表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/17

えぴそうど、その3〜代役

今、勇者と魔王の最後の戦いが始まった。聖剣エクスカリバーで魔王に斬りかかる勇者。

身をかわし魔王は不敵に笑う。

「ふふふ、勇者よ。よくぞここまできたのお。でも貴様の命はここまでじゃ。くらえ、デスサンダー!」


「あ〜あ〜、やっちゃったあ。」魔道士が呆れた顔で言う。


目の前には真っ青な顔でオロオロとうろたえる魔王

まあ、魔王の顔は元から青いのだが・・・・


その足元にはすでに死んでしまった勇者の遺体が横たわっていた。


「こいつ、仕事なめてたからねえ。」女聖騎士が吐き捨てるように言う。

「前祝いだとか言って飲み歩いてエルフのお姉さんと朝まで飲んでるし・・・。」

「おい、あれエルフじゃなくインキュバスだぞ」と魔道士が応える。

「それじゃあ自業自得だわあ。」

「戦いの最中に私の胸を触ろうとするわ、人の甲冑の中覗くわ。セクハラ野郎、死んでせいせいした。」

「そ、そうは言っても・・・・勇者がいないと話が進まないですよ。」と従者のタマちゃんが言う。

「僧侶様、復活の呪文で生きかえらしてくださいよお。」

「いや、わしハゲてるから僧侶のフリしとるけどほんまは商人やねん。堪忍なあ。」


「ど・・・どうしよう、ぼぼぼ・・・僕、死んでおわびをします〜。」と魔王が泣き出す。気の弱いやつ。

「だから、魔王ちゃんは悪くないって。」と女聖騎士がなだめる・

「とはいえ、このままじゃ話が終わらないし・・・。」

「このあと7時からカレシとデートなの。遅刻しちゃうわ。なんとかしてよお。」

「わしだってこのあとサッカーの試合見たいし・・・。」

「よし、こうしよう誰か勇者の代役をたててとりあえずこの場をしのごう!!」

「で、いったい誰が??」


皆は、いっせいにタマちゃんを見る。


「え〜〜〜〜〜〜〜〜ぼく〜〜〜〜???、無理無理無理無理〜〜〜〜!!」


「大丈夫だってタマちゃん、君は従者だし、別にいなくなって話に矛盾がないし。」

「それにね、タマちゃん、きみは”じ・ゅ・う・しゃ”でしょ。ほらあ、一字違いなだけじゃん。」

「いやあ、全然違いますよおお!!!モノマネ芸人じゃあるまいし〜〜。」


結局代役をすることになった・・・・・。


「もう、どうなっても知りませんからねえ〜〜。」


「はい、カ〜〜〜ット。オーケーです」

と、ビデオカメラを止めて僧侶が言う。

「お疲れ様でした〜。」と魔王がホッとした顔で言った。

「これからどうすんの?」と女聖騎士が魔王にたずねた。

「とりあえず田舎に戻って畑仕事でもしますわ。」と魔王。

「うちのスイカは血のように真っ赤でうまいんす。」

「へえ。で、タマちゃんはどうする?」

「勇者様もいなくなっちゃいましたしねえ・・・。とりあえずハローワークで仕事探しますよ。」

「いっそのことそのまま勇者やったら?結構よかったよ。」

「いや、私、お刺身で言ったら付け合わせの”けん”みたいなものなんで。目立ちたくないんす。」

「そっか、残念。じゃあみんな元気でね。」


そしてみんないなくなり、一人残ったタマちゃんはつぶやいた・・・・・。

「あ、今月のお給料もらってなかった・・・・・。」



これって倒産なんだろうか・・・・・。

大丈夫だ、タマちゃん。きっと良い仕事がみつかるよ。

さて、次回こそは勇者の活躍が・・・みれたらいいな!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