095. 連邦日報
「じゃあこれ。銀貨20枚ね。釣りはしっかりあたしのとこに持ってくるのよ。
釘刺しとくけど、本当に無駄遣いするんじゃないわよっ!?
なけなしの金なんだからね。はい、復唱! あんたらはどんな武器を買うの!」
アーデルロールから貨幣を受け取り、緋色の瞳で睨み据えられた。
わたしとコルネリウスは姿勢を正し、声を張る。
「はいはい。セール品か――」
「あるいは呪いの品。とにかく安さが一番。次の街まで使える間に合わせを買います」
「よろしい! じゃ、あたしはビヨンと消耗品の買い物をしてくるから」
「お前の方こそ無駄遣いするんじゃねえぞ」
「しないわよ。お金の大事さはよくよく分かってるもの」
目を細め、挑発的な視線でコルネリウスを突き刺す王女。
口の端をほんの少しだけ上げたその顔は『バカ言うんじゃないわ』と言外ながらも実に雄弁だった。
玄関口でブーツのつま先をこつこつと鳴らすとアーデルロールは、
「諸々終わったらこの宿屋で落ち合いましょう。さ、行くわよ」
「うん。また後でね、コールくん、ユーリくん」
振り返りもせずにズカズカと歩いていった。
若草色の髪を揺らし、威風堂々と進む様は貴族の風格だな。
と、なると、置いて行かれまいと追いかけるビヨンは何だろうか。
傍仕えの侍女か、あるいは愛玩動物か。
「……侍女なんて格好いい風でもないし、動物もちょっとな。普通に友達か」
「あん? 何て?」
「何でもないよ。さ、行こう。
ギュスターヴさんはどうされるんですか?」
「寝る」
大きな狼が大口をあけて欠伸をする。
ただでさえ巨体だから、ぐっと全身を伸ばすとその大きさは尋常ではない。
横に並んで寝たら、きっとわたしの体よりも大きいだろう。
「〝紋章〟で魔力を使い過ぎた。三時間も寝りゃ戻るから……そっとしといてくれ。
また後でな。……それと……呪いの品を……本当に……買うんじゃねえぞ……」
まぶたを瞬かせ、まどろみに抵抗していたようだがとうとう睡魔に屈したらしい。
豊かな毛並に顏を埋め、大狼は眠り込んでしまった。
すぐさまにいびきをかき始めた辺り、相当の疲労だったのだろう。
暖炉の前で丸まったギュスターヴはどうにも起きそうにない。
わたしとコルネリウスは顏を見合わせ、宿を出ると武具屋の看板を探した。
表通りにまで出ると人通りは割合に多かった。
彼らは通りに並ぶ商店が目当てのようで、肉屋に八百屋、服飾や道具屋などを始めとした店舗へと次々に吸い込まれていく。
「やい相棒。見つけたぞ。ほれ」
「ん……? おお、やったね。剣に盾。確かに武具屋だ」
赤レンガを積み上げた店構えは何やら鍛冶場の趣きだ。
三段ばかりの石段をひょいと上がり、重い扉を押し開く。
奥行のある店内。
壁掛けの棚には丁重に飾られた剣や槍の類が並んでいた。
特に黄金色の剣がわたしの興味を強く惹いた。
どうせ冗談みたいな値段なのだろう。
そう思いながらも興味の赴くままに確認すると……。
「……見たことない桁だ」
こんな値段で買う人なんて存在するのか?
店の箔付けの為に置いているようにしか思えない。
わたしがそう思う一方、コルネリウスはなんとも神妙な面構えで「お手頃だな」などと口にしている。
この男の財布はどうやら無限の富を生む神秘物らしい。そんな馬鹿な。
「見ろよ。この槍、魔力を通すと火を噴くらしい。
イカしてるぜ。俺はこれにしようと思うんだがどうだ?」
「良い気分のところに水を差すようで悪いんだけど、
僕たちはほぼほぼ無一文だってことを忘れないでよね」
「……世知辛いな」
「そうだね」
などと話しているとカウンターの奥に佇む店主の視線を感じた。
その肩幅は広く、首は丸太のように太い。
煤のこびりついたエプロンにグローブ。
ぱっと見で屈強な体格だと分かる。彼は鍛冶屋も兼ねているらしい。
店主は新聞を開いたままに厳しい視線をわたしたちへと向けている。
そこに込められた意味は恐らく『あまり騒ぐな』、だ。
了解のつもりでわたしは軽く会釈をし、どこかに手頃な値段の武器は並んでいないものかと、周囲をぐるりと見回した。
すると店舗の隅に視線が留まる。
放置されて久しいらしい、埃の積もったタルだ。
どうあっても手持ちでは買えそうにない武器の立てかけられた棚の脇を抜け、辿り着いた先に目的の品はあった。それも山ほど。
剣、槍、斧、棍棒。その他もろもろ。
どれもが丁寧に鍛えられた逸品のように見えるのだが、実際には無造作に突っ込まれている。そしてタルには一枚の札。
「『訳あり品。どれでも二つで銀貨10枚』。これだね」
「どれどれ。何だよ、綺麗なもんじゃねえか。こいつのどこが訳ありなんだ?」
「……縁起が悪いんだ」
野太い声が割り入る。
ぎょっと驚いたままに背後を振り返ると、そこには強面の店主が立っていた。
彼は口に咥えた煙管を手に取り、こつこつとタルを打つ。
「例えばお前が手に取ったこの槍。
こいつを打った日にうちの水道管は三か所も破裂した。
店頭に並べた日にゃあ、鳥が窓ガラスに突っ込んできて割れちまった。
まさしく不幸の槍だ。こんなもん、捨て値でとっとと売っ払うに限る。だろ?」
だろ? と言われても。
そんなのはただの偶然なんじゃないか、と言いたくなる気持ちを喉で飲み込み、
「ええと。……そうですね。曰くつきの物は手放した方がいいです」
「話が分かるじゃねえか」
豊かなひげに埋もれた口元がどうやら笑ったらしい。
高い眉に隠れた目でわたしの顏、それから腕、手を観察すると、
「んん……あんたは剣士だな?
それも一撃の重さじゃあなく、技巧と素早さで急所を狙うタイプと見た。
むっはは、暗殺者の方が向いてるんじゃないか? いや冗談さ。
ふうむ……。そうさな。こいつなんかどうかね」
タルから引き抜かれたのは一振りの鈍色の直剣だった。
「ほれ。握ってみい」
「いいんですか? では……
柄を握った途端、これは、と感じた。
羽根のように――は言い過ぎだが、それでも相当に軽い。
特殊な金属か、それとも職人の技巧によるものか。理由は不明だ。
この剣ならばより速度のある一撃を繰り出せるだろうことは簡単に想像がつく。
店内で素振りをするわけにはいかないのが何とも残念だった。
重さからの破壊力は失われたが、なに、別段に大きな問題ではない。
何故ならわたしは何も一人で全てをこなす万能剣士ではないからだ。
自分が至らないところは仲間にカバーしてもらえばそれでいい。
「気に入ったか?」
「ええ、指によく馴染みます。
僕の筋を見抜いた上に合う剣まですぐに見つけるなんて……。驚きました」
「ふん、伊達に鍛冶を長くやっとらんからな。
このぐらい何てこたあねえよ。
ちなみにだが、その剣を打った時には一週間も雨が止まなくってなあ……」
………………
…………
……
「毎度あり。また来てくんな」
不安の種がこれでまたひとつ減った、と喜色満面の店主に送り出されて往来へ。
わたしの腰には新たな剣の収まった鞘がひとつ下がっており、背中には鋼の丸盾がひとつ。
これもまた『不幸を呼ぶ品』ということで破格の値段だった。
盾の表面を指先でこつこつと叩いてコルネリウスがにんまりと笑う。
彼もまた新しい槍を手に入れていた。大収穫だ。
「良かったな。盾まで手に入るなんてラッキーじゃねえか」
「だね。曰くつきっておじさんは言っていたけど、
偶然の不幸を呪いと捉えてるだけで、内容は別になんてことなかったし」
「得したってもんだぜ。浮いた金で飯でも食うか?」
なんと大胆な考えを口にする男だ。
耳にした途端、わたしの中の善と悪が火花を散らしてぶつかり合う。
勝負は一瞬。欲望が理性を打ち負かした。
「――そうしよう。アルルには貰ったお金で丁度だったと言えばいいよね」
「おう、ノリが良いじゃねえか!
