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『えっと……見つけてもらおうと、色んな人の前に現れたのが……』



「良くないに決まってるでしょ。第1階層ならまだしも……ここは最下層よ?初心者が周回してる訳ないでしょうが」



 ……仕方ないんで、幽霊さん(仮)に説教してます。コミュニケーション取らないと、解放してくれなそうなんで。



『そうなんですか……こっちの世界、全然慣れてないもので……』



 終始低姿勢だし、悪い霊じゃなさそうなので(それでも警戒は解かない……大人になるってこういう事……か?)話を全部聞いて上げました。

 長いので要約すると、彼は精霊神の剣の剣霊で、こちらの世界に派遣されて来たそうだ。なんでも、こっち(アトラス)の世界の神様がヤラかしたらしく(何を?聞いたけど解らん!)、バランスを取るために他から臨時に送り込んでるらしい。


 で、重要な事実が発覚。本来、他世界からの迷い人【漂流者】には、自動的に力が送られるんだけど、神様がいない状態が原因で(自分を含め)ここ数十年【無能】状態が続いたそうだ。

 ……いい迷惑だ。

 てか、そもそも繋がるなよ!他の世界に!

 そんなのオタックなヒッキーさんか厨二病患者に任せなさいよ!

 ったく……


『すいません……ここアトラスはどうやら昔から繋がり易い所みたいでして……でもですね?

 地球以外からだと行き難いっていう辺境の地でして……』


 うん、神様の剣らしくイチイチ脳内の独り言に突っ込んでくれるハイスペックっぷり。

 多分、下級の神様や大精霊なんかと同等の力を持って『世界神と同じくらいです……』……どんだけ高性能なの?


「まぁ、いいや。で、結局、どうしたらいいわけ?」

なんとなく解るけど……



『私の所有者になって頂けたら……』

「断る!」

『……何故に?!』



「いやね?こっちに来て直ぐとか、超困ってたら、『はい、そうですね』って返事したかも知れないけど……今更なんだよね……」

 生活魔法、覚えちゃったし……10年も過酷な無能冒険者を経験した後だと……ねぇ?

 もう、疾うの昔に覚悟が出来てたのよ?低能力で生きてく。


『そこをなんとか……このままだとウァサゴ様に怒られてしまいます……』



 え?ウァサゴ?

「ソロモン72柱の?」



『はい』



 来たね~ファンタジーのお約束。でも、それなら尚更……



『ウァサゴ様は地球人の転生者でして、前任のウァサゴ様……現在最高神をしていらっしゃいますメレンゲ様にスカウトされまして……』


 フムフム。


『現在、ウァサゴ様は世界神・精霊神・72柱の魔王・4つの世界の救世主の使い魔等を兼任しておりまして……』



「まてまてまて!かなり忙しい神様だな!

てか悪魔じゃないの?」


『はい』


「尚更却下でしょ」



『何故?』



 うん、わかってた。この剣霊さんが何の疑問も持ってないの。


「デメリット、対価は?」



『特には』



「………」


 はい、決定!

 即答をしてはいけないパターン来ました。無理でしょ。神のホニャララ~よりは信用出来そうだけど、悪魔さんが何の対価も無しに物を頼むか?


『そう言われましても……』


「……じゃ、妥協して知り合いに相談してから返答するでもいいか?」


『……はい、構いませんが。ロシエラ様ですよね?ご相談されるのは』


「知っているのか?ロッシを」


『ええ。ロシエラ・シャーウッド・ライブラリー、賢者にしてマッドサイエンティスト。ハイエルフの研究者ですよね?サイキ様』




 ……うん、負けた(何に?)。

 色々と突っ込みどころ満載だけど、何よりも……


 僕、名前、名乗ってないよね?

 この時点で決定事項じゃ~ん、剣持つの。

 でも、そこは敢えて初志貫徹!


「彼女に相談してから返答する。それでいいかな?」



『はい……このまま放置されるよりはマシです。

 でも、持ち出して下さいよ?じゃないとここから出れないので……』



「やはり、そういう類いの結界か……」



 はぁ……そりゃ斬れない訳だよ。神様の結界だもんな……




 なんか色々諦めながら扉を開く。

 勿論、剣を背負って。(無駄かもしれないけど、“保護”で20回もコーティングを重ねがけしてから)



 扉の向こうは……ロシエラの家の庭。


「どんな能力しとんねん……」


 いまだにプカプカ浮いてる剣霊さんを睨みながら呟く。



【ウァサゴの剣:剣霊】


所持能力:

 時空間魔法、全属性魔法、召喚魔法、魔法剣、他多数


剣所有時の能力:

 時空間魔法、召喚魔法、精霊魔法、全属性魔法、魔法剣、付与魔法、身体強化、攻撃力倍化、魔法・物理防御激化、不老、全状態異常無効、その他盛り沢山


剣の能力:

 特になし




「いやいやいやいや!かなりお菓子いだろ!

