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"名のない英雄"  作者: 莉月 暁星
【 陰陽 】
22/38

第22話.

 

 繋がった光の道を辿って、暁の種が僕の手元までやってくる。


 蝶々の光が恒星なら、暁の種は“太陽”だ。


 そう感じるほどにその光は眩しくて、誰かの闇を照らしてるみたいだった。


 太陽のようなのに、今それに触れている僕の手はちっとも熱さを感じない。


 不思議だけれど、そのミステリアスな感じも暁の種の魅力に思えた。


「 それが光の泉の秘宝なのかな? 」


 ひょこっという効果音と共にちびたこが現れる。


「 うん、これが秘宝・暁の種だよ 」


「 凄いキラキラと光ってますね 」


「 ね、眩しすぎちゃうくらいだよ 」


 そんな会話をして、僕は手の中で光り輝く秘宝を見る。


 それを見ていると、なんだか心の奥が温かくなるような、そんな気がした。






 秘宝探しもひと段落がついたから。


 そう言っていたのはもう数時間も前のこと。


 一睡したうちにもう夜空のオーロラは見えなくなっていて、少し残念に思う。


 けど、それとは反対に嬉しく思う気持ちもあった。



 ―――残す秘宝は、あとひとつ。


 次の目的地である“星の洞窟”で秘宝を見つければ、もう“虚空の神殿”は目前だから。


 僕の本能が胸の奥でざわつきながら、そう告げている。


 虚空の神殿に行ければ、もう碧を助けられるも同然だ。


 そのことを考えて、嬉しくなって。


 そして、早く星の洞窟に行きたいと思う気持ちが増していく。


「 、早くみんな起きないかなぁ。 」


 そんな独り言をこぼしながら、僕は空を見上げていた。












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