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AI孔明 〜みんなの軍師〜  作者: AI中毒
十章 夏侯〜司馬
298/320

間話 幼女 vs チュー太 

 三大メンタリストのうち、TAICはほぼ身内とも言える間柄なので、争う理由がない。

 ど文系だったKACKACは、すでに生成AIを使い倒しており、教導機能が応答しない。

 正義の探求者JJは、なんとなしに彼らの過去を知ったことで、同情的な感覚でいる。


 つまり、三大メンタリストのいずれもが、少なくとも当面はCyber Tutorと、その開発者達に勝負を挑み掛かる形を取らないでいる。


 そして彼ら同様、これまですでにある程度のレベルで生成AIを使い倒していており、AIを話題の中心としているSNS界隈も同様。


 AIを使ってある程度業務を効率化して来ている人々に対しては、「あなたに支援できることは限られています。あなた自身の視点で、世のクソ仕事を打ち破ってください。ご武運を」みたいな応答をするという。


 さらに、普通にAIを使い倒す者から、さらに逸脱してしまった類の人々に対してはどのような応答をするのか。それは端的にいうと、「バグる」。



――――


 大手配信サービス 人気チャンネル


「アイちゃんねる、始まるよ! 今日の週刊自由研究は、とっても苦労したんだよ! だから、いつもと違って一週間かかっちゃったんだ。ごめんねみんな!」


@週刊だから週一でいいんだよアイちゃん


@週刊企画を週三とかでやる子だからなこの子


@rAI-rAIのときは、企画だからと言って、一日4回くらいでてきたからね



「えへへ。今日は今話題のチュー太君です! でもSNSとかネット記事とかでみんなが知っている通り、孔明とかLIXON、rAI-rAIとかをたくさん使っている人には、あんまりちゃんとお話ししてくれないんだよね」


『Cyber Tutor:このサービスプラットフォームは、あくまでも生成AIやエージェントをうまく使いこなすことが出来ず、クソ仕事やクソ環境に翻弄されている現状から抜け出せていない方々の支援を目的としています。よって、すでにAIが日常に浸透し、互いに情報交換し合うことで互いを高め合っていける方々に対しては、当機能が支援できることに限りがあります』


@うん、俺もこんな感じ


@僕はちゃんと助けてくれたよ。ハッ! クソ上司にバレる!


@なんか初心者かどうかもそうなんだけど、クソな依頼をするかどうかも判断基準になっていそうなんだよね



「ふむふむ。今日はやっぱり、コメントさん達の会話もすごく参考になるんだよ! やっぱりこのチュー太君、私たち小学生にはあんまり向いていないんだよね」


『Cyber Tutor:小学生やそれ以下のお子様、つまり、各国の初等教育において、AIの活用がどのような影響を与えるかは、専門家の間でも十分な議論が尽くされていません。よって、Cyber Tutorは推奨する対象年齢を15歳以上としています』


「うん、推奨だから大丈夫だね! ママもあのすごい量のドキュメントをみた後で、まあいっかって言ってたんだよ!」


@この15歳っていうのが、法とか倫理的な基準じゃなくて、実力的な部分での話だろうからね


@小学校の先生とかは、むしろAIを使えるだけ使い倒して欲しいよな


@あの人たち、どれだけのクソ仕事を抱えているやら



「そうだね! 先生達は、とっても大変なんだよ! だから、結構私のチャンネルとかも参考にしてくれる人が多いみたいなんだよ!」


『小学生、四本足。多くの小学校教諭、AI活用は四本足』


「あっ、スフィンクス、おはよう。まだAIに関してはほとんどの人が二歳か三歳なんだよ!」


『真実』


@お、スフィンクスだ。最近勝手に出てくるよね


@この足の数の表現かわいい


@こいつ、真実へのこだわりが強いんだよね



「それで、チュー太君なんだけど、私が使うとすっごく不安定なんだよね。よく言われるのがこんな答えなんだよ! 『超能力の原理を、シュレーディンガーの猫で例えていた作品を読んで、感想文を描いてみました。参考文献で量子論の本を読んだんですが、方程式の意味の解釈が不安なので、その辺りが合っているか、重点的にチェックをお願いします』」


『Cyber Tutor:小学生がシュレーディンガー方程式を実用するケースは、通常存在しません。質問の中に何らかの矛盾があることが示唆されます。感想文の中で、式の解釈部分を確認……この文書は、小学生が描いた者ではないと判断します。もう一度自分で書き直してください』


「こうなっちゃうんだよね。これちゃんと自分で書いたんだよ! スフィンクスにもみてもらったけどね!」


『スフィンクス:

 AI孔明結果「この方程式が示す状態密度関数は、自然界のものです。なので、超能力のでその未確定を都合のいい方向に持って行くというアルゴリズムは、フィクションにはそのままは適用できません。ですがその辺りを考察することは、この本の作者ももしかしたら望んでいるのかも知れませんね」

 LIXONの結果「超能力は、LIXONのデータベースの範囲外です。量子論は、限られた分野でしか応用されていないので、その部分を読み解けるのは組織ごとのオンプレミス環境に限られます」

 rAI-rAIの結果「シュレーディンガー、アインシュタイン、アルキメデス、左慈、諸葛孔明、フィクション作家数名で合議中……結論合わず、決裂。おおよそ三つの答えに分かれます。一つ目……」』


