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ヒューマンドラマ、文学など

熱夏

作者: 荒野ヒロ

 静かな夏


 騒々しいのは


 道路を走る 車の音だけ


 季節を問わず


 車だけは走りつづけている




 夏になれば


 国道を走る車の音すら


 かき消していた


 多くのせみの音が


 いまは車に かき消されている


 あまりの暑さに


 蝉たちも声高に


 夏を迎える気分ではないらしい




 暑い夏


 近所の公園から 人影が消えた


 夏休みのこどもたちの姿はなく


 彼らの元気な声も姿も


 失われてしまった


 陽射しをあびた 鉄棒やブランコが


 夏の熱気を静かにためこみながら


 こどもたちが戻るのを待っている




 こんな暑い日に


 表を歩いてみれば


 肌に突き刺さる 陽射しと熱気


 これからは 頭の上に氷を乗せて


 歩いていくしかない


 そんな冗談みたいな光景を思い浮かべ


 役に立たない携帯扇風機ハンディーファンを回す




 こどものころに


 あんなにも楽しみにしていた夏休み



 わたしたちの住む世界は


 どんな変化をしていくのだろう



 蝉に尋ねてみても


 彼らは熱いアスファルトの上で


 寝転がっているだけ



 だれも彼らのことを気にせず


 見向きもしない



 小さな亡骸なきがらの上に


 灼熱の太陽が 青ざめながら


 地球を見下ろしている

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