表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

41/70

41話。剣聖イブがバフ・マスターの配下になる

 ルーンナイツの兵舎の前は、うら若き乙女たちで、ごった返していた。

 先日のアンデッド軍団の討伐と、僕とリディアの婚約発表により、ルーンナイツの名声が爆上がり。入団希望者が押し寄せているのだ。


 戦力強化のため、まずは人材の確保が必要だ。

 僕たちは、その対応に追われていた。


「それでは、あなたの志望動機について教えて下さい」


 兵舎の一室で、僕とティファは入団希望者の面接を行っていた。

 ティファが真剣な眼差しで、向かいに座った少女に質問する。


 相手は魔力測定などの入団テストをクリアして、最終試験である面接までこぎつけた娘だった。


「凱旋パレードをしていたルーンナイツとアベル様をひと目見て、かっこいいなあと思って、応募しました!」


「はい、不採用です。お帰りください」


「はぁっ!? なんでよ!?」


 少女が椅子を蹴立てて立ち上がる。


「ルーンナイツは魔法王国フォルガナに対抗すべく、王女殿下によって設立された騎士団ですよ。浮ついた気持ちで参加されては困ります」

 

 ティファはにべもなく、切って捨てた。

 まあ、これは仕方がない。

 

 先日、リディアの護衛の自覚に乏しい少女騎士らが、刺客に気絶させられるという失態を犯したからな。


「そ、そんなことはないわ! 私はアベル様のために命をかける覚悟ができているのよ!」


「ますます気に入りませんね。ルーンナイツは王女近衛騎士団ですよ? アベル様のためではなく、リディア王女殿下のために命をかけなくて、どうするんですか? 残念ですが、お帰りください」


「ぐっ、くぅ……」


 少女は悔しそうに唇を噛みしめた。

 これはちょっとかわいそうだな。ルーンナイツで圧迫面接を受けたなんて噂が広がると困るし、フォローをしておこうか。


「悪い。リディア王女が刺客に襲われて、今、ピリピリしているところなんだ。入団試験を受けに来てくれて、すごい感謝してる」


「は、はい! アベル様にそんな風におっしゃっていただけるなんて感激です! 記念に握手してください」


「もちろん」


「ちょっとアベル様っ……」


 ティファが咎めるような眼差しを向けてくるが、構わず女の子の握手に応じる。


「きゃあああっ! ありがとうございます。一生の思い出になりましたっ!」


 女の子は大はしゃぎして、出ていった。

 

「おい、ティファ。ちょっと言い方がキツ過ぎないか?」


「そうでしょうか? ミーハー気分でやって来る娘たちを減らすためには、少々、厳しい態度で接した方が良いと思いますが」


 ティファは頬を膨らませて不機嫌になっていた。


「アベル様、アベル様って。入団希望者には、アベル様目当ての女の子が多くて困ります。まったく、何を考えているのだか……」


「何か噂がひとり歩きして、僕が実際以上の英雄に持ち上げられている感じなんだよな。確かに、マズイよな」


 ついこの間まで、ブラックナイツで落ちこぼれ扱いされていた僕にとっては、針のむしろのような心境だった。


「そんなことはありません。アベル様はすばらしいお方です。今までは、環境が悪くて評価されなかっただけです!

 私はアベル様が正当に評価されるようになってうれしいのですが……女の子たちが殺到してくるのは問題だわ」


「はぁっ? なんだって?」


 ティファの後半の声が聞き取りにくかったので聞き返す。


「い、いえ! 何でもありません。時間も押していますし、面接を続けましょう」


 ティファが慌てた様子で、次の入団希望者を呼ぼうとした。

 その時、伝令役の少女騎士が扉をノックした。


「失礼します! ブラックナイツの副団長、剣聖イブ様が参られています。

 なんでもバラン団長が反逆罪で投獄されて、イブ様が団長に就任されたとか」


「バラン団長が反逆罪?」


 僕はティファと顔を見合わせる。

 そういえばリディアが、反逆の疑いでバラン団長を追求すると言っていたな。


 僕はバラン団長が、フォルガナに寝返っているとは思えなかった。

 メリットが無いからだ。


 バラン団長は魔法が使えないし、魔法王国フォルガナに寝返ったところで重用される訳がない。


 なによりバラン団長がアーデルハイドの名門貴族の地位を捨ててまで、フォルガナにつくかと言えばかなり疑問点だ。


「バラン団長を、いきなり投獄するなんて。リディアも思い切ったことをしたな」


「たぶん。それなりの証拠があったのでしょう。英断だと思いますよ」


 ティファがにべもなく言う。

 

「失礼。アベル殿。今後、ブラックナイツはあなたの指揮下に入らせていただきたく、話をしに来た。よろしいか?」


 黒髪の美少女、剣聖イブが入って来て、ペコリと頭を下げた。

お読みいただきありがとうございます。

少しでもおもしろいと思っていただけましたら、ブクマ、評価をお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