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《凶宴-CARD》  作者: shogo5


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『変幻の三枚目』【1】

――数日後。



宿の食堂。



シオン「…………」



No.2「…………」



カチャ――



向かい合って。



二人は――


食事をしていた。



戦いで負った傷は――


まだ残っている。



だが。



二人とも――


こうして食事ができる程度には。



身体も――


回復していた。



No.2「……そういや」



シオン「ん?」



No.2「お前――」



No.2「他の凶宴の奴には会ったのか?」



シオン「ああ」



No.2「誰だ?」



シオン「A」



No.2「…………」



No.2「Aか」



シオン「ああ」



No.2「戦ったのか?」



シオン「戦った」



No.2「勝った?」



シオン「ああ」



No.2「へぇ……」



シオン「なんだよ」



No.2「いや」



No.2「Aに勝ったのかと思ってな」



シオン「ギリギリだったけどな」



No.2「それで?」



シオン「?」



No.2「あいつとは――」



No.2「何か話したのか?」



シオン「……まあな」



シオンは――



箸を置く。



シオン「俺の力のことも話した」



No.2「力?」



シオン「ああ」



シオン「俺は――」



シオン「少し先の未来が見える」



No.2「――ああ」



シオン「…………?」



間髪入れず。



No.2が――


シオンを見る。



No.2「それでか」



シオン「何が?」



No.2「戦ってる時――」



No.2「言っただろ」



No.2「俺が斬る前に、もう避けてるって」



シオン「…………」



No.2「あれ――」



No.2「先に見えてたんだな」



シオン「ああ」



No.2「なるほど」



そして。



No.2は――


すぐに。



もう一つへ――


辿り着く。



No.2「じゃあ――」



No.2「途中から俺たちの連携になって」



No.2「お前が急に対応できなくなったのも――」



シオン「…………」



No.2「見えた未来が――」



No.2「次々変わってたからか」



シオン「……そういうことだ」



No.2「やっぱりな」



シオン「…………」



No.2「それなら――」



No.2「全部繋がる」



シオン「…………」



No.2「で?」



シオン「?」



No.2「Aは――」



No.2「それを知って、何て言った?」



シオン「…………」



少し――



間を置く。



シオン「俺たちがCARDなら――」



シオン「俺は、そのカードを一枚ずつ弾いていく者だって」



No.2「…………」



シオン「それで――」



シオン「“DEALER”」



No.2「……ディーラー?」



シオン「ああ」



No.2「…………」



シオン「その時は――」



シオン「勝手に決めるなって言ったけどな」



No.2「…………」



No.2「いや」



シオン「?」



No.2「結構――」



No.2「合ってんじゃねぇか?」



シオン「……そうか?」



No.2「ああ」



シオン「…………」



シオンは――



少しだけ。



考える。



Aと――


戦った時。



自分にできたのは――



見えた未来に。



対応すること。



だが。



今回の戦いでは――



それだけじゃ。



通用しなかった。



未来を見ても――


変えられる。



追えば――


また変わる。



だから。



一度――



流れを断った。



シオン「…………」



No.2「どうした?」



シオン「いや……」



シオンは――



自分の手を見る。



シオン「今回――」



シオン「お前と戦って」



シオン「一つ、新しい技術を掴んだ」



No.2「技術?」



シオン「ああ」



シオン「――CUT」



No.2「…………」



シオン「見えた未来に――」



シオン「すぐ対応するんじゃない」



シオン「一度――」



シオン「相手の流れを断つ」



No.2「…………」



シオン「それでも対応されたら――」



シオン「今度は、こっちから誘導する」



シオン「相手がどう動くか――」



シオン「こっちから引き出す」



No.2「……あれか」



シオン「ああ」



No.2「…………」



シオン「未来を見て――」



シオン「流れを切って」



シオン「最後は――」



シオン「相手の動きまで引き出す」



No.2「…………」



シオンは――



僅かに。



口元を緩める。



シオン「なんか――」



シオン「あいつの言うように」



シオン「本当にDEALERって感じになってきたな」



No.2「……今さらかよ」



シオン「なんだよ」



No.2「俺は戦ってて――」