 そんだけチート付いていながら、剣自体の能力特になしって!」


 お菓子は誤字じゃないゾ!わざとだ。



『そうなんですよね……

ウァサゴ様は無欲なので、私の創作時に何の付与もしなかったんですよね……』



「って!違ーう!

何でこんなコトが頭に浮かぶ……のか……」

 は!まさか!


 自分の能力!




斉木 亮



クラス:変更不可

 魔法剣士(Lv1/99)

 召喚士(Lv99)


ステータス:()内は剣装備時

 体力 :A(S)

 腕力 :A(SS)

 知力 :B(SSS)

 素早さ:B(S~∞)

 耐久力:C(S)

 魔耐 :S(∞)

 魔攻 :SS(∞)

 魔力 :S(∞)



ギフト:

 精霊神(……)の加護

 :残念だったニャ、僕の剣の剣霊に会った時点で僕の目的はコンプリートニャ!プギャーー。


(……):この世界の5大神(至高神(不在)・戦神・大地母神・商神・邪神)の加護も同時に受ける事を意味する。

 また、ウァサゴからの加護により、魔界・冥界へのフリーパスを取得。



スキル:

 【】はギフト恩恵。『』は職種恩恵。他は本来的に覚えられる物。


 【鑑定】:全てを見通す。ソースは神の知識。



 ……ある程度は、予想してた。最悪の場合も想定してたから、そこまでがっかりはしていない。

 いや、むしろ喜ばしいのだろう。

 異世界に来てチートが手に入る、男のロマンだ。

 しかしだな……


「事前に前振りもなく!いきなり現れて!なんでもかんでも押し付ける!だから神様ってのは!」

 背負っていた剣を徐に地面に置き、ゲシゲシと蹴る!勿論、コーティングは外し、自身には最大限の身体強化をかけてだ。



 蹴ること10分……目の前には無傷のままの剣と……


 ぼろぼろになった剣霊が浮いていた。


『あ、あの……』



「スッキリした。今日から君は俺の剣だ。銘は魔王の(まおうのつるぎ)、反論は認めん!以上」


『わ、わかりました……宜しくお願い致します』



 ガクプルしながら返事をする剣霊を余所に、ロシエラの家の扉を叩く。


「おお、どうしたのだ?リョウ」


「喜べ、我が相棒!最高の実験材料を手に入れた。その名は【魔王の剣】だ!」



 驚くロシエラと、青ざめる剣霊。

 せめて、これからは楽しく生きていかないとな!


 割に合わん!





 ここで補足説明。



【鑑定】以下のリョウのスキルを紹介します。



 【召喚】:全ての精霊(精霊王含む)を呼び出し可能。事前登録でありとあらゆる物を召喚可。

 職業に召喚士がある場合、LvはMAXになる。



 【時空間魔法】:時間と空間を操る魔法。アトラスには基本存在しない魔法だが、過去漂流者により概念を伝えられている。

 それにより、テレポートとボックスは魔法として既に存在するので、即時使用可。



 【不老】:歳を取らない。死ぬことは出来る。

 死ねるもんニャら死んでみるニャ!これでお前は僕と同類ニャ!



 『魔法剣』:職業〉魔法剣士により覚えたスキル。剣に魔法を纏わせ斬ることができる。魔法の種類は問わない。

 付与魔法と効果は変わりないが、行程を1つ省くことになるので、その分早く攻撃できる。



『付与魔法』:魔法を付与する。魔法剣士の付属品的スキルだが、汎用性が高い。



 剛運:Aランク以上の運がスキル化したもの。

 Lv表記は無いが、レベルアップする模様。



 生活魔法改:属性魔法、精霊魔法を取得していないリョウの専用魔法。調節可。


 点火(プロミネンス)

:炎の精霊の加護を受けた炎を出す。着火どころか完全焼却が可能。


 貯留・涼風・土竃・清浄も同様に精霊の加護を受けている。


 硬化・保護に関しては時空間魔法を固定化したものを使用。魔法剣と重複可。

 本来、神の剣を装備し属性魔法や精霊魔法を覚えるはずだったが、リョウは敢えてそれを拒否した。

 生活魔法ですらチート化してしまう状態で、これ以上はお腹いっぱい、消化不良を避けた形だ。




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