死化粧殺人事件
私は主人の命令は、何でも聞いてきたと思っている。
命令を遂行するためならどんなことでもする。
たとえそれが殺人でも。
無茶をいう人間は沢山いるが、殺人をしてこいというのはどんな奴でもやりたくはないだろう。
しかもオーダー付きだ。少女達の顔の皮を剥いでこいと言うのだ。鋭い刃物は常時持っていたが抵抗されたら、上手く剥がせない……あっ…そうだ。こうすればいい…そうすれば、簡単に殺せるはずだ。
計画は上手くいった……あれはもう原型がない。
報酬を受け取りに行こう。
午前11時、ハイウェイにて1台の車が走っている。その中には、一人のスーツを着た男がハンドルをにぎり、パジャマを着た女性が後ろの後部座席で寝ていた。
「おい、もうすぐ高速を降りるぞ。つかお前、酒臭いんだよ。」
今日は最悪の日だと思うのは何回目だろう?
ミハヤは少し男らしい見た目のせいで色んな人にベテラン刑事と勘違いされてしまうが、本当は警察学校を卒業して、1年の新米刑事なのだ。スーツを着ていると、よく同期に敬礼をされて……っくそ。俺はこういう所がよくあるな。もうよそう。
そして、この後ろにある、荷物は最近一人暮らしの家に転がりこんできた従兄妹のユーリ。
学校が近いということで転がりこんできたが、友達の家に遊びに行っては、酔っ払って、俺に迎えを頼んでくる。高校生の分際で、酒飲んでやがるから、刑事の俺からしたらただの爆弾なのだが、使い方さえ間違えなければ、こいつは金の成る木なのだ。俺はそうやって出世した。
「……ん?兄さん……ここどこ?アカリは?」
「まだ寝ぼけてやがんのか……友達の家じゃないぞ。お前何本飲んだんだ…もうすぐ学校につくから、準備しろ。」
「えー今日休みたいんだけど。」
「知るか。帰りたいなら一人で帰れ。俺は今日遅刻なんだぞ?」
こいつは、酒が入る次の日には映画の科学者みたいに起きないからな…
少し前にバンが1台脇道に止まっており、それを無視して通過する。
「げ…今8時じゃないの?今何時?うわー11時きってるじゃん!なんでもっと早く起こしてくれないのっ!……兄さん!?」
急にミハヤは車を止め、ルームミラーからからかった時たまに出てくる戸惑いの表情が見える。
「さっきの……おい、嘘だろ。」
「どうしたの?」
「お前はここにいろ!」
車のドアをあけ、さっき追い越したバンまで、走る。
そこでミハヤが見たのは、一人の運転手である女性と助手席と後部座席にいる、顔のない3人のドレスを着た遺体だった。




