第9話.
「 なんだか、導かれてるみたいだなぁ 」
独り言のつもりで口にしたその言葉。
けれど、意外にその声は大きかったようでそばに居たちびたこには聞こえていたらしかった。
「 確かに!!蛍さんたちは、ボクたちをどこかに連れていきたいんじゃない? よぉし、追いかけるぞぉ!! 」
「 はァッ!?!、おまっ、待ちやがれッ!! 」
「 ぇ、ちょっ、2人ともッ!? 」
好奇心旺盛なのは決して悪いことでは無いが、それが仇となり、みんなを置いて蛍を追いかけ始めるちびたこ。
そしてそのちびたこを追いかけるたこきれ。
後ろで驚きながら見ていた僕。
それら光景に慣れっこなのか、特に驚いた素振りを見せないたこすんたち。
ここからどうすればいいのか、そんなことを悩む間もなく、僕にはちびたこたちを追いかける選択肢しか残されていなかった。
────蛍を追って。
ちびたこたちを追って。
僕はひたすら走り続けた。
そうしていたら、もう数十分の時が経過していたことに気がつく。
僕たちは霧の森を抜けた先にあった、開けた草野原に来ていた。
人間の手が加えられず、草が自由に伸びしきり、僕の家の近くでは見られないような植物も生息している。
そこにドンッと立ち、その圧倒的な存在感を醸し出すそれに、僕たちの視線は釘付けだった。
「 おぉ~!、おっきい木だねっ。こんなに大きな木は初めて見たかも! 」
「 僕もこんなに大きな木は見たことないなぁ 」
目の前に立つのは、何百、何千年と長い年月を生きてきたであろう巨大な杉の木。
“木には魂が宿る”
そんな言葉が良く似合う、それも神様のような神聖な存在に感じられた。
「 そういえば、秘宝って霧の森を抜けた先にあるんじゃなかったっけ? 」
不意に湧いてきた疑問を、隣にいたたこきれに投げかける。
「 あ? 違ぇだろ。それは秘宝のある場所に行くための門だかが現れる場所だ 」
「 …月明かりの下にしか現れない門、だったよね 」
いつの間にか僕たちのすぐ後ろまで来ていたたこすんたち。
“月明かり”―――この言葉を引き金に、まだ月は出ていないのかな、という思いが現れる。
その思いのまま空を見上げると、雲ばかりが空を埋めつくしていて、夜なのかも分からない。
暗くなってきていたから夜だろう、と考察するも、雲があることで月明かりが遮られるどころか、月すらも見えなかった。
う〜ん、と頭を悩ませながら石碑に書かれていた文章を思い出す。
「 やっぱり、月がでてないとダメかもな 」
あの話が本当なのかどうか、雲におおわれた空を見ていると、それを確かめることも難しそうだと感じる。
そんなことを思ってから、数分が経ったころだった。
なんだか、辺りが少し明るくなったような気がして不思議に思う。
「 あれ、月が見えそうですよ 」
「 ホントだな。ありゃ三日月か? 」
ふたりの言葉に夜空を見上げると、ちょうど月が雲間から顔を出したところだった。
僕がそれを視認した直後、足元の地面が神々しい光を放ち出す。
「 ッ、な、何だ!?!! 」
「 ぇ、えっ?? 」
その光に体ごと飲み込まれ、光が落ち着き周りの景色が見えるようになったとき―――
僕たちの目の前に突然姿を現したのは、石碑に記されていた月明かりの下にしか現れないとされる門であった。
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