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少女、迷宮の主的な。  作者: ぺんぎん村長
セーラー神、やつはこう言った。ファンタジスタをご所望かい?的な。
6/16

少女、眷属を作る的な。

倫理や人道に喧嘩を売ります。だってダンジョンマスターだもの。

<<で、どうするんですか?主。>>


「駒はいくらあっても問題ないだろう?」



名前

ユタ


種族

幼怪兎


称号

兎の贄 香具山兎 転魔 かぐやの眷属 賢兎の端くれ 半人半妖


Lv.0

MP 100

STR 50

SPD 200

MIN 100

VIT 80


スキル

剣脚 兎の寵愛 兎の身代わり 才気煥発 脱兎・韋駄天 成長阻害 人化











「弾兎、引け。ついでに月兎を何匹かここに来させろ。」


「………た……す、け…………て………。」


「知らん、勝手に死ね。」


この場面だけを見ると、小鳥が非情で冷徹な人間に見えるだろう。だが、よく考えてみると別におかしな所は無い。そもそも、彼女はマフィアの首領の孫娘だ。殺し殺されなんて特別でも何でもない。目の前で少女が死のうとも、助けるメリットがなければ助けない。無償の救いなんてありえないのだ、そんな事が出来るのは正義のヒーローだ。誰か呼んでこい、ご都合主義の出番だぞ。それに彼女は見敵必殺を命じたのだ、殺す相手を助ける理由がない。もっと言えば、兎の行軍範囲に入ったのだ、攻撃されてしまうのは仕方がない。餓えた狼の群れ相手に野外コンサートを開くようなものだ、満員御礼、熱烈なラブコールの嵐に違いない。小鳥は少女が未だに生きていることに興味を持っただけで、助けるために出てきたわけではない。彼女は優しい聖女ではないのだ。会いたければ教会に行け、寄付金、もとい、信仰の心次第で出てきてくれるぞ。残念なことに宗教は腐敗しやすいのだ、エイメン。


「……ぃ…こと、き……く、ょ…。」


「そうか、言ったな。その言葉、違えるなよ。」


少女、ユタは限界を超えたのか気絶してしまう。小鳥はそんなユタを見下ろして、鼻を鳴らす。


「…月兎をよんで正解だったな。さて、月兎たちこいつの傷を肩代わりしろ。」




―捨身慈悲―




月兎たちは、ユタの傷を肩代わりするにつれて、1匹また1匹と死んでゆく。どうやら、呼んだ兎だけではすべてを肩代わりすることはできそうにない。ならば、と考えて小鳥は行動に移す。月兎の死体を回収して、ユタを背負い迷宮へと戻っていく。


「九十九。」


<<はい、どうかしましたか?>>


「人間の子供を、こう、部下にできないか?」


<<なるほど、眷属ですね。ではその子供を元に合成獣を作ってはいかがですか?>>


「合成、キメラか。そうだな、傷の手当では縛りは緩いか。手順を教えてくれ。」


<<はい、主コトリ。この手順はダンジョンコアを用いることを前提にした方法です。この世界にある既存の方法とは違いますので留意しておいてください。手順は簡単です、眷属にしたいものに魔物の核である、魔石を心臓に埋め込んでください。大体はその時に、拒絶反応で死んでしまいますが、コアを通して再召喚を行うことで眷属化が始まります。眷属化が終われば目覚めるのを待つだけですね。>>


「なら、ここに月兎の死体がいくつかある。魔素に分解して1つの魔石にまとめられないか?」


<<突飛な発想をしますね、主。結論から言いますと出来ます。ただ兎を使ったとしても魔力コストは低くはありませんので注意を。>>


「その作業は九十九に任せる。」


<<では、始めます。>>








そんな回想をしながらも、ユタが目覚めるのを待つ。あまり時間がかかるのはよろしくないので、そろそろ起こすか迷う小鳥。いや、起こすことに決めたようだ。


「起きろ、私の眷属。」


そういってユタを小突き始める。起きない。


「………。」


そもそも彼女に穏便に起こすという発想はない。ユタは眷属であるという認識がはっきりしているし、言うことを聞くと言ったのだから聞け。と考えている。つまり、俺様理論である。ちなみにラケット装備のスケキングは中学生、らしい。闇の炎に抱かれて眠れとか言いそうである、いつかは黒歴史になることだろう。


「…………。」


小鳥は椅子にもたれてユタを見下ろす。幸せそうに眠っている、いい夢でも見ているのだろう。だが、そろそろ現実の時間だ。小鳥はユタの耳元で強く手を叩き合わせる。


「ぅわあ!」


「起きたな、眷属。」


「え?……………あ、うさぎさん。」


「そうだ、その兎さんだ。調子はどうだ、私が誰かわかるか?」


「えっと、だいじょうぶ。おひめさまは、おひめさまってわかるよ。」


「……姫って、いや、ならいい。お前はもう人間じゃない、わたしの指示に拒否権はない。問題は?」


「ないよ。なんだろ、ひとじゃないのに、へんなかんじがしないの。」


「そうか、違和感がないなら手間が省けるな。お前、連れがいただろう?」


「ユタだよ、おねーちゃんはラタ。」


「では、ユタ。森を出たら姉を殺して帰ってこい。」


「うん。わかった。」


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