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『自殺者の怒り』

『自殺者の怒り』






 今まで体験した中で一番怖かった体験。



 4年前の話。

 僕はまだ中学3年生で、遊びたいざかり。

 ヤンチャ坊主の糞坊主な僕たちは女の子達も一緒に川でぎゃ〜ぎゃ〜騒いでました。

 その川というのが、覚えてますか?

 前投稿させていただきました、『夢は何を意味する?』に出て来たあの川です。

 その川はかつて日本一汚い川に指定されたこともあり、普段からど〜んよりとした雰囲気。そしてその川。潮が引く一時だけ、海と合流する地点に川を遮る様にある工場地帯沿いに、道が出来るんです。


━━━━━  海

    道↓

     / / ̄/ ̄ ̄

 川  / /工/

    / /場/

   / /地/

   / /帯/

 ̄ ̄ ̄‖ ̄

堤防 ‖行き止まり

______‖_


ま、こんな感じで。それを発見した僕らは、さっそくその道を渡って行きました。

 すると図のように右手に工場地帯があり、そこに登る為の古い階段がいくつかありました。

 その工場地帯はその当時既に廃墟になっており、誰の目にもとまらず悪さし放題だったので僕らの秘密密会場になりました。

 毎日毎日通い、そこにある消火器や珍しい物を壊し、持って帰りと好き放題遊んでましたっけ………。

 そして僕らはプレハブの様などうやら事務所らしい所に目をつけるようになりました。

 真っ暗な一階をそのまま通り抜け二階へ上がります。二階は、何も置いていないただの部屋で、部屋の側面には壁がなく、下が丸見えでした。

 そして、ジャンケンをして負けた人がその二階から飛び降りることになりました。

 負けたのは運動神経抜群の友達。二メートルちょっとしかない二階から楽々ジャンプ。がしかし、運が悪かったのか足を捻ってしまいます。

 皆がからかいながら近付くと、首を傾げたその友達。そいつの言い訳は、体の自由がきかなかった。らしい。

 信じるはずもなく馬鹿阿呆マヌケと散々罵られものすごく不機嫌な彼。

 でも、僕だけは彼が飛んだ瞬間体が僕らがいる側に引っ張られる様な空間の歪み方を見た気がしました。

 でも誰も気にしてないようだったので言うのをよし、その日は帰宅。

 一週間後また学校帰りにそこへ向かいました。

その日は主に消火器を噴射して遊んでいました。

 そしてジャンプして遊んだ事務所のような部屋の下の真っ暗な部屋。

 両側のドアを少し半開きにした状態で片方のドアから消火器を噴射! 何回も繰り返すと、もう片方のドアからドンドン消火器の粉が出てきました。

 予想以上に上手くいき、何本も使って遊んでました


 やがて消火器がなくなりドアを開けると真っ暗で何も見えなかった部屋が消火器の粉だらけでもっと何も見えなくなってました。 次はそこで遊ぼうとドアを全開にして消火器の粉が落ち着くのを待ちました。

 そして落ち着いたころ。



 ドアを覗いた僕らは一瞬で言葉を失いました。

 消火器の粉で真っ暗だった部屋に物体が浮かび上がっていたんです。


 人。


 のようでした。

 足元には大きなドラム缶、頭上には梁に繋がれた紐………。

 ソレは、作業着を着ていて手袋をはめていました。

 皮膚は赤黒くて眼球は無く、服が皮膚に張り付いていました。海の近くのためか白骨化すること無く、ミイラ状態。



 僕とある女の子は言葉を失い、他の友達を呼ぼうとした時、とてつもない殺気を感じました。友達が近いてきて、僕が見てるモノを見つけました。

 次々に友達が集まってくるなか、頭の中に次々と自分のじゃない感情が浮かび上がってくる。

 辛さや悲しさが頭に押し寄せ、僕とある女の子が立っているのも辛くなり床にしゃがみ込みました。

 ですが…………

 悲しみや憎しみがそのうち僕ら自身に向けられて行くのがわかりました。そして低い声で男が

殺してやる




殺してやる




殺してやる




殺してやる



殺してやる



殺してやる


殺してやる


殺してやる

殺してやる

殺してやる

殺してやる

殺してやる

 頭が割れるように同じ声が響きわたり僕と女の子は倒れ込んでしまいました。

 友達が僕らを担いで逃げてくれたそうですが、気がついた時は自宅の自分の部屋の布団の中で………。


 親を呼びに部屋のドアを開けてまた意識を失いました。


 何故なら、ドアの前に首を吊っているあの首吊り死体を見てしまったから……………。

 あの死体と違ったのは、目がありギロっと自分を見つめていたこと…………。

 以上が僕が今までの人生で一番怖かった体験です。


 声を聞いたのは僕と女の子だけで、実際に部屋まで来たのは僕にだけ。

 警察には不法侵入がばれるため通報出来ませんでしたが、しばらくしてそこの工場の近くで爆発事故が起こりました。

 それからしばらくしてまたあそこを訪れた時、あの人がいた場所には花が供えられていました。

 爆発事故のことですが、僕たちはあの死体が起こしたのではと考えています。



「気付いて」


という気持ちを込めて。

『自殺者の怒り』如何でしたか?


よろしければ評価感想お願いします。


次は深夜の学校で起きた心霊現象です

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