出会って恋されて仲良くなって。
注意!この物語にはバカしか出ません!
とにかくバカです!作者もバカです!
そんなのでもいいよ!って方はぜひ読んでいってください!あと少し読みづらいかもです!
この小説はバカな作者が地理をよく理解せず、しかも新たな市まで追加したせいで少し現実の日本とは違う箇所があります☆あるものがなかったり、無いものがあったりします!その度に説明するので安心してね。
一章8話
「こいつつくもの『女装した姿』に恋をしてるらしいんだ……」
らむはこれまでにないくらいに深刻な顔をして言う。
「はいおかしい!そいつ女だよな!?突っ込みどころが多すぎじゃないですか!」
ほんの3秒ほど思考が停止したがすぐさま声を出す。
「ハッハッハ、つくも安心しろよ~!俺も何が何だか分からないからさ!」
らむは考えるのを諦めたかのように笑いながらそう言う。
「安心できねえよ!俺のことを好きになるのはまだ分かる!分かるよ!?俺って天使みたいに優しいし神のように心が広いから!」
そう喚いた瞬間周りから冷たい視線が送られてくるのを感じた、しかし俺は気にせず続ける。
「けどね!女装した姿を好きになるっておかしくね!?絶対おかしいよね……」
そこまで言ったところであることに気づく。
「どした、いきなりツッコミが収まったと思ったら今度は黙り込んで」
トモが言う。
「女装した姿を好きになるってことは俺って女装した姿もイケてるってことだろ…?男の娘Ver.の俺も可愛くて皆の視線を奪ってしまう…そう考えると分からなくも…ない……!?」
さすが俺!確かに前に女装した時(4話参照)は結構好印象だったし…おかしくもないだと……!
「おいつくも、流石にキモいぞ、戻ってこい」
らむ達3人そして店員さんまでもがドン引きしていた。
「よし!話戻すぞ!その変な女の事はどうでもいい!部員どうするか、」
その後30分くらい話してたがいい意見は出ずにその日は解散した。
ー次の日ー
俺はいつも通り朝起きて、支度をして、玄関を出る。自転車で駅まで向かい駐輪場に自転車を置き、定期で改札を通って7時45分の電車を待つ。
「怠いなぁ、1限目から体育とか…サボりてー……」
10分ほどスマホをいじりながら待つとやっと電車が来る。重い足取りで電車に乗りいつものようにドアに寄りかかるようにして立つ、この時間帯はちょうどどこの学校も通学時間で座れないのだ。
(毎朝こんな人の多い電車通学もだるいけど悪いことだらけじゃないんだよね)
俺は1人心の中で呟く。
『まもなく新星海、新星海、お出口は右側です』
駅に停るとまた学生達が乗り降りする。その中に1人、同じ学校の制服、茶髪のポニーテールですごく明るそうな女子がいつも俺の少し近くに乗って来る。
(来た!やっぱり可愛い人だな、挨拶した方がいいのか?同じ学校だし、しても違和感は無いよな…)
星海駅(降りる駅)まではあと一駅だが今だけは気だるい朝も至福の時間だ。
(向こうも俺のこといつもチラチラ見てくるし、やっぱり挨拶くらいしておいた方がいいんじゃないかな、でもいきなり話しかけて「誰ですか、いきなり話しかけないでもらえます?気持ち悪いんですけど」とか言われたら俺きっと一ヶ月間くらい立ち直れないわ)
そうこう考えてるうちに電車は走り、星海駅へと到着する。
(……次は絶対言う!)
