第13話.
「 お_!!__ボー! 」
かすかに聞こえてきた誰かの声。
聞き覚えのあるその声に呼ばれた気がして、僕は重たい瞼を開いた。
目を覚ました矢先に見たのは、聖域に来る前も目にしたあの巨木だった。
「 あっ、おはよ!! 」
「 ぇぁ、ぉはょぅ? 」
突然のことに戸惑いながらも、ちびたこに挨拶を返す。
僕たちの会話が聞こえていたのか、その場にいたタコスたちが一斉にこちらを振り返った。
「 っ、? …みんなどうかしたの? 」
「 あ? オマエ覚えてねぇのかよ 」
「 …君、さっきまで気を失ってた 」
「 ぁ、 」
そういえばそうだったかも、とたこすんの言葉を引き金に少し前の記憶が脳内で再生される。
僕は気づいたら星に触れていて、そしたら凄い熱くて気を失っちゃって────あれ、その後はどうなったんだろう。
思い出すうちにふつふつと湧き出た疑問に首を傾げる。
考えるほどその疑問は大きくなるも、その答え合わせをする方法などあるはずがなかった。
「 …あっ!! 誰か霧の心臓見てない?? 」
ふと思い出した、“秘宝”の存在。
────あれがなかったら虚空の神殿に行けない。
つまり碧を救えない。
そんな思考が、僕の脳を埋め尽くす。
“不安”―――その感情だけが、僕の胸の内を渦巻いて消えなかった。
「 霧の心臓? 」
たこしが不思議そうに僕の言った言葉を復唱する。
その様子を見て、僕の不安はさらに高まる一方だった。
「 そーいや、霧の心臓かは知らねーけど、あっちのほうさっきから光ってるよな 」
「 あっ、それオイラも気になってた!! 」
「 光? 」
そう思って、僕はたこやんたちの目線の先を見る。
たしかにそこには何かの光が溢れ出していて、さらにそれは覚えのある気配をまとっていた。
まさにそれは“霧の心臓だ”―――と、断言させるような、そんな光だった。