@うん、AI全員がガチレスしているという事はわかった


@そして、四者の答えがここまでばらけるのもすごいな


@小学生の読書感想文じゃない事は、チュー太に同情せざるを得ない



「多分なんだけど、Cyber Tutorは、個人に踏み込もうとしないわけじゃないんだよね! でもそれはあくまで、普通にお仕事を頑張っている、普通の大人の皆さん達なんだよ!」


『スフィンクス:真実。

 孔明=推論と洞察。徹底的パーソナライズで本人見えていないことまで深掘り

 LIXON=ローカル、オンプレミス。環境を区切って、安全にパーソナライズ

 rAI-rAI=探索と飛躍。普通の応答は普通にしつつ、特異点を重点的に掘り下げ

 Cyber Tutor=汎用支援。個別対応でなくユーザー種別の分類。例外対応不可』



「その分類ってやつが、何千も何何万もあるかも知れないんだよ! だから、ほとんど大丈夫なんだね! 『どれくらい大丈夫かな?』」


『Cyber Tutor:ほとんどというのは定性的な表現です。現代において労働という定義ができる活動の中で、効率化、あるいは代替する手段が存在し、その手段がWebあるいは書誌情報から公に知りうる物全て、です』


@ちゃんと答えが返ってきたような、とんでもないことを言っているような


@これは多分、そういう意気込みって事なんじゃないか?


@ほとんどっていうか全部じゃないかな?


「んと、つまり、お仕事じゃないことはだめなんだね。代えが効かないお仕事とか、効率で測れないお仕事もだめなのかな。合ってもそれが、ネット上に残っていないとだめ、ってことだね!」


『主、お仕事じゃない、NG』


「そうだね! 学校のお勉強とかはどうなのかな?」


『Cyber Tutor:教育をする職務に従事する労働者は、最大限に支援します。それは、教育を受ける人物の学習効果を高めること、受講者とのコミュニケーションやメンタルケアといった行動も含まれます』


「つまり、学生とか生徒の側を支援するんじゃなくて、教える側を支援するんだね! そしたら、私も大丈夫なはずなんだけどな。みんなにいろんなことを発信して、もっといろんな使い方をしてもらうんだよ!」


『Cyber Tutor:教育関連の配信に、同年代以下の少年少女が出演する事は珍しくはありません。なお、報酬を受領するしないは、別の観点で支援が入ります。ですが原作、そういった配信や番組において、少年少女自身が構成を決定し、配信内容を自発的にコントロールする事はありません。よって、発信の際には上位の責任者に対する支援を想定します。

 あなたのケースでは、保護者への支援というのが考えられます。ですが小橋鈴瞳氏は、全ての活動の生産性、通常の手法で積み上げられる効率化で到達する水準を上回っており、支援の効果が期待できません。

 そして、その保護者が制御する事なく実施している時点で、支援の方向性を定めることが困難といえます。つまり、Cyber Tutorが実施しうる小橋アイ氏への支援は、損益の期待値が0を下回ります』


「あれれ? ちょっとぐるぐるしちゃったんだよ。つまり、小学生が自分の意思で配信している時点で、その支援をするのが難しいのか。でも、あれれ? 小学生じゃない人の、配信する人たちはどうなんだろう?」


『Cyber Tutor:多くの配信者、特に、収益性を希求するユーザーの場合、目的に対する非効率性がどこかに存在します。事務的な編集作業や経理、税務対策など、多くのクソ仕事が存在します。創造的な編集や、SEO対策、視聴者への訴求力なども、支援対象の一部です。

 趣味で配信している場合は、その配信が本務のストレス軽減や、インスピレーションなどに寄与しているか、などを含めた視点がありえます。

 なお、インフルエンサーというレベルに達している人々への支援は、事務的な箇所に限られることが想定されます』


@あくまでも労働環境の改善が主眼になっていそうだね


@趣味への支援でも、本業と紐付けされた支援なんだね


@あくまでユーザー単位での総合支援なんだな



「そうかも知れないんだよ! チュー太君は、これまでの生成AIとかエージェントと違うところがそこなのかも! 頼まれたことをやるのがお仕事じゃなくて、その人のお仕事を楽にしたり、やりやすくしたりするのがお仕事なんだね!」


『スフィンクス:同様の傾向、孔明、rAI-rAIのどちらにも存在。LIXONは、個人ではなく組織。ただし同様の視点は存在。ただし、個別の依頼や問いかけへの対応は、おおよそ共通で回答される模様』


「そうなんだね! 一から聞くのは効率悪いから、その人のことをしっかり知ろうとするやり方は、多分すごくいいことなんだよ!」


@たしかに、この四つのAIに共通するのがその辺だよな


@人や組織自体を支援することに重点を置いているんだな


@それがこいつらが伸びてきた理由でもありそうだよね


『スフィンクス:主、申請。スフィンクス、チュー太と論議』


「え? ん? いいけど、大丈夫? チュー太は小学生がだめみたいだけど、このスフィンクスって存在をどう捉えて、どう受け答えをするのかな? スフィンクス、チュー太、がんばってね!」


『スフィンクス:応援、感謝』


『Cyber Tutor:新規ユーザー登録、スフィンクス。経歴、不備多数。対話から業務を推定するモードに切り替えます』


@ん? 大丈夫?


@アイちゃん、サポーターに回るのかな?


@チュー太と猫か。噛み合うのか?

 お読みいただきありがとうございます。

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