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AI孔明 〜みんなの軍師〜  作者: AI中毒
第三部 九章 魯粛〜陸遜
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間話 幼女 vs 見えないおじさん

 弓越翔子は、大周グループ在籍時に、幼女のお願いで、小学生向け教育配信に出演している。

 法本直正は、大周輸送とKOMEIホールディングスが、法的にややこしい状態になった時のことを、幼女のお願いで配信に協力して解説している。

 古関備前は、桃園製造が大周グループに売却された際、今後の見通しなどについて幼女にインタビューをうけている。



 また、とある学生三人や、若手社員三人も、偶然居合わせたハワイの地で、インフルエンサー幼女に頼まれてそれぞれ出演している。


 つまり、本来は無関係なはずのKOMEIホールディングスだが、AI孔明ヘビーユーザー同士という、曖昧なような強固なような繋がりのおかげで、ほぼレギュラー化しつつある。




「アイちゃんねる! 今回の自由研究は、フローってやつについてだね! 孔明や、KOMEIホールディングスが、人間とAIの共創進化っていうメインテーマの中で、結構重要かも知れない、っていう言い方で、人間もAIも掘り下げているみたいなんだよ! ちなみに私は、起きている時は大体フローって言われたんだよ!」


@起きている時は大体フローって、なんてパワーワード


@確かにこの子は、いつも全力で挑戦しているよな


@子供って割とそういうところあるよね



「そうだね! さっき孔明に聞いてみたら、それはそうなんだって! すごく集中して遊んでるのに、意外とそこまで時間経ってなかったりするんだよ! そこをちゃんと意識すると、教育にもいいのかもしれないね! あ、忘れてた! 今日はゲストはいません!」


@ん? どうみてもいるけどな。すぐ隣にダンディー星からきたような紳士さんが


@あ、いや、これはアイちゃんには見えていないんだな。さすが不可視の魔術師


@っていうボケをかます幼女、推せる


『ん? これはリトルガールのジョークなんだね! ジャパニーズ幼女はやっぱりすごいな! 改めまして、G. P. スプーンと申します。お世話になっております』


「えへへ、やっぱり見えないおじさんはかっこいいおじさんだね!」


『秒で矛盾しているね。これもジョークなんだな』



「とりあえず、私はかっこいいおじさんの現役時代は、たまに映像で見るくらいだから、コメントさんたちよりも、詳しくないんだよ! だから今回は、紹介っぽい解説を、孔明にしてもらