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願わくば、霧よ  作者: 晴間雨一
九章『溶鉄の炎髭王』
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169. 遠吠え


 わたしに王の攻撃を回避するという選択肢は無かった。


 空気を燃やし、相対するものをジリジリと焦がす熱を発するこの剣はひとたび振るわれると、その軌跡をなぞるように炎が残る。


 空中に停滞し、近づく者を燃やそうと揺れるこの炎は脅威だ。

 ドルゲルバドル王の隙を目に捉え、攻撃を加えようとしたところでこの炎が進行方向上に存在すると手が出せなくなる。


 喉を焼くような熱気の中の戦闘だ。

 長時間の戦闘は望めず、短時間で決着を付けたかったが未だ王の弱点は掴めていない。

 ならば、と覚悟を決めていっそ飛び込む手もなくはないと思えた。


 しかしそれをやってしまえば代償としてひどい熱傷を負うだろう。

 確実にだ。


 この場に限っては幸運はまずやってはこない。

 たまたまほとんど無傷で済んだ、なんてことはあり得ないのだ。


 そして一度熱傷を負えばそれを回復をするタイミングは無く、カバーできるだけの余力は誰も持っていないはずだ。


「フッハハハハハハ! 良く凌ぐ!」

「っ……!(熱波で声を出せない……呼吸もギリギリだ)


 眼球の水分が沸騰するような熱にさらされる中、精神を振り絞って王の攻撃を捉え、無意識化にまで刷り込まれた剣術が正確に、時にはかろうじて縦方向へ攻撃を弾き返した。


「(盾で受けたら一瞬で融かされてそのまま潰される。

  王の攻撃は炎を出来るだけ撒き散らないように弾くしかない!)」


 この場の誰もドルゲルバドルの炎を消すことは叶わない。

 あまねく水を掌握するセレナディアであってもそれは不可能だった。


 ならば、せめて。

 誰かひとりが攻撃を集中して受ければ王の炎はやたらに散らず、一方向に偏る。


「(幸い、この王様は戦いにご執心だ。

  自慢の攻撃を僕が器用に弾き返す限りは、どうにかして叩き潰してやろうと剣を振り回すだろう)」

 

 読みの通り、苛烈な攻撃を全身に浴びながらも王はわたしに向けて特大剣を繰り返し振るった。


「これはどうだ!? これは!? これはァ!?」

「(いい加減はっきりした。

  この王様は全身を吹き飛ばすなりしないと倒せない。そういう手合いだ)」


 血しぶきの代わりに王の背中や首筋から炎が舞い散る中で、わたしが持つ直剣の剣身が赤熱し、耐久の限界を示した。


 瞬時に自分の立ち位置とついさっき視認した予備の剣の配置を思い出す。

 最も近いものを拾って復帰するのにどれだけかかる?


 肺はやられている。気管は焼けてじりじりとあぶられているように熱い。

 このコンディションではすぐに全力疾走は難しい。


 不意に王の肉体を水色の光線が袈裟に引き裂いた。


「むうっ!? これは!」


 さしもの王も当惑をしたその一閃は強い水の魔力を帯びていた。

 散った水しぶきが頬に触れた瞬間に感じた清涼さは目が覚めるほどだった。


「この水――セレナディアか! 余としたことが夢中になりすぎたな。

 放ったのはそこな魔法使いか! 貴様、〝精王〟を、」


 腰から上にかけて王の肉体が消し飛び、その言葉もまた虚空に消える。

 ゆらゆらと燃える炎の向こうには二人の槍手の姿があった。


 ギュスターヴはあちこち焦げてはいるものの壮健そのものだったが、コルネリウスはひどく参っている様子だ。

 そしてそれはこちらへ「ユリウス! 代わりの剣よ!」と直剣を投げて渡してくるアーデルロールもだった。


 左肩を覆っている白い外套はほとんど燃え尽き、途中で火が移ったのを切り落としたのか、ポニーテールがいくらか短くなっていた。


 剣を受け取ると同時にこれまでわたしに付いてきてくれていたヴィントゴアの剣が融け落ちる。

 

 つづけて王の肉体へ視線を向けるが、即座に再生する様子は不思議と無かった。

 倒したとは思えないが、一体これはどうしたんだ?


 いくつか湧いた憶測に考えを巡らすと残された王の足元に水たまりが湧き出し、大量の水が上方向へ噴出した。


 その様子はまるで膨大な水量の滝が天へと逆さにのぼるようでいて、頂上付近で上昇力を失った水しぶきがそれぞれの体を冷やす。


「おい大丈夫かよ相棒!」


 駆けよってくるコルネリウスの顔は熱にあてられたり熱傷を受けたりで真っ赤だった。

 そちらこそ大丈夫なのか? と声を掛けると「こんなもん楽勝だ」と不敵に笑う。

 そんなわけもないのに、この男はまったく変わらない。


「しかしこの不死身な感じ、覚えがあるな。

〝白霊泉〟でセレナディア女王と契約を結ぶ時に戦ったデカい騎士を思い出すぜ」

「あれは厄介だったわね。

 また核を壊さなきゃいけないとかそういうこと?

 バカ熱い中であれこれと弱点を探す時間は無いわよ」


 またひとつ轟音が立つと水柱が高々と噴き上がった。

 ビヨンとセレナディアが意気投合したとしか思えないぐらいの執拗な攻撃だ。


 降り落ちる水がわたしたちの鎧の金属に触れるとじゅう、と熱したフライパンを冷水で濡らした時と同じ音がした。


「それにユリウスもそう長くはもたない。でしょ?」


 わたしは緋色の瞳に向けて頷いた。

 彼女のそばでは王の下半身がまだ轟々と燃え盛っており、いくらビヨンの水魔法を受けようとも残された王の肉体が消えることはなかった。


「多分だけど」と、そう前置いて意見を口にする。

「ごほっ……この人は全身を一気に消し飛ばさないと倒せないんじゃないかな。

 もし核を壊すのが正解だとしても、頭の先からつま先まで消滅させればどのみち狙いは達成できる」


「そう……問題はどうやってそれを実現するかよね」

「オレがやる」


 じわじわと再生しつつある王の肉体を睨みながらギュスターヴが言った。

 壁のように広く、力強い背中には何としても勝利を掴もうとする強靭な意思が宿っているように見える。


「手があるの?」

「槍を投擲する。だが準備に時間がかかる。

 その間オレは戦いに加われない。三人で凌げるか?」


「やってみせます」

「おう!」

「やってやろうじゃないの」


 わたしを含めた三人がタイミングを同じくしてそれぞれの言葉で〝王狼〟の言葉に応えた。

 大男はニヤリと笑った。それから彼は後方のビヨンを向き、声を張り上げると、


「ビヨンの嬢ちゃん! そっちに行くから手ぇ貸してくれ!

 魔力の調律を頼みたい!――じゃあ頼んだぜ、お前ら」


 水の勢いを弱めるのがビヨンの了解の合図だった。

 そして炎の王の肉体の再生が加速する。


 身の内からはふたたび鉄が生まれて鎧に変わり、両手にそれぞれ握られた剣と槌に激しく炎が灯った。




 数刻後。

 どれだけ打ち合い、弾いたか。


 篭手の中に直接炎を放り込まれたような熱がわたしを苛んだが、武器だけは手放してたまるかと奥歯を噛んだ。


 アーデルロールから投げ渡された直剣は既に融け折れ、戦いの間隙を突いてどうにか拾った三本目もいつ溶解するか分からない状況にわたしは見舞われていた。


 この瞳に宿る〝紋章〟を使い、セリス・トラインナーグに頼ればきっと上手く対応できるのだろうが、今この場で魔力を急速に失う危険は冒せない。


「(それに――あちこちに散ってる王の炎を物質の魔力変換で取り込んだらどんな影響が出てしまうか分からない。この戦いは……)

 自力で……! 凌ぐっ!」


 再生した王の顔は兜を被っておらず、そのせいで歯茎を剥きだした凶悪な笑みと気分の高揚にあわせて赤々と燃える頭髪とヒゲとが、攻撃を弾くたびに否応なく目に入った。


「(相変わらず槌は使ってこない。

  あれを打ち込まれたら僕が持つどんな剣技でもはじき返すことは不可能だ。

  溜めが要るのか? 攻撃を加える限りあれを使えないのだとしたら好都合。

  コールとアルルの二人なら槌の発動を止め続けてくれる!)」


 このままならギュスターヴの槍の発動まで耐えられるだろう。

 その瞬間が後どれだけ待てば訪れるか分からなかったが、わたしは仲間を信じて次の一瞬、さらにその先の刹那を生き延びようとあがくだけだ。


 と、喉が激しく熱せられ、呼吸さえままならなくなった。

 セレナディアの加護がある限りは問題ないのだと判断していたが、これは――。


 猛烈な勢いで打ち下ろされた特大剣を剣で受けたが、タイミングがあまりに悪すぎた。

 呼吸が整わない中ではとても即座に弾き返せない。


「この時をなぁ……余はよくよく待っておったぞ!

 倍以上もある質量の一撃を幾度も弾くその剣技たるや見事である!

 だが呼吸の隙を衝かれてはどうだ?

 余の剛力で押し込まれては到底返せないであろう……!?