それにその言い訳はナイスだ。何せ立派な武器だしな。
まさかこいつがたたき売り同然の値段だったとは思わねえだろ!」
「違いない。よし、行こう!」
馴染みの無い商店街を通るのは旅の醍醐味だと言ってもいいだろう。
男二人で物色しながらに通りを練り歩くのは、全く何度やっても飽きないものだ。
雑貨に服飾。アクセサリーといった土地土地の特徴が見れる品を並べた店も魅力的だったが、飲食店に比べれば些細なものだ。
菓子にパン。食事処に喫茶などが立ち並ぶ、外食店の通りの誘惑はとりわけて凄まじかった。
ショーウィンドウに置かれたサンプルが若い胃袋を刺激してやまない。
先にも話したが殺人的な威力だ。見ているだけで口の中によだれが湧く。
宿で既に食事を平らげた後ではあったが、育ち盛りのわたしとコルネリウスにはあの程度じゃ到底満腹にはいたらないのだ。
何ならまだまだ二人分ぐらいはペロリといける。
「……どうする、コール」
パスタに目を釘付け――もとい、睨みつけている親友へとわたしは訊いた。
「喫茶でこの山盛りパスタを喰らうのはマジに魅力的だが、危険がひとつある。
下手するとアルルとビヨンに遭遇する危険があるってことだ」
「どうして? アルルたちは寄り道をしないって言ってたよ」
「これは俺の勘なんだが、あいつらも浮いた金で茶を飲むぐらいするんじゃねえか?
いや、絶対やるな。
アルルは『やりぃ! 値引きをせびったらめちゃめちゃ浮いたわ。ビヨン、これでどっか寄るわよ!』って言うぜ。想像してみろ」
「……? すごいな。本当に言いそうだ」
「だろ? だから俺らは鉢合わせないように逆張りする。
具体的には二人が絶対に行かないような店だ」
「というと?」
「ふっ……。あそこだ!」
つい、とコルネリウスが指先を向けたのはとある定食屋。
別段にこの街に明るいわけではないわたしがこの店を選んだ理由はその名にある。
『<野郎食堂>。安く満腹がモットーです。主菜副菜すべてが大盛り』
窓から覗く限り、どこの席にもガタイの良い男たちがずらりと並んでいる。
戦士然とした男や、工事現場の作業員らしいタンクトップの集団。
種族は人間にドワーフに多種多様。
筋肉の見本市と言ったっていい。
こんなムサい店にアーデルロールとビヨンの少女二人が現われようはずもない。
むしろドアを開いた途端に「汗臭っ」だのと言って回れ右だろう。
「良いチョイスだね。満腹まで食べられる上に鉢合わせの心配もない」
「だろ!? 食の天才と呼んでくれ」
「意味違うし。じゃ、行こうか」
ドアノブをひねって店内へ。
愛想の良いホールの店員に「二名です。禁煙で」と告げ、案内されたのはカウンター席だった。
男二人で横並びに座り、空のコップに水を注がんとピッチャーを探す。
手を伸ばせば届く距離。わたしは隣の客に断りを入れた。
「すいません。ちょっと失礼しますね」
「モグ、ング……。むうぐ!?」
わたしも、相手も。どちらもフリーズした。
それもそのはず。お互いが『そんなわけない』と思っていた想像が現実になってしまったのだ。
隣席――そこには長髪を紐で結わえたビヨンがちょこんと座っていて、汗水垂らしてでたらめに熱い汁物を食らっていた。
「むぐぐうむぐぐむぐ!?」
「ビ、ビヨン!? なんだってここに……!? 後食べてから喋ろうね!?」
「……あんたら、ここで飯を食えるぐらいの余裕が出来る買い物したのね。へえ」
恐ろしい声がする。
そうだった。ビヨンが居るのなら彼女も居るのは道理だ。
「釣り銭はしっかり持って来いってあたし……言ったわよね?