No.2「十分、嫌な奴だと思ったけどな」



シオン「…………」



No.2「相手の動きまで――」



No.2「勝手に決めやがる」



シオン「褒めてるのか?」



No.2「さあな」



シオン「…………」



再び――



二人は。



食事を続ける。



カチャ――



No.2「それで――」



シオン「?」



No.2「これからどうする?」



シオン「…………」



シオン「決まってる」



No.2「凶宴か」



シオン「ああ」



シオン「まだ――」



シオン「何も終わってない」



No.2「…………」



シオン「父上を殺した奴も――」



シオン「まだ分かってない」



No.2「…………」



シオン「だから――」



シオン「このまま凶宴を追う」



No.2「そうか」



カチャ――



No.2は――



箸を置く。



No.2「じゃあ――」



No.2「俺も行く」



シオン「…………」



シオン「は?」



No.2「俺も――」



No.2「お前について行く」



シオン「…………」



数秒。



シオンは――



No.2を見る。



シオン「……アホか、お前」



No.2「なんでだよ」



シオン「なんでって――」



シオン「お前は凶宴だろ」



No.2「ああ」



シオン「俺の父上を殺した――」



シオン「その凶宴の人間だぞ」



No.2「そうだな」



シオン「そうだな、じゃない」



No.2「…………」



シオン「そんな奴を――」



シオン「なんで俺が連れて歩くんだ」



No.2「別に――」



No.2「お前に連れて行ってもらうつもりはねぇよ」



シオン「…………?」



No.2「俺が勝手について行く」



シオン「もっとダメだ」



No.2「なんでだよ」



シオン「なんで分からないんだ……」



No.2「…………」



No.2「でも――」



No.2「お前、凶宴のことほとんど知らねぇだろ」



シオン「…………」



No.2「Aから――」



No.2「俺の居場所を聞いたんだろ?」



シオン「ああ」



No.2「じゃあ――」



No.2「この先は?」



シオン「…………」



No.2「次に誰を探す?」



シオン「…………」



No.2「そいつがどこにいる?」



シオン「…………」



No.2「どんな奴で――」



No.2「どう戦う?」



シオン「…………」



No.2「知らねぇだろ」



シオン「……まあ」



No.2「だったら――」



No.2「凶宴の情報を持ってる俺がいた方がいい」



シオン「…………」



No.2「それに――」



シオン「?」



No.2「お前が――」



No.2「この先どう戦うのか」



No.2「ちょっと見てみたくなった」



シオン「…………は?」



No.2「未来を見て――」



No.2「流れを断って――」



No.2「最後は相手の動きまで引き出す」



No.2「DEALER――」



No.2「なんだろ?」



シオン「…………」



No.2「だったら――」



No.2「残りのCARDをどう弾いていくのか」



No.2「近くで見てみたい」



シオン「…………」



シオン「やっぱり来るな」



No.2「なんでだよ」



シオン「面倒くさそうだからだ」



No.2「もう決めた」



シオン「俺は認めてない」



No.2「別にいい」



シオン「よくない」



No.2「俺が勝手について行くんだから――」



No.2「お前の許可はいらねぇだろ」



シオン「…………」



No.2は――



何事もなかったように。



再び――



箸を持つ。



シオン「…………」



No.2「なんだよ」



シオン「いや……」



No.2「?」



シオン「お前――」



シオン「意外と面倒くさい奴だな」



No.2「今さらか?」



シオン「というか――」



シオン「キャラ変わりすぎだろ」



No.2「…………?」



シオン「俺と戦ってた時――」



シオン「もっと無口だっただろ」



No.2「そうだったか?」



シオン「そうだった」



No.2「…………」



No.2は――



少し考える。



No.2「まあ――」



No.2「今はもう」



No.2「黙ってる理由もねぇからな」



シオン「…………」



No.2「それに――」



No.2「お前とは一回殺し合ってるし」



シオン「それで距離縮まるのおかしいだろ」



No.2「そうか?」



シオン「そうだよ」



No.2「…………」



No.2「まあ、いいじゃねぇか」



シオン「よくない」



No.2「で――」



シオン「?」



No.2「次は誰を探す?」



シオン「…………」



シオン「もうついてくる前提じゃねぇか……」



No.2「当たり前だろ」



シオン「…………」



シオンは――



深く。



ため息をついた。

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