 フハッ! フハハハハハガアハハハハハハ!」


 燃やされる(・・・・・)

 鉄ひとつを隔ててぎりぎりと押し付けられる特大剣が放つ熱と炎もそうだが、何より目の前で輝く王の両目の熱量が尋常ではなかった。


 この男なら本当に視線で対象を燃やせるかもしれない。

 そう思えてならない凄みが確かにある。


 剣の中央が白み、ついでその白を囲うようにして緋色が射した。

 融け落ちる。そう直感し、左手に握っていた盾をとうとう使った。


 こうなってはもはや弾く返すことは叶わない。

 渾身の力を持って闘技場を踏みつけ、潰されてたまるかと必死に耐える。


「ぼ……くはひとりじゃない……! みんなが必ず手を打ってくれる……!」

「ハハハハハアアガハハハハ!

 あがけあがけ! 命の輝きを余に見せよ!」


 狂ったようなどう猛な笑いが盾の向こうから大声量で聞こえる。

 信じろ。信じろ。信じろ! 仲間を信じろ!

 絶対にあきらめるな、ユリウス・フォンクラッド!


………………

…………

……


 アーデルロールのそばで水の女王がそっとささやく。


『アーデルロール。もう間もなく魔力が尽きるぞ。

 みなを守る妾の水の保護が消滅する』


 声の源は〝聖剣〟の柄に嵌められた宝玉のうちのひとつ、水を映す青い宝玉からだった。

 少しでもユリウスに落ちる攻撃の威力を落とそうとドルゲルバドル王の腕を切り刻むが、どれだけの足しになっているか分からず、アーデルロールは焦っていた。


 そのうえ戦いの時間切れに等しい宣告を聞いてしまい、アーデルロールの心は重くなった。剣だけは鈍らせてたまるかと振るい続けながら、彼女はがらがらに枯れた喉でうなるように訊く。


「どうにかならないの!?」

『魔力に変わるものが必要だ。

 お前が血・肉・寿命のいずれかを捧げるのなら、幾ばくかは保てるが』


 セレナディアが言い切るのとユリウスが攻撃を弾くのに失敗するのとはほとんど同時だった。

 厄介な男を潰す好機と見たドルゲルバドルは両腕から炎を噴出させ、ユリウスを焼き尽くそうと猛烈な力を加えている。


 ユリウスがたまらず投げ出した直剣は炉から引き出した直後のように赤熱していた。どれだけの苦痛をあの男は――自分が選んだ近衛騎士は耐えたのか。


 その献身に自分は報いねばならない。

 アーデルロールの決断は素早かった。


「5年分の寿命を捧げるわ。今すぐみんなを守って」

『良い覚悟だ。……だからお前は好ましい。

 確かに拝領した。命に見合うだけの加護をそれぞれに与えよう』


 呼吸の苦しさが著しく改善された。

 空気が鼻孔をよく通り、にじんだ唾液を飲み込んでも痛みがいくらか和らいだ。


 だがユリウスが窮地であることに変わりはない。

 ドルゲルバドルのばかみたいに太く、力強い両腕をいっそのこと両断しなければあの騎士を救うことはかなわない。


 直感に従い、アーデルロールはそばのコルネリウスへ大声をあげた。


「コール! 力いっぱい地面をぶっ壊して破片を巻き上げて!」


 ごうと言葉を遮るかのように噴出した炎の向こうであの親友の了解の声をアーデルロールは確かに聴いた。


 直後、王の足元で雷の爆発が発生し、大小いくつものの破片が空中を舞う。

 そのすぐそばには強烈な炎が依然として燃え盛っている。

 あれに触れれば熱傷を負うだろう。


 だがそれがなんだ。


「怯えがなんだ。

 こんな程度(もん)で足を止めるな、アーデルロール・ロイアラート」


 胸いっぱいに息を吸い、かかとからつま先にまでアーデルロールが力を溜める。

 最高最速で魔力を練り上げ、己の四肢に――特に足に集中して風を纏わせ、極限まで引き絞られた弓が弦から放たれるようにアーデルロールが跳んだ。


「ルヴェルタリア流古剣術、奥義――〝水天(すいてん)星間(せいかん)(こう)〟!」


………………

…………

……


 ドルゲルバドル王が加える力が唐突に緩んだ。

 喉に潤いが戻り、視界が色を取り戻す中でわたしは異変の正体を見た。


 それは若草色をした光の筋。

 アーデルロールが空中にあり、今この瞬間にも落下する破片を足場にして上下左右、ジグザグの軌道で跳ね跳びながらドルゲルバドル王の両の剛腕をなます切りにしたのだ。


「ぐおおあああああ! とうとう肚を決めて突っ込んできおったか貴様!」

「ア――」


 王の特大剣がガラリと地面に落ちるよりも一瞬早くアーデルロールは地面に力なく落ちた。それは着地ではなく、肩から落ちるただの落下だった。


「アルル!」


 髪の末端は燃え、火であぶられた頬はひどい有様だった。

 だが彼女の意気は、心の剣は折れてはいない。

 起き上がりざまに膝をつきかけるが気合で持ち直し、拳で腿を殴りつける彼女の目にはまだ闘志が存在した。


「ぜえっ! ぜえっ、ぜえっ……! 大丈夫!

