下のやつが出来たと喜んで学校を早めにきり上げた。

今日限りだがな。

「あの病院で、君は何を見た?」

「ちょっと兄さん!いきなり過ぎじゃない?」

「んー、よく分からない。なんか学校から帰ってる時に、後ろから捕まれたのは覚えてるの。でも、そこから先は…」

記憶喪失の女2人目か。

「あっ、でもさなんか変なこと言ってるのは聞いたよ」

「なんて?」

「えーと、こいつはもう必要ないーとかなんか魚の料理店送りーとか」

魚の料理店?

「確かにそう言ったのか?」

「うん!というかもういい?おねーちゃんとテレビ見るから」

「ん?あぁ…ありがとう」

19時

チハルのことをクルス刑事に伝え、俺はリビングを見渡す

この部屋も変わった黒ユーリは、いわば家事担当だ。料理やら、部屋の模様替えをあいつにやらせたら右に出るものはいない。ユーリが来た次の日はこのリビングの照明が白からオレンジになるくらいだ。黒と白この2つの人格を自在に操れば1人で夫婦生活ができるだろう。

「なに感傷に浸ってんの?ハヤ」

噂をすれば出てきた。

「よぉ、次はこれを調べて欲しいんだが。」

「はぁ…」

急にクルス刑事のようなため息をつかれる。」

「どうした?」

「ハヤさ、私に頼るのは良いけど、そんなんじゃこの先やっていけないよ。」

「………うるさい。お前は学生の分際で酒をやめろ」

ユーリの膝には寝ているチハルとロング缶が転がっている。

「それこそうるさいな。私はね、前世では有名な探偵だったんだよ。」

知らねぇよ…

「わかってるのか?このまま酒でお前が死んだら、俺の従兄妹も死ぬ。」

「…関係ないね。見たこともないし」

「まぁ、いいさ。お休み。」

「そっちもねー」


10月12日

午前5時あの女は、関わらなくていいこと良いことに手を出した。よってスパイの私が処刑する。

同時刻

警察署

眠る事が出来ない…私は自由を手に入れた興奮が収まらないからだ。

これでようやく終われる。

「よぉ?嬢ちゃん…よくも裏切ったな」

「……!?」

死にたくない……


10月12日

午前7時

ミハヤのベットの上の電話が鳴った。朝は弱いがなんとか手に取る。

「はい…?」

「ミハヤかい?」

「リクト刑事!?」

「早く署に来てくれ…あの女が、取り調べを受けてた女が殺された!」

!?

何がどうなってるんだ?











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