やはりいつものようにそう心に決め駅を出る。
*
「今日も電車であの子と近くになったんだけどさ、やっぱりおはよう!って言えなかったんだよね、言った方がいいのかな、でも言わない方がいい気もするし」
昼休みに俺はカレーパンを食べながらいつものメンバーに愚痴る。
「つくも君、その話をするの何回目?毎日聞いている気がするのだけれど」
咲音が言う通りもうかれこれ2週間くらい同じことを言っている気がする。
「つくもがそんなに惚れ込むなんて一体どんな奴なんだよ」
らむがニヤけながら言う。
「は!?アホか別に惚れてねーよ!可愛い子見れば仲良くなりたいと思うのは男子にとっては当たり前だろ!」
そう、別に恋愛感情なんて無いのだ、ただただ仲良くなりたいと、そう思っているだけなのだ。
「それには俺も同感!それが男ってやつだよね!」
ゆう!お前は分かってくれるか!
「確かに可愛いキャラがいれば徹夜してでも攻略するよな!」
トモ、共感してくれるのは嬉しいんだけど、いまはリアルの話をしているんだよ。
「そりゃ、俺も可愛い子がいれば声かけるけどさぁ、挨拶くらい軽くしちまえばいいじゃん」
らむはそう言うがお前成功例無いでしょ。
「お前いっつもそれでドン引きされてんだろ!俺はそうなりたくないの!慎重派なの!」
ドン引きなんてされたら俺もうホントUターンしてそのまま帰って引きこもることになるわ。
「つくも君、慎重なのと優柔不断は違うのよ、つくものそれはきっと後者の方よ」
咲音からごもっともな意見を頂く。
「俺も分かってるよそんなこと!だけど…だけど可愛い子って話しかけにくいんだもん!!」
飲み終えたパックのカフェオレを握りつぶしながらとてつもなく情けないセリフを叫ぶ俺。
「チキンかよ」
「優柔不断」
「草食か」
「女の子みたい」
4人から容赦ない言葉を発せられる。『いちげきひっさつだ』
「俺は…泣く……!!」
ー放課後ー
帰りのHRが終わった後、俺はらむにどうしても頼みたいことがあると言われ、昨日と同じマックに来た。いつものメンバーではなく、らむと2人だ。
「好きなもの食べていいぞ、遠慮するな俺の奢りだ!」
らむはそう言うがやはり遠慮がちになり、とりあえずポテトLサイズとコーラを奢ってもらった。
ここのマックは二階建てになっており、俺はらむと一緒に二階の端っこの4人席に座る。
「で、なんだ?頼みって」
俺は改めて聞く。まだ何も聞かされていないのだ。
「ちょっと待っててもうすぐで来るはずだから」
らむが言う、
「来る?人が来るのか…」
そこで何かとてつもなく嫌な予感がする。
「なぁ、らむ?」
「なんだ?やっぱり他になにか食べる?」
「いや、いらないんだけど、ひとつ聞きたいんだけどいい?」
俺はらむに質問を投げかける。
「おう、何でも聞いてくれ、答えられる範囲なら答えるぜ」
らむも心なしか今日は申し訳なさそうにしている、奢ってくれたのもきっとそれのせいだろう。
「まさか来る人ってのは…昨日言ってた女装好きの変な女じゃないよな?」
俺がそう言うとらむの顔はどんどんと青ざめていく、まるで熟してない林檎のような色に。
「ごめん、そのまさかだわ☆」
らむは引きつった顔で精一杯のてへぺろをする。
「oh……」
俺にとって未知の脅威であるその女はその後ポテトをちょうど食べきった後に来た。
ーきっと最近暇な神様は退屈しのぎに俺にいたずらをしてきたのだろうー
「お待たせー!ごめんね健人!」
そう言いながら走ってきたのか汗をかきながら現れたのはいつも電車で声をかけられなかったあの女の子だった。
俺はその瞬間頭の中がパニックになる。
「えっと、らむに言われて会うはずだった人は女装した俺が好きなちょっと変わった女の子で、今来たこの子はいつも電車で会う茶髪のポニテの女の子で……」
心構えが出来ていたはずだったが流石に予想の斜め上を行き過ぎて完全に訳が分からなくなっていた。
「どしたんだつくも!落ち着け、まずは深呼吸だ!」
らむに言われたとおり深呼吸をしようとするがパニック状態の頭はやはり働かない。
「ヒッ、ヒッ、フ〜、」
「おいつくも!それラマーズ法だから!なに!?子供生まれるの!?」
その5分後、ようやく俺は落ちつきを取り戻した。
「ふぅ、それでなんで君がここにいるの?」
俺はその女の子に問いかける。
「えへへ、何のことかな?」
その女の子もどうやら俺のことを認識していたようだ。嬉しいやら悲しいやら。
「え、なに?2人とももう知り合ってたの?」
今度はらむが聞く。
「この子俺の言ってた電車の子だよ…これどういう状況?」
俺は早くらむに状況説明してもらいたい。
「とりあえず自己紹介しろよ、陽菜夏」
らむがそう言うと女の子は喋り出す。
「日廻陽菜夏!初めましてじゃないよね?いつも電車でつくも君のこと見てたもん!」
その女の子は恥ずかしげもなく正常な男子高校生なら絶対に勘違いするであろうセリフを言う。あれここギャルゲーの世界だっけ?
「俺は九十九大地、って言わなくても知ってるっぽいね、よろしく!」
とりあえず流れに身を任せてみるか、もう何も考えたくない。
「九十九君!あのね、私九十九君の女の子Ver.を見てからずっと君のことを見てたの!」
よくもまぁ、こんなこと恥ずかしげもなく言えるものだ。
でもこれが『九十九大地』のことじゃないことくらいもう知っている、九十九大地の『女装した姿』に恋をしているんだ。
「らむから聞いてるよ、その話の前に少し確認していいかな?」
もう分かりきったこの現実を本人の口からも証明されておきたい。
「なに?九十九君、」
この子は嘘をつくタイプじゃ無さそうだな、と言うかつけないタイプだろう。
「君はいつも電車で近くに来る女の子で、らむの幼なじみで女装した俺に恋をしてるんだよね?」
できればこれが嘘であって欲しいと、そう願わずにはいられない。
「その通り!女装した九十九君の姿は私がずっと憧れていたまさに理想の女の子なの!あの生徒会選挙の時からずっと君と仲良くなりたくて、だから今日こうして健人に頼み込んで会わせてもらったの!」
そうか、この子は全然悪い子じゃないんだ、ちょっと…少しだけ変わっているだけなんだなぁ、
「そっか、分かったよ、それで俺と仲良くなって女装して貰いたいと?」
「そう!別に恋したからって女装姿で付き合え!なんて言わないよ?理想は理想!現実じゃないんです!だから女装して!」
いいこと言ったつもりなんだろうけど内容めちゃくちゃだからね。
「おう、覚悟は決めた、ただし交換条件だ、俺が女装してあげるかわりに俺らがいま作ろうとしてる同好会の部員になってくれないかな?」
形はどうあれ日廻とも仲良くなれて同好会メンバーも5人揃うなんて一石二鳥じゃん!
「いいよ、九十九君の女の子Ver.が見れるんだったら同好会でもなんでも入ってあげる!」
よし!了承は得た!
「聞いたか、らむ!」
これで同好会の人数は集まった!後は申請するだけだ!
「あ、うん!もうこのまま今回は出番終わりかと思ってた!」
メタ発言ダメ絶対!
