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"名のない英雄"  作者: 莉月 暁星
【 黎明 】
24/38

第24話.

 

 ワープゲートを抜けた先は、もう洞窟の中だった。


 けれど、どこにでもあるような洞窟じゃない。


 夜の世界にいると錯覚させられるような、そんな空間だった。


 天井からのびた鍾乳石は、宇宙の一欠片のような深い青をしている。


 そんな青がキラキラと輝く様子は、夜空を閉じ込めた宝石のように綺麗だった。



 幻想的な世界に魅了される。


 そんなとき、突然後ろから怒号がとんできた。


「 オイッ、遅ぇぞ!! 」


「 ブラボーくんなかなか来ないから、みんな心配してたんだよっ 」


 驚きながらも振り返ると、眉間に皺を寄せたたこきれと、あたふたした様子のちびたこたちがいた。


「 ごめんっ、ワープゲートに入るのに手間取っちゃって 」


 少し無理があるかな、なんて思いながら小さな嘘をつく。


 たこきれやたこすんは僕の言葉に呆れているようだったけれど、他のみんなは特に不思議に思っていなそうだった。


 その様子に少し安心する。


 けれど、少しとは言え嘘をついた罪悪感から逃れたくて、僕は話題を逸らした。


「 …ここ、洞窟だけど僕の知ってる洞窟じゃないみたい。凄い綺麗だね 」


 辺りを見渡す素振りをして、僕はそんな声をかけた。


「 うん!! 宇宙に来たみたいだ! 」


 元気に走り回るたこしを見て、自然と頬が緩む。


 温かい気持ちになっていた時、たこしの走る先の地面に違和感を覚えた。


 なんだか、柔らかいみたい。


 僕が今立っている地面は岩だけれど、たこしの近くは岩じゃないみたいに思えた。


「 、? …ねぇ、そっちの地面、なんだか変じゃない? 」


 少し大きな声でそう呼びかけると、たこしは元気よく僕の方を振り返った。


「 地面? って、あれ? ここから先、水になってるよ!! 」


 水…?


 不思議に思って、僕はたこしのほうへ駆け寄る。


 そこはもう道が途絶えていて、終わりの見えない水路が続いていた。



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