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第31話.
突然脳に流れ込んできたその1文。
無意識のうちに、僕はそれを口にしていたらしかった。
「 神像の御手に、火よ、灯れ 」
「 ?、急にどうし 」
ボワっ
僕の言葉を不思議に思ったのか、たこやんが口を開いた時だった。
神像の手に握られていた木の枝の先が、音を立てて勢いよく燃え始める。
まるで、僕の言葉に応えたように。
そう思うと、なんだか胸が高鳴った。
恋とはまた違った、不思議な感覚だ。
それらの炎はそれぞれが違った色をしていた。
左から、“赤”、“緑”、“青”。
驚く間も与えられず、それは次の展開へと進められていく。
眩いくらいに光だした3つの炎。
その炎が、それぞれの神像の足元から、一点を目指して伸びていく。
やがて合流したその炎は、激しくぶつかり合った。
そしてひとつの炎を生み出す。
炎が辿ってきた道が裂け、そこに新たな道が現れた。
そこが見えない、真っ暗な大穴。
“この先に最後の秘宝が眠っている”
そう、強く感じさせられる。
胸の奥に隠れたざわめきが、そのことを物語っていた。
僕は思わず後ずさった足を、前へと引き戻す。
「 … 行かなきゃ 」
そう一言呟いて、僕は3種の炎が生み出した道へと一歩踏み出した。




