第21話.
「 ねぇ、みんなは水の音とか、小鳥の鳴き声とか…そんな音が聞こえてる? 」
僕が見つけた“異変”を、さらに確実なものへとするピースを集める。
賑やかだった空間は僕の言葉を境に静まり返る。
同時に、その場にいた全員が僕の発言の意図を理解させられた。
不思議に思ったのか、ちびたこはキョロキョロと辺りを見渡す。
「 ?、あれ、何も聞こえないね ? 」
「 あぁ、俺たちの声以外の全てが聞こえねぇな 」
たこきれは頷きながらそう言うと、なにか思うことがあるかのように泉のほうを見た。
「 泉に何かあったの? 」
「 あー、、泉にっつーより、蝶々のほうだな。ほら、見てみろ 」
たこきれに言われたまま、僕たちは泉のほうを振り返る。
そこには、先程まで各々自由に舞っていた蝶が、暁の種の上空で渦を巻くように羽ばたいていた。
蝶の羽が陽の光、月の光に照らされてそれぞれの色に光り輝く。
それはまさに、オーロラのような美しさを生み出した。
けれど、それはただ美しいだけじゃない。
その美しさの裏に隠れた神聖な何かが、その輝きの魅力をひきたてていた。
この世に存在する言葉だけでは到底表すことの出来ない美しさ。
それは、息をするのも苦しく感じてしまうほどに美しかった。
そんな、目の前に見つけた魅力から目が離せない。
目を離したら消えてしまいそうで、そんな儚さも纏っていたから。
数秒ほど、僕はその魅力の虜になっていた。
ハッと我に返ったあとは、蝶の動きに注目してみる。
突然、蝶がみんな同じ動きをし始めたのは何故だろう―――そう思って、ひとりでに考え込む。
けど、やっぱり僕1人では答えにたどりつけなくて。
悩んだ末に、虫について詳しそうなたこしに声をかけようとした。
その時だった。
羽ばたいていた蝶々が、光を反射するのではなく、自ら光を放つかのように輝き始めた。
例えるなら“恒星”―――自ら光り輝く星に近いだろうか。
その変化に驚いていれば、次はその光がひとつの道筋となり、僕の手元まで届く。
光の渦に飲まれていた秘宝・暁の種と、僕の手が繋がった瞬間だった。




