2
リョウ サイキ
クラス:戦士(lv0)
ステータス
力 :C
体力 :C
知力 :C
運 :A
耐久力:C
素早さ:E
スキル:なし
ギフト:なし
「こんな感じがリョウのステータスになる」
「……うん」
はい、今、見せてもらっているのは自分のステータスを紙(結構高級品)に書いた奴。
鑑定のスキルで見た物を写した感じ。
「で、参考までにこっちが私のだ」
ロシエラ・ライヴラル
クラス:魔術師(lv7)
2nd:錬金術士(lv5)
:精霊使い(lv3)
ステータス
力 :C
体力 :C
知力 :A
運 :E
耐久力:C
素早さ:A
スキル:身体強化(lv1)、魔攻強化(lv3)、魔法耐性(lv3)、魔力回復(lv2)、魔力感知(lv5)、言語理解(lv5)、鑑定(lv3)、錬金(lv5)、精霊魔法(lv2)、火属性魔法(lv3)、水属性魔法(lv5)、風属性魔法(lv7)、土属性魔法(lv5)他
ギフト:精霊の加護
うわぁ……全然違~う。
ある程度知ってたとはいえ、改めて見るとがっかり感ハンパねぇ~。
「見てわかると思うがな……クラスが全く成長しとらん。
適性クラスじゃないと言うのもあるんだろうが……やはり、【漂流者】と言うのが原因だろうな……」
「やっぱりか……」
「しかし……過去の【漂流者】の記録を見る限り、何らかのスキルや加護が付いていないとおかしいのだ……」
「………」
色々突っ込みたい所があると思うが1つ1つ説明すると……
まず、ロシエラって『人』じゃないよね(色んな意味で)。ま、エルフだから当然っちゃ当然なんだけど。
そう、彼女はファンタジーの代名詞の一つである『エルフ』……モノホンのエルフさん。
完璧に整った顔立ちに尖った耳。細身の体に控えめな胸……。
想像以上に想像通り(何のこっちゃ……)。
まあ、見た目の話はこれくらいにして、エルフと言う種族はその名の通り長寿で平均寿命は500年位。(1年は約25日×14月で日数は然程ずれていない)
ハイエルフや長老さんなんかは1000才なんかもザラとか……
彼女は普通のエルフらしいけど、年齢は僕と同い年。ちょっとびっくり。見た目10代後半だからね……
で、エルフさんは長寿って事で研究者になる人が多いんだそうだ。
人間じゃ普通は長くて80年前後。
魔術師でも200年(魔法使いってだけで寿命が倍か……)行かない位。
実験・検証が伴う研究にはやっぱりエルフさんが最適らしいです。
で、エルフさんのお話だけじゃいけないよね?
スキルの横にあるレベル。察しのいい人は分かると思うけど……lv1がFだとしたら、lv7はいくつでしょうか?
はーい、Sです。
どんだけ化け物なんだって話だよ(彼女が)。
まぁ、スキルの最高レベルは10らしいので、一概にSクラスの強さがあるとは言い難いらしい……はい、『らしい』です。
だって、10年居て7より高い数値の人、会った事も聞いた事もないんですから。
で、更に『鑑定』ってスキル。
商人や加護持ちにしか表れないスキルで、彼女は精霊の加護を持っている為使えるそうだ。
加護ってのは、精霊や神様なんかのお墨付きみたいな物で、そのもらった存在によって特色がある。
商人は商売の神様の加護みたいで、物の価値や隠された能力なんかを見抜く。
大地母神や豊穣の神様なんかは癒しに特化しているので、病気や障気、悪意なんかを見抜く。
精霊は……どうなの?多分、戦神や至高神なんかと同じく対象の『カ』を見抜くって感じなのかな?
「ロッシ……俺、やっぱり『無能』なのか?」
「……まだ決まった訳じゃない。魔力反応も一応あるし……そう悲観的になるな」
「……わかった」
そう、この世界じゃ、大抵スキルやら魔法やらの特殊能力が付く。
それは子供やその辺の村人でも関係なくだ。
そうなると能力の無い『無能』ってのが問題になる。
何故問題かって?
それは、生きていけないから~です!
いやいや、能力なんか無くてもなんとかなるでしょ~
って思ったあなた!!甘い!
マックスコーヒーにシロップと練乳を入れて飲む位甘い!
能力……ここでは職業や加護、スキルの事ね。
職業は一応適性なんかあるけど、何にでも成れるのよ?本来。
先天的スキルがあればそれに合わせた職業選んでもいいし、職業選んでから新たなスキルを獲得してもいい。
ギフトなんかあった日にぁ~無条件で強力なスキルが付いてくる。
で、そもそも何でこんな『能力』なんかあるのか?
ビコーズ、周りに外敵が多いから(ロシエラ談)。
魔物やらモンスターやらドラゴンやらが闊歩してたら、一般人でもそれなりに強くなって置かないと……人類(普通の動植物含む)が絶滅しちゃうからね。
「今日はこの前と違い、アイテムによるスキル獲得を試してみようと思う」
「おお……それは構わないんだが、大丈夫か?
書物による学習は何のペナルティも無いが、魔道具には副作用や呪い何かもあるんだろう?」
「勿論そういった物もあるが……今回は出来るだけ軽い物を揃えた。
なにぶん【漂流者】に対しどのような副作用が出るかわからんからな」
「……安全な方が嬉しいんだが。……そうも言ってられないか」
能力無しじゃ~この先まともな活動が出来無いからな……
結果発表~!!!
身体強化系……全滅。
ペナルティ無し!ふぅ。
生産系……全滅。
ペナルティ無し!ほっ。
魔法系……生活魔法ゲット!!!
やった!
ペナルティ……無し!
よっしゃ!!!
「今まで散々座学や付与魔法等を試して来て……魔道具でサクッとゲットとは……」
「まぁ、いいんじゃないか?俺は生活魔法だけでも助かるからな」
「……何故、生活魔法だけということも含め検証は続けて行くからな。いいか?」
「オーケー、そんかし色々教えてくれよ?いつも通りに」
「わかっておる」
とりあえず『無能』は避けれた僕は生活魔法の使い方を教わる為、彼女は何故生活魔法を覚える事が出来たのかの考察も兼ね、庭に出ることにした。