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"名のない英雄"  作者: 莉月 暁星
【 陰陽 】
18/37

第18話.

 

 湖に気を取られていると、不意にたこしの声が耳に入り込んできた。


「 !! 雪だ! 」


 雪?


 そう思って空を見た。


 天から音もなく舞い落ちてくる雪。


 月明かりと太陽の光に照らされ、そのひとつひとつが、自ら光を放つかのように舞っている。


 例えるならば、広大な宇宙からこぼれ落ちた星のよう。


 綺麗なんて言葉の一言だけでは足りないくらいの美しさが、そこにあった。



 ふわっと、湖の水面(みなも)の上に雪がひとつ舞い落ちる。


 水音ひとつ聞こえなかった。


 けれど、その瞬間に僕の瞳が捉えたほんの小さな波紋は、その湖が呼吸をしたかのように思えた。


 ────その刹那、



 パキ パキ パキッ



 と、湖が凍った。


 その光景に、僕は思わず情けない声をこぼす。


 その場にいた全員が、何が起こったのかを理解できていなかった。


 けれど、驚くにはまだ早かったらしい。


 凍った湖は、もうひとつの空を映し出す。


 “七色に輝く光の帯(オーロラ)”―――そこに映し出されたそれは、正真正銘の“光の橋”だった。



 “光の橋を渡りてのち,泉あり.”



 石碑に記されていた文章の一部分が、僕の脳裏を過ぎる。


 その光の橋が今目の前にあるんだと思うと、いてもたってもいられなかった。


 自我を抑えきれなかった僕の足が動き出す。


 一歩、一歩と前に進み、遂には凍った湖へと足を踏み入れた。



 ────きっと、この先に光の泉がある。



 僕はそう確信していた。
















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