無駄遣いもするなとも言ったわ。それでここに居るってどういうわけ?」
目を見開き、驚き顏をしつつも頬に食事を詰め込んでもぐもぐ食べるビヨン。
その後ろで緋色の瞳がじっとわたしを射抜くような鋭さで見つめていた。
アーデルロール。正直言って相当に怖い。
「ええとですね……」
まずい。
金が浮いたことを隠してどう説明すればいいんだ?
お金を拾った? そんな都合のいい話があるわけない。
緊張に手が震える。
恨むべきはわたしの心の弱さか、誘惑に脆すぎる胃袋か。
コップを握った手の平が濡れている。コップの露か、わたしの冷や汗、どっちだ。
「注文はお決まりですかあ?」
「2番の定食を2つ。そう、こいつと俺の分。ありがとよ」
コルネリウスは何にも気にしていない風である。
女性店員へと愛想の良い爽やかなスマイルと共に注文を口にした。
「バカノッポ! あんた普通に頼んでんじゃないわよ!」
「んだよ。これから長旅になるんだろ? なら燃料詰め込まねえと動けねえって」
「ああ言えばこう言う~~~~……! その『燃料』の金はどっから出たのよ!?
ユリウス! 答えなさい!」
「えっ。ええ~……と……」
「目を逸らすんじゃないわよ。怒らないから言ってみなさいよ。
ほら、あんたが剣を預けたのは誰だっけ? ん?」
唇を弓なりに曲げた素敵な笑顔、もとい悪魔的な笑顔が目の前にある。
何てことだ。騎士の誓いやら剣を預ける話を引き合いに出すのは卑怯ではないか?
彼女の目を見てそう言ってやりたかったが口に出すわけにはいかない。
しかし。だが、でも。
ダメだ。退路は無い。
「参ったな……」
コルネリウス。……すまない。
わたしは膝上に握った拳をじっと見つめ、事の顛末と子供が釣り銭をちょろまかしたのと同じ悪事を洗いざらいに白状した。
………………
…………
……
食事を終えて一言。
両手を合わせて「ごちそうさま」と礼を口にするとアーデルロールは、
「なんだ。運よく金が浮いたんならラッキーだったじゃない。
あんまり隠すような素振りをするからヤバいことをやったのかと思ったわ。
例えば食うに困って窃盗とか。かつあげとか」
指折り数えて言う。
名誉の為に言っておくが、まかり間違ってもわたしたちはそんなことはしない。
コルネリウスも同感だったようで、大盛りの食事を平らげた彼は口元をナプキンで拭ってから、
「そりゃ俺らのガラじゃねえだろ」
「ユリウスはともかく、コール、あんたは割とそれっぽいけど」
「ひでえな!?」
「冗談よ」
ずずず、と音を立ててアーデルロールが水をすする。
「まあ……無駄遣いしない、って言っておいてあたしも食事に来てるし。
文句言えないわ。ごめんね。値切ったら出費が相当浮いたのよ」
「じゃあ折角だし何か美味しいもの食べようってうちが言って」ビヨンが言葉を継ぎ、
「あたしが了承したわけ」アーデルロールが締めくくった。
わたしたちと殆ど同じような話の運びで安堵した。
こちらもあちらも、考えることはそう変わらないということなのだろう。
いわゆる茶目っ気。悪戯と思えば可愛いものだった。
……問題は『金』という唯一無二かつかけがえのないものが失われたことだが。
こっちこそごめん。
