二代目総長
俺は辺りの様子を見て呆れていた。何故こうなってんだか。呆れててる俺に対し、綾が俺に状況を説明しに来た。
なるほどね。綾からの話を聞いた俺は「とりあえず令美さん。何してんすか?なんで百鬼のメンバーだって分かんないんすか。今年の年賀状で幹部全員が揃った写真送りましたよね。そこに写ってますよアリスも鈴音も。」と俺が言うと「だって私バカだから覚えれない。」といつもの言い訳を聞いた。こりゃダメだわ。そう悟った俺はアリスと鈴音の方を向き「お前らもだ。なんで二代目総長が分かんねぇんだよ。俺たちの本部にデカデカと飾ってるだろ二代目の写真が。」そう言うと二人同時に「「総長の写真しか見てないのでその他の写真など視界にすら入ってませんでした。」」と言いやがった。駄目だコイツらも。綾は、大丈夫だな。綾には何も言う事がなかったので、ポカーンと固まっている欄ちゃんのとこに行くように指示をした。
さて、問題は紗夜だ。紗綾と二代目は仲が悪い。非常に悪い。原因は恐らく紗綾が百鬼に入った経緯が関係していると思う。
紗綾は百鬼に入る前、大天使の初代総長だった。そして百鬼に喧嘩を売ってきた。そして百鬼は負けた。下っ端達は押していたが大天使は幹部が強かった。その時俺がいなくて百鬼の幹部は特攻隊隊長と親衛隊隊長しかいなかった。結果幹部は全員倒され令美さんと紗綾の一騎打ちになった。初めは令美さんが押していたが本気になり空手を解禁した紗綾の上段回し蹴りで決着がついた。そしてとどめをさそうと踵落とししようとしたと事で俺がそれを止めた。まぁそっから色々あって紗綾は百鬼に加入した。紗綾の役職は副総長補佐だった。つまり俺の部下として百鬼に入ったのだ。だからいつも「私はあの女の下にはついていません。」と言っていた。
まぁそんな事もあって紗綾と令美さんは死ぬほど仲が悪い。俺としては令美さんには恩を感じているし、紗綾は俺が1番信頼できる側近だ。だからできれば争ってはほしくないのだが流石にやりすぎだな。「紗綾。お前はやりすぎだ。確かにアリスや鈴音がやられたが令美さんは二代目総長だ。ある程度は従っとけ。」そう言うと紗綾はかなり不満の表情を見せたが「総長がそう言うなら分かりました。」令美さんはドヤ顔してる。正直今やらないで欲しい。すると、「ところで司?なんでうちの妹にアイツらつけたの?」とアリスと鈴音を指差しながら言った。話を変えてきたかまぁいいか。俺は欄ちゃんに護衛をつけるようにした経緯を話した。
「なるほど❗️そいつら殺してくるわ。私の可愛い妹にナンパなんて許せない❗️」いやそいつらすでに紗綾が半殺しにしてるんだけど。肝心の欄ちゃんは綾とお喋りを楽しんでるようだ。俺は「令美さん、そいつらはもう始末したのでこれ以上したら捕まりますよ?いいんですか?まぁ捕まっても出してあげれますけど。」と言うと「出してくれるなら別にいいじゃん。まっ司がそこまで言うなら辞めてあげる。」別にそこまでと言われるほど止めてないけどな。まぁ面倒事が増えないならそれでいいだろう。そして俺は欄ちゃんの方に行き「なんかごめんね。欄ちゃん。」と謝ると「司くんが謝る事じゃないよ。元はといえばお姉ちゃんが始めた事だし。」と言われて令美さんは泣いていた。令美さんはシスコンだったのか。俺は二代目総長である令美さんの意外な一面を今更知るのであった。