「それじゃ、いつどこで女の子になってくれるの?」
そうだよな、流石にここでいますぐ女装しろだなんて無茶ぶりがすぎる。
「さてどうしたものか…もう今日中には無理だしな」
考えているとらむが「これだ!」と言わんばかりに提案してくる。
「今度の週末みんなでカラオケ行こうぜ!その時つくもが女装すれば盛り上がるじゃん?」
笑顔でそう言うらむの顔には一点の曇りも無かった、殴りたいこの笑顔。
「なんで日廻さんにだけ見せればいいってのにわざわざみんなに女装姿を晒さなきゃいけないんだ!?」
カラオケは行きたい、けど皆の前で醜態を晒したくはない。
「いいじゃんいいじゃん!陽菜夏との親睦会にみんなで行こうよ!いいよな陽菜夏?」
「いいね!楽しそう!」と返す日廻、何だかもう嫌だと言えない雰囲気、
「しょうがないな、らむ、お前持ち帰りでナゲットと照り焼きバーガーセットとスマイル奢りな、いますぐ買ってこい」
遠慮?そんなもの知りません。
「お前さっきポテトとコーラだけでいいって言ってたじゃん!?」
らむはそう言いながらしぶしぶレジへと向かう。
「それじゃ帰るか、日廻はどっか寄りたい所とかある?」
俺は日廻に聞く、
「じゃあ今から私の家行って九十九君のファッションショーやろう!」
「却下、特にないならそのまま帰るか」
俺らはらむに「外で待ってるよ」と言いマックを出る。
「ねえ、九十九君?ちょっと聞いてもいい?」
外に出ると日廻が言う。
「なに?」
「らむから聞いたんだけどさ、九十九君って仲良くなる人みんなにあだ名つけるんでしょ?」
「そうだなぁ、目上の人以外ならみんな付けるかな」
流石に目上の人には付けられないが基本あだ名があった方がその人と親しみやすくなるからだ。
「だったらさ!私の事も日廻じゃなくて何かあだ名付けてよ!」
日廻は期待に満ち溢れた表情で言う。
「日廻陽菜夏でしょ?う~ん…悩むなぁ」
これと言っていいのが閃かない。
「お前小学校、中学校どっちも『ピーナッツ』で呼ばれてなかったっけ?」
店から出てきたらむがマックの紙袋を片手に持ちながら言う。
「うるさい!そのあだ名あんまり好きじゃない!」
日廻がらむの太ももを蹴りとばす。
「陽菜夏って漢字だからピーナッツ?読めなくも…なくもないのか?」
あだ名にしちゃ長いし読みづらいよな。
「ピーナッツ以外でよろしくね」
日廻が念を押す。
「じゃあ、もうそのまま短くして『ヒナ』でいいんじゃない?」
トモとゆうに並んでただそのまま短くしただけ。
「えー、もうちょっと凝ったのが良かっなぁ」
「いいじゃん、覚えやすいし!俺も次からそう呼ぶことにするわ」
らむが言う。
「じゃあ決定だな、改めてよろしくな、ヒナ!」
「じゃあ私も九十九君のことつくもっちって呼ぶし健人のこともらむって呼ぶね!よろしく!」
最初はどんな奴かとビクビクしてたけど案外面白いやつだったな、恋愛対象が女装した男ってのが無ければただの可愛い女の子なのに……
そう思いながら駅までの帰り道を3人で話しながら歩いて行く。
(ここまで女装姿を好いてくれる人がいるなんて、女装することに対して段々と抵抗が無くなってきた…やばいな……)
『次回予告のコーナー!』
「今週の当番は!ヒナこと日廻陽菜夏
と!」
「つくもこと九十九大地!」
「今回からやっと登場できたよ!」
「女装した俺を最初に見た時に一目惚れって言ってたけどどんなだったんだ?」
「ホントに興奮して気づいたら鼻血で制服が真っ赤になってたの!」
「それ見た目的に女の子としてどうなのよ」
「やっと出会えた王子様(王女様)!って感じで皆からの視線なんてどうでも良かったんだよね」
「よく貧血で倒れなかったな……」
『『次回カラオケでフィーバー!』』
「次回も見てね!」
「じゃあな!」
また例のごとく一日遅れの更新で申し訳ないです。
次回はみんなでカラオケに行きます。
また大地の『キラッ☆』とした姿が見れますよ!
今回も読んでくれてありがとうございました!
次回もお楽しみに!