『幸運なる七枚目』【終】
No.7「楽しみにしてる!」
シオン「…………」
握っていた手を――
離す。
No.7「よし!」
No.7は
パンッと手を叩く。
No.7「じゃあ今日は――」
No.7「スイートルーム取ってあげるから!」
No.7「ゆっくり休みなよ!」
セイ「マジで!?」
No.7「もちろん!」
セイ「やった!」
シオン「お前は何もしてないだろ」
セイ「いいじゃねぇか!」
No.7「あははは!」
No.7「ご飯も好きなだけ食べていいよ!」
セイ「最高じゃねぇか!」
シオン「…………」
ヴァン「悪くないな」
シオン「お前まで乗るな」
◇
――翌朝。
カジノに併設された
レストラン。
テーブルには――
朝食が並んでいた。
セイ「うまっ!」
シオン「朝からよくそんなに食えるな」
セイ「タダだぞ?」
シオン「関係あるか?」
セイ「あるだろ!」
No.7「あははは!」
No.7も――
当然のように同じテーブルにいる。
ヴァンは
静かに食事を続けていた。
シオン「…………」
シオンは――
No.7を見る。
シオン「そういえば――」
No.7「ん?」
シオン「聞きたいことがある」
No.7「なに?」
シオン「他の《凶宴-CARD》についてだ」
No.7「ああ!」
シオン「誰か――」
シオン「居場所を知ってる奴はいないか?」
No.7「んー……」
少し考え――
No.7「一人なら分かるよ!」
シオン「本当か?」
No.7「うん!」
そして――
No.7は
セイとヴァンを見る。
No.7「…………ん?」
セイ「なんだよ」
No.7「ていうか――」
No.7「今はセイとヴァンだっけ?」
セイ「ああ」
No.7「二人とも気づいてないの?」
セイ「…………は?」
ヴァン「…………?」
No.7「ほら!」
No.7が――
壁を指差す。
三人が
そちらを見る。
そこには――
一枚のポスター。
派手な衣装。
濃い化粧。
奇抜な髪型。
ステージに立つ――
ヴィジュアル系バンド。
シオン「…………?」
セイ「…………」
ヴァン「…………」
No.7「この人!」
No.7が指差したのは――
バンドの後方。
ドラムセットの前に座る男。
セイ「…………?」
ヴァン「…………」
No.7「このバンドの――」
No.7「ドラム!」
No.7「こいつがNo.8だよ!」
シオン「…………!」
セイ「は!?」
ヴァン「…………?」
二人は――
同時にポスターへ目を凝らす。
セイ「…………」
ヴァン「…………」
セイ「…………あ」
ヴァン「…………」
セイ「ほんとだ!!」
ヴァン「…………No.8だな」
シオン「…………」
セイ「全然気づかなかった……」
ヴァン「ああ」
No.7「あははは!」
No.7「二人とも――」
No.7「昨日からここにいたのに!」
セイ「いや――」
セイ「だってカジノだぞ!?」
シオン「…………」
セイ「見るとこ他にいっぱいあるだろ!」
シオン「お前ら――」
セイ「…………?」
ヴァン「…………?」
シオン「やっぱり――」
シオン「ただ遊んでただけじゃないか!!」
セイ「…………」
ヴァン「…………」
セイ「いや――」
セイ「ちゃんとNo.7も探してただろ!」
シオン「俺がな!!」
No.7「あはははは!」
ヴァン「結果的には――」
ヴァン「見つかった」
シオン「お前が言うな!!」
セイ「あははは!」
No.7「あははは!」
シオン「…………ったく」
シオンは――
もう一度ポスターを見る。
派手な衣装。
濃い化粧。
その後ろで――
ドラムスティックを握る男。
No.8。
シオン「…………」
また――
次の数字。
A。
2。
3。
4。
5。
6。
7。
そして――
8。
ここまで――
まるで順番に並べられているように。
シオン「…………」
だが――
そんなはずはない。
ただの――
偶然だ。
◇
――同刻。
どこか――
遠く離れた場所。
四つの影が
一堂に会していた。
「七枚目まで――」
静かな声が響く。
「弾かれたか」
「…………」
「No.A」
「No.2」
「No.3」
「No.4」
「No.5」
「No.6」
そして――
「No.7」
「まさか――」
僅かな沈黙。
「ここまでやるとはな」
「シオン・アルヴェリアか」
「ああ」
「アルヴェリアの生き残りが――」
「まさか本当に――」
「ここまで来るかもしれないな」
「まさか」
別の声が――
それを遮る。
「ありえない」
「なぜそう言い切れる?」
「決まっている」
僅かな沈黙。
「キングがいる」
「…………」
「奴がいる限り――」
「ここまで辿り着くことはない」
「…………」
「そうか」
「なら――」
「見届けるとしよう」
「シオン・アルヴェリア」
「お前が――」
「どこまで」
「カードを弾けるのか」