 こうなりゃどうなったって一緒よ! 全然いける!」


 王女の〝聖剣〟が青く輝き、水の魔力が静かに剣身を覆った。

 そして彼女は風の魔力で伸長した短剣をも構えるとドルゲルバドルを睨み、互いの視線を一瞬交わらせるとふたたび突進し、再生しかかる腕を狙い刃を振るった。




 ギュスターヴは右腕に握った槍を掲げ、投擲の構えのまま意識を研ぎ澄ませている。

 数刻前までの黄金槍は既に槍の形を失い、人の手の内に奇跡的にとどまる稲妻に変容していた。


「(ドルゲルバドルの野郎、デカい図体のくせしてまるで隙がねえ。

  オレの槍をよく警戒していやがる。

  初代の〝王狼〟と一緒に戦ったってんなら、ルーヴランスの槍を知ってるからそりゃそうか。

  このまま投げたところでさっきっから溜めに溜めてる炎槌から炎を放って防がれて終わる。狙うなら必殺のタイミングだ。

  それしかない。……頼んだぞ、お前ら)」


 背後では魔法陣を敷いたビヨン・オルトーが瞳を閉じ、暴れ狂うギュスターヴの魔力を魔力食いの槍へと注ぎ続けていた。


 一方でギュスターヴは薄灰色の目を見開き、戦いの趨勢を見極めている。


 彼の目には映っていた。

 アーデルロールの死角から迫る特大剣をユリウスが自身ごと回転する切り上げで弾き飛ばす姿が。

 熱傷を厭わずにコルネリウスが王に肉薄し、その右肩に槍を突き立て雷を一気に放ち、友の窮地を救う姿を。


 奥歯を強く噛み締めすぎ、口元から血がこぼれた。

 視界の中でアーデルロールの剣戟が加速していく。


 ルヴェルタリアの若き姫。緑の風は常に加速を続け、王の両脚からくるぶしにかけてなます切りにした。

 ドルゲルバドル王の重くおおきな肉体がついに崩れ、地面に倒れ伏す。

 特大剣を手放した腕で身体を支えてはいるものの今すぐに起き上がることは叶わない。


 代償としてアーデルロール・ロイアラートは燃えた。

 炎が両腕に燃え移った彼女はもんどりを打って転がり、コルネリウスがそれを庇う。


 ギュスターヴの思考のいくつかが怒りに燃え、いくつかが好機を訴え、いくつかが忠義を示す時だと静かに告げる。


 少年と少女の視線とギュスターヴの視線が交わった。

 後は頼む、と痛いほどの意思と感情が視線に乗って伝わってくる。


 ドルゲルバドル王の注意がこちらから外れた。――ここだ。


「――ルーヴランス。カーラウェン。

 オルヴァ。ヒュンケル。

 四つの雷を帯びし古き槍、ウルヴズプライドよ。

 群狼の遠吠えをここに――霧さえ灼き焦がす我らが大雷を放て――。

 お前らよくやった! 後はオレに任せろ!」


 赤、青、紫、白。

 それらの色をたたえた無数の稲妻がギュスターヴの手の内に集い、ビヨンの調律を外れ、制御を失った巨大な力はムチのようにしなると闘技場から観客席までを無差別に襲った。


 大気が鳴動する。

 場に存在するあらゆる魔力を黄金槍は無尽蔵に引き込み、貪り食うように力を増していくと、やがてひとつの強力な力場として成立した。


「受けてみろ、〝炎の精王〟ドルゲルバドル……!

 こいつがオレの! ウルリックの〝遠吠え〟だ!」


 ギュスターヴの投擲は音を立てなかった。


 指から離れた途端に槍はその物質的な形状を失い、白い球体から直線に変わるとその先端はドルゲルバドルの胸の中心に正確に触れ、一瞬遅れて白線の末端部が先に伸びていた先端に追いついた。


 あまりにも静かだった。

 耳が痛いほどの静寂の中、一瞬にして王の全身はこの世界から消失した。


 目的を達し、行き場を失った魔力が空を目指して真っすぐに昇っていく。


 腹の底どころか強制的に地面に倒れ込んでしまうような落雷の轟音がユリウスたちの全身を激しく打ったのは、黄金槍が遠くへ消えてしまった後だ。


 最後に残されたのは唸るような長く、どこか悲しげな音――狼の遠吠えだけだ。

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