第23話.
朝の空に東雲が見えてきた頃。
「 ぉはょぉ… 」
その声が聞こえて、僕は声の方を振り返る。
声の主はちびたこだったようで、目を擦りながら僕のところへやってきていた。
まだ寝ぼけているのか、小さな欠伸をしている。
「 おはよう 」
そう言って微笑むと、ちびたこは嬉しそうに微笑み返してくれた。
「 次の目的地は“星の洞窟”だな 」
「 そうだね 」
みんなが起きて、たこきれが目的地の確認をする。
その裏で、たこすんが手馴れたようにワープゲートを呼び出していた。
相も変わらず不穏な紫の光を纏って渦巻くワープゲート。
もうそれを目にするのは3度目だと言うのに、僕は未だ“ワープゲート”というものに慣れなかった。
「 もう行くか? 」
「 うんっ! 早くいこぉよっ 」
「 ンな急かすなって 」
たこやんとちびたこの会話を聞き流して、僕はただ“これから”のことを考える。
────きっと、星の洞窟にも“秘宝”が眠っている。
そして、その秘宝は虚空の神殿へたどり着くための手がかりになる。
僕は星の洞窟へ行ったことがない。
見たこともない。
それなのに、そのことだけは揺るがない真実のように、僕の胸の奥に刻まれていた。
「 !! ワープゲート、通れる大きさになった ! 」
「 そうですね。ではそろそろ行きますか 」
たこしに続いて、たこおた、ちびたこ、とワープゲートへ飛びこんでいく。
みんながワープゲートの向こう側へ行ってしまって、僕ひとりがここに取り残されていた。
ひとりになったからか、心の底からどんどんと不安が込み上げてくる。
────僕はちゃんと、碧を助けることができるだろうか
不意に、そんなことを思ってしまった。
“ブラボー、助けてくれ”
あの日拾った紙切れに書かれていた一文。
紙切れには確かに“助けて”って書いてあった。
碧が僕を呼んだんだ。
碧を助ける―――それは僕の使命なんだ。
そう、胸の内で唱える。
僕の決意がみなぎる音がした。
「 あっ、僕も行かなきゃ 」
みんなはもう、ワープゲートの先へと行ってしまったことを思い出して焦ってしまう。
少し急ぎめに、僕もその紫の光芒に吸い込まれた。




