表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
"名のない英雄"  作者: 莉月 暁星
【 名前 】
39/39

第39話.

 

 神々しい光に包まれている間、僕は碧との毎日を思い出していた。



「 ブラボー!! 」


 サッカーの試合で勝利して喜ぶ碧。


「 ブラボ〜っ 」


 なにか悲しいことがあって落ち込む碧。


「 ブラボー 」


 その名前が好きで、その言葉を口にする度に小さく微笑んでくれた碧。


 そんな碧が大好きで、僕の“太陽”だった。


 僕の名前を呼んで、それだけで笑顔になる碧。


 ―――ずっと、そばで見ていたかったんだ。










 光がおさまる。


 眩しくて閉じていた瞼を開けると、そこに僕の親友()の姿はあった。


 ずっと、会いたかった碧が、そこにいた。


「 ただいま、“光輝” 」


「 …うん、おかえり。碧 」


 “光輝”―――その一言が僕の耳の奥で反響している。


 胸の奥底に沈んでいったはずの悲しみが、今にも溢れ出しそうだった。


 碧が帰ってきてくれた。


 その喜びは確かにここにあるのに、僕の名前を呼ぶその声が、どこか遠くの存在に感じる。


 視界がボヤけた。


 目尻に、涙が滲む。



 ─────あぁ、僕はもう“光輝”なんだ。



 って、わかってしまって。


 息が詰まる。


 本当は、今すぐにでも泣き出してしまいそうだった。


 碧がその名前で、僕を呼ぶことはもうないから。


 けど、今の僕はもう、前の僕とは違うんだ。


 そう自分に言い聞かせて、僕は拳を強く握りしめた。


 皮膚に爪が食い込んで、そこから赤い雫がこぼれ落ちる。


 そんな痛みなんか気の所為にして、僕は碧のほうを見た。





 ────碧。


 ねぇ、碧。


 僕も、光になれたよ。


























物語は、もう少しだけ続きます。


彼が選んだ名前と、

失ったものの先にある答えを。


最後まで、見届けてください。


※次回投稿は 3月31日(火) になります



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