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33話。スキルが覚醒!Lv5ボーナスを獲得

 黒衣の騎士から、空気が重たくなる程の威圧感を覚えた。


 僕の渾身の一撃を簡単に弾いたことからも、相当な剣士であることがうかがえる。

 だがティファを守るためにも、引き下がれない。


「ぐうっ!?」


 一瞬、相手の姿が揺らめいたと思うと、目にも止まらない斬撃を放ってきた。


 僕は必死に剣で受け止める。あまりの怪力に、腕がしびれた。

 さらに連続で斬り込まれ、捌ききれずに肩を切られてしまう。


「嘘でしょ、アベル!?」


 リディアが悲鳴を上げる。


 僕の防御力は6941に達していたが、攻撃を無効化できずに、鮮血が飛んだ。

 痛みを歯を食いしばって耐える。


「僕のことはいいから、ティファの治療を頼む!」


 付け焼き刃ではあるが、父上直伝の上段斬りを放つ。

 黒衣の騎士は、それを難なく受け流して、さらに剣を打ち下ろしてきた。


「なぁっ!?」


 まるで、そう来ることが事前に分かっていたような動きだ。

 かわそうとするが、間に合わずに足を浅く斬られた。


 僕の敏捷性は5660。筋肉は8732と驚異的な能力値になっていたが、剣術そのものは、まだ初心者レベルだ。

 

 相手は僕に近いステータスだと考えられる上に、剣技も超一流だった。

 おのずと防戦に一方になる。


「……そ、その方と戦ってはいけません。アベル様!」


 ティファが息も絶え絶えに叫んだ。彼女はリディアから回復魔法をかけてもらっている。

 なんだ? 黒衣の騎士はティファの知り合いか?


 そう言えば、ヤツの動きは父上に酷似している。

 

「また、お会いしましたね。アーデルハイドの次期国王陛下。招待したつもりはないど、歓迎しますわ」


 アンジェラが優雅に一礼する。


「すごい能力値に目を奪われていたけれど、あなたは剣も魔法も初心者の域なのよね。

 才能はあるようだけど……まだ理想の騎士には程遠いわね」


 それは自分でもわかっていた。

 同格の敵を相手にすれば、技量の差を嫌でも実感させられる。


「うぉおおおおっ!」

 

 前に出て黒衣の騎士を力で押し返す。

 とにかく、リディアがティファを治療する時間を稼がねばならない。


 ティファとリディアには、絶対に近寄らせない。


「こちらの刺客をかわして来るなんて驚いたけど。王女が自ら敵の前に出向くなんて、リディア……あなたは王女失格よ」


「あ、あなただって、似たようなモノじゃない!」


「そうですよ。どうしてあなたまで来たんですか、リディア様!」


「どうしてって。ティファが心配だからに決まっているでしょう。聖女は死霊使い(ネクロマンサー)の天敵だし。

 ああっ、もう! とにかく黙って治療を受けなさい」


 本当はリディアは王宮に残して来るつもりだったが、絶対についてくると言い張って聞かなかった。

 時間が無かったこともあり、仕方なく同行してもらったのだ。


「リディア、私たちは似た者同士と言いたいところだど。私はあなたみたいな偽善者は嫌いなの。

 【轟雷テンペスト】!」


 アンジェラが魔法を唱えると、天空より雷の柱が降り注いだ。

 あまりの高電圧にプラズマ化し、墓地を白く染め上げる。


「させるかぁ!」


 僕はティファとリディアの上に覆いかぶさり、身をていして雷を防ぐ。


「ぐぅううっ!?」


「きゃああ! ア、アベル!?」


 僕の魔法防御力は6000を超えていたが、アンジェラの魔法に激しい痛みを受ける。


 すぐさま起き上がり、剣を叩きつけてきた黒衣の騎士を力任せに押し返す。

 パワー勝負なら、まだなんとかなる。


「ふんっ、ぶざまね。あなたには失望よアベル」


 アンジェラが嘲笑するが、ぶざまでも何でも構わない。ティファとリディアを守り抜くんだ。


 騎士の戦いは、守りたい誰かを守り抜けば勝ちだ。そう父上から教わった。


「アベル! ティファは全身のあちこちが骨折していて……動けるようになるまで、時間がかかりそうよ!」


 全身のあちこちが骨折だって?

 こいつら。僕の大事な家族を。ティファをなぶりものにしたな。


「わかった! なんとか時間を稼ぐ」

 

 怒りに任せて剣を振るう。

 だが、そのことごとくが弾かれ、逆に僕の身体に裂傷が増えていく。


「……だ、ダメです。私のことは放って、逃げてください」


 ティファが、か細い声でそんなことを言ってくる。


「そんなことができる訳がないだろう!」


 僕は叫ぶが、押し切られるのは時間の問題だ。

 くそぅ。このままではティファとリディアを守りきることができない。


 バフ・マスターでもっと力を強化することができたら……!

 僕が自分の無力さに歯噛みした時、無機質な声が頭に響いた。


『経験値をスキル熟練度に変換することで、スキルレベルをアップさせることができます。実行しますか?』


 これはレベルアップなどの時に聞こえてくる世界の声、システムボイスだ。


 なんだ?

 実行すると、どうなるだ?


『レベルはダウンしますが、バフ・マスターの新たな力が解放されます』


 新たな力だって……?

 よし、頼む。やってくれ!


 何が何だかわからないまま、僕はバフ・マスターの新たな力が解放させることに決めた。


―――――――


スキル熟練度を獲得。スキルレベルがアップしました!

Lv5ボーナスが解放!


名 前:アベル・ベオルブ


レベル:19(2レベル、DOWN!)



スキル:【バフ・マスター】Lv5(UP!)


Lv2ボーナス: 効果人数最大3000人


Lv3ボーナス: 全ステータス10倍アップ


Lv4ボーナス: スキル発動中の行動制限なし


Lv5ボーナス: 【スキル強化バフ】。ふたりまで他人のスキルをグレードアップできます(NEW!)


Lv6ボーナス: ???


―――――――


 前代未聞の力が解放された瞬間だった。

お読みいただきありがとうございます。

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