024話 夏期長期休暇にアリシアの里帰り。前編
この作品を選んで、お読みで頂きありがとうございます。
この物語はフェイクションです。
物語中の世界観は独自の世界観で書いておりますので、法律、慣習、習慣、常識等に異質な部分が多々ありますが、其れ含めて楽しんで読んで頂きたいと思います。
1学期最後の日に授業が終わり夏期休暇の間のする課題が各教科から出されて午前中に終わり、私は迎えの馬車に乗り公爵邸へと帰った。
私が里帰りしている間にエリザさんとイコマさんはお姉さまの部下として騎士団と魔術師団の任務に就くとの事でした。
私は明日の朝に公爵邸からルーズに乗って空を飛んでルディナス王国のお城に帰る予定なので、今は部屋で里帰りする為に荷造りをしており、荷造りが終わってから繁華街へ出掛けてお土産を買いに行く予定です。
「ヨッシ、これで忘れ物は無いわね、後はお土産を買えば良いだけね」
私は荷造りを終えて、お土産を買うだけだと思ったけど何を買えば良いのかと思い悩んだ。
「ルイ、ルーズ、買い物に出掛けるけど留守番をお願いね」
「キャウ」
「ガウ―」
ルイとルーズはソファーの上で寛ぎながら一鳴きして返事をする。
私は部屋を出てから1階の応接室で待っているエリザさんとイコマさん合流して、公爵邸から3人で出かけて広場を通り街の中央街路沿いの繁華街へ歩いて向かう。
「あ~、考えてみたら、この国とルディナス王国って同じ文化圏で特産品も殆ど同じなのよね、お土産に何を買えば良いのかしら」
「まぁ、兄弟国だからね、まぁ、買うとしたら護身用のアクセサリの魔法具とかじゃないの」
エリザがお土産として買うならと一例として提案する。
「そうよね、後は置物だったら多少は違うんじゃないの、あとはお菓子も良いと思うけどね」
イコマもアリシアに提案する。
「う~ん、確かに魔物を象った置物はないけど弟にあげて喜ぶかな」
「ねぇねえ、アリシア、あれなんか良いじゃないの」
エリザが小物雑貨店に飾っていた生地で出来てぬいぐるみを見つけてアリシアに教える。
「あっ、魔物や猫などのぬいぐるみだけど見た目が可愛いかもね、うん、弟達にはあれにしよう」
私はぬいぐるみを見て、直ぐに小物雑貨店にエリザさん達と入る。
カラン、カラン。
「はい、いらっしゃいませ。あらアリシア様ですね、ご来店ありがとう御座います」
店員のお嬢さんが笑顔で出迎える。
「あっ、はい、そう言えば一回だけで来た事がありましたね」
「えぇ、良いアドバイスを頂けて、お陰様で大変繁盛しております」
「えっ、何か言いましたっけ」
「はい、彼方のぬいぐるみです。とても人気で良く売れてます」
「あれ、そんな話をしてましたか」
「えぇ、あそこに置いてある置物を見て、生地で作った可愛いくて柔らかいぬいぐるみがあれば売れると思うけどなと申されていましたので、試しに色々考えて作ってみたら売れました」
「アハハ、そんな事がありましたか、それは良かったですね、私も弟達のお土産にぴったりだと思ったので買わせて頂きますね」
「はい、ありがとう御座います。お一つ謝礼でサービス致しますよ」
「えっ、良いですか、それならおまけで頂きますね」
私はお言葉に甘える事にしました。
本当は3個買う予定でしたが4個選んで猫とウルフと熊と一角ラビットを選んで3個分の代金を支払い、アイテムボックスの中に仕舞った。
「うふふ、良い買い物が出来ました。ありがとう」
私は笑顔で店員さんにお礼を言ってからお店を出た。
「そうですか、ありがとう御座います。アリシア様、またの御来店をお待ちしてます」
店員さんも笑顔で代金を受取り見送る。
「ヨッシ、これで弟達のお土産はOKね、後は両親には何が良いかしら、うーん悩むわね、ユリギアス商会に行こうかな、何かあるかもね」
「そうですね、商会だったら品揃いもありますからね」
エリザが商会なら良い物があると賛成する。
私達は中央街路の真中辺りに大店舗を構えるユリギアス商会へ向かって街路を歩き、商会までに建ち並ぶお店の店先に陳列してある品々を見ながら商会へ向かう。
ユリギアス商会へ着くと直ぐに店内に入り店内にある品々を見て回っていると、店員さんが私の所に近寄って来て来店の目的を聞いて来た。
