第29話.
ゴールド仮面に次いで、隣にいたシルバー仮面のチョチョキも口を開く。
「 そういえば、さっきあの奥に神のような形をした石像があったな。あれはお宝と関係があ 」
ピタリ、と喋るのを辞めたシルバー仮面。
心做しか顔が青ざめているようにも見える。
それは隣のゴールド仮面も同じだった。
突然どうしたんだろう、と思うも、直ぐにその理由はわかった。
「「 か、かあちゃん!?!! 」」
「「「 え 」」」
その言葉に驚いたのは僕だけではないらしい。
タコスたちと僕の言葉が重なった。
驚いた勢いのまま、チョチョキたちの目線の先を見やる。
そこには魔女のような格好をした女の人がいた。
「 こらアンタたち!! こんなところで道草食ってるんじゃないわよ。勉強が嫌だからって、また抜け出して… 」
その女性からの怒号がチョチョキたちに飛んでいく。
すると、怯えたような形相でチョチョキ族はどこかへ去っていってしまった。
「 …嵐がさった 」
いつもの2倍くらい疲れた顔をしたたこすんに同情する。
どこからともなく突然現れて、数分でどこかへ消えていったチョチョキ族を思い浮かべた。
「 そういえば、チョチョキの言っていた神様みたいな石像ってなんだろう? 」
「 あー、そういやそんなことも言ってたな 」
“神様みたいな石像”か。
たこしの言った“神様”という言葉が引っかかって、なかなか頭から離れない。
胸がザワつく。
なんでだろうと思った時、僕はあの石碑のことを思いだした。
「 そういえばさっき石碑を見つけたんだ。もしかしたらそれに関係があるかもしれない 」
「 あれ、石碑なんてあったっけ? 」
「 うん、天井にね 」
不思議そうにしているたこしにそう答えると、僕は天井を見上げた。
「 だからチョチョキ族の見つけたっていう石像は、秘宝の手がかりになると思うんだ。みんなで行ってみない? 」
「 あぁ、ま、行ってみんのもありか 」
そうして僕たちは、たこきれを先頭に洞窟の奥へと進んでいく。
そして歩き始めて5分ほど経った頃だろうか。
道の先に、開けた空間を見つけた。
“石の宮殿”―――そんな言葉が良く似合う。
立ち並ぶ石の円柱、奥にかすかに見える石の祭壇。
綺麗な空間だ。
ただ、そう思った。
何も言葉を発さずに、奥へと進んでいく。
この地下宮殿に僕たちの足音だけが響く。
けれど、その音も吸収されるように石の奥へと消えていった。