そう口にしようとしたところで、近くの席に座った客の言葉に耳をひきつけられた。
「――今日の<連邦新聞>見たか? 近所の<リムル村>が消え失せたらしいぜ」
言いかけた言葉を飲み込んだ。
あからさまに視線を送るわけにはいかず、それでも情報を得ようと聴覚が鋭敏に尖る。
「ああ。更地になってたんだろ?」
「どうなってんのかね。黒い雲といい、ルヴェルタリアといい……。
何だか良くないことが起こってんじゃねえかって気がしてならねえよ」
声の主は二人の男性客だった。
気付けばアーデルロールたちも押し黙り、会話に耳を澄ませている。
「霧に飲まれたとか? いや……村の住民は大部分が生き残ったってあるな。
当人らも何が起こったかはさっぱり分かってないんだと」
「霧っつったら、ルヴェルタリアが沈んだとか沈んでないとか。
こっちみてえな田舎もんは新聞の話を信じるしかねえが……、
でたらめに恐ろしい世の中になったもんだよな。〝霧払い〟の時代かよってんだ」
「おれはルヴェルタリアは沈んじゃいねえと思うがな?
<連邦新聞>のアホ記者のことだ。大噴霧で都が見えなくなったのを勘違いしたんだろ」
「はっは! そうかもな! ま、こっちの暮らしにゃ関係ねえなら何でもいいさ。
見える限りが世界の全てだからな。海の向こうなんて知らねえよ。
遠くのことは誰かがどうにかすんだろ。じゃあ食うか。午後の仕事も気合い入れるぞ」
男たちの会話はそれで終わった。
新聞をがさつかせる音と食器の音だけが響く。これ以上は話をしそうにない。
村の消失。
失われた故郷。
住民の大部分は生きている、というのはギュスターヴから聞いていた。
火災が発生した後、イルミナの先導のもとに住民は避難を行ったからだ。
そこにはビヨンの家族、コルネリウスのただ一人の母親も含まれる。
わたしの母も、妹も生きている。
……脳裏に父の、フレデリックの姿が浮かぶ。
彼の消息だけは分からなかった。
わたしを庇って腕を飛ばされ、それきりだ。
母は「生きているわよ」と口にしていたが、希望にすがってからの発言なのは分かっている。
どうにか生きていて欲しい。わたしはもう一度父の顏を見たかった。
それがどんな形であっても構わない。再会の言葉を交わしたかった。
と、もう一人の行方不明者を思い出す。
村と共に消えた女。我が魔導の師にして白い魔女。
イルミナ・クラドリン。
〝ウル〟と共に姿を眩まし、誰も行方を知らない霞のような女。
また会おうと言っていたが所詮は口約束だ。
信じるには心許ないものだし、希望を抱くには心許ない。
「ねえ。ビヨン、イルミナはどうなったと思――、」
ゴーン――……ゴーン――……。
鈍く、重い、腹の底を震わせる音が聞こえた。
食堂に居た全員の手が止まる。
客も、厨房の男たちも、誰しもが停止した。
「こりゃ何の音だ?」
コルネリウスが険しい顏で言う。
その眉は寄り、目は細い。緊張を感じた時の表情だ。
重い音は鐘の音だった。
何事かを報せようと鐘は繰り返し打ち鳴らされ、段々と周囲がざわついていく。
食事の喧騒ではない。危機を感じた者に特有の騒々しさだった。
何が起こったのか?
その答えは誰かの呟きにのってもたらされた。
「――……霧が出やがった……」




