第34話.
僕の手が、石のオブジェに触れる。
瞬間、淡い光のような温かさが僕の指先に広がった。
僕が触れたのは石のはず―――そう思うのもつかの間、次の瞬間には、僕の意識は別のものへ向けられていた。
ブォーン!!
そんな音を立てながら、上空を目指して光の筋が伸びていく。
ところどころで星屑を零しながら、その光は天を目指した。
洞窟の天井にその光が触れる。
途端、光が破裂し、常闇に星の花火を咲かせた。
“綺麗”
その言葉ひとつじゃ表しきれない。
―――花火が儚く散る。
そうして現れたのは、煌びやかに虚空を舞う“秘宝・星霜の宝珠”だった。
内側から燃えるような深い紅を纏う。
ルビーのような真っ赤な情熱。
小さな火片を辺りに飛び散らせながら宙で踊る。
星霜の宝珠は、流れ星のように僕たちの前へ舞い降りた。
地面を通じて、秘宝の揺れが伝わってくる。
とくっ とくっ
と、心臓の鼓動のように動く。
情熱的な色に対して、その音はとても優しく、今にも消えてしまいそうだった。
秘宝・星霜の宝珠に近づく。
そして、それに触れようと手を伸ばした。
けれど、僕の指先が触れる前に星霜の宝珠は宙へ浮かぶ。
「 ぅえっ!? 」
驚いて、その場に尻もちを着きそうになる。
なんとか持ちこたえるも、驚いていてそれどころではなかった。
「 ぇ、えっ、!! 」
後ろにいたちびたこが、目を見開かせる。
いつの間にか僕たちの手元から離れた2つの秘宝。
“霧の心臓”と“暁の種”。
そして今目の前にある“星霜の宝珠”。
それらが光を放ちだし、円を描きながら空へ登っていく。
星屑を溶かしたような、そんな謎めいた美しさだ。
やがて、3つの秘宝は重なりあう。
バチバチと静電気のようなものを交えながら、それらは繋がりあった。
────3種の秘宝は新たな秘宝へと姿を変える。
“秘宝・星命の核”
ついに、最後のピースが揃った。
これがあれば、虚空の神殿へと行けるんだ。
と、強く感じさせられた。
眩い光で空間が満たされる。
気づけば僕たちは、その光に包まれ気を失っていた。