「いらっしゃいませ、本日は何をお買い求めですか」
「あぁ、明日から夏期休暇なので里帰りするので両親にお土産を買いたくて来たの」
「左様ですか、ご予算はどのくらいですか」
「う~ん、10万ルピくらいかな、あんまり高いの買うとお母様に叱られるから」
「オホホ、お嬢様はどこかの御令嬢なのでしょうか」
「あぁ、アリシアはルディナス王国の王女様だから、チョッと金銭感覚が普通の子供と違うのですよ」
エリザが店員にアリシアの正体をバラす。
「えっ、アリシア様でしたか大変失礼いたしました。ご無礼をお許しください」
「あ~、そんなに畏まられると困りますから普通に接してください。私はこの国では一般人ですからね」
「いえいえ、そうは参りません。私どもの商会の魔道具工房でお世話になっておりますから、ご来店の際に魔道具類でしたら5万ルピまでサービスするように上司からの通達がありますので、ご遠慮なくお買い求めください」
「アリシアっていい意味でも色々とやらかしているのね」
イコマがアリシアを見て呆れるように冷やかす。
「えっ、そうかな、まぁ、良いわ、それなら宝飾コーナーに行きましょうか、多分だけどあると思うから」
私は両親に温度調整が出来る魔法具のアクセサリーがあると思い、それをお土産にする事にした。
私は直ぐに宝飾コーナーへ行くとやはり陳列されていたので、安価で買い求められる様にと錬成陣を無償で提供してものでネックレス1個とブレスレットを3個を選んで20万ルピを割引で15万ルピを冒険者証の口座から支払った。
後はお城でお世話になっているメイドさん達のお土産として、休憩時のお茶菓子としてお菓子の詰め合わせを10個を買ってから公爵邸に帰った。
私は公爵邸の庭先でエリザさんとイコマさんと護衛任務はもう終わりですと言って別れて、屋敷の中に入り部屋でソファーに座ってルイを膝の上に乗せてモフモフして寛ぐ。
お姉さま夫婦と里帰り前の最後の晩餐の時に、私はお姉さまに学期末習得実力試験の時に言われた飛び級試験のことについて意見を聞いた。
「お姉さま、実は試験が終わった時に冒険者科の先生に中等部では教える事が無いから高等部に飛び級試験を受けてみたらどうだと言われたのですが、お姉さまは飛び級についてどう思われますか」
「飛び級か、そうね、確かにアリシアは特別だものね、実力があるのなら飛び級も良いとは思うけど高等部か、ただねアリシアには刺激が強いかもね、勉強だけじゃないものね」
「あぁ、そうだな、高等部の女子に馴染めるかというのが問題だな、一つだけの飛び級ならまだ何とか馴染めるかもしれんがな、二つ飛び級となるとな」
リガルドさんは高等部の女子は婚姻の為に男漁りが激しくなるから、アリシアにはそれが馴染めないと感じていた。
「それって恋愛関連ですかね、う~ん、私は異性には興味が無いから確かにそっち系では馴染めないかも」
「まぁ、全ての女子が男漁りするとは思わないけど、アリシアの周りに自立タイプの女子がどれくらい居るかどうかね」
「そうだな、かなり強烈だからな私でも圧倒されたよ、アセリアと婚約発表するまでの間はまさに地獄だったな」
リガルドは当時の事を思い出すと身震いするほどで、改めて女子の恐ろしさを知る事になったなと天井を見つめる。
「まぁ、進級についてはアリシアが将来どう在りたいかと言うのもあるわ、しっかり考えると良いわ、私の個人的な願望で言うならアリシアには早く高等部を卒業してもらって私の補佐役になって欲しいけどね」
「そうなんですか、お姉さまの補佐役ですか、それは魅力的ですね」
「うふふ、そうでしょう、私の補佐役になる件も考えてくれると嬉しいわ」
私はお姉さま達と飛び級の相談をしたけど、ただ高等部で友達ができるかどうか、それが一番の飛び級するにも大きな不安材料かなと感じて里帰り前のお姉さま夫婦との晩餐が終わった。
翌朝になりお姉さま夫婦と共に朝食を頂いた後は屋敷の中庭に出て、私はルイと共に巨大化したルーズの背に乗っると、お姉さま夫婦に見送られながら空へ飛び立ち、ルディナス王国目指して空飛んで行く。
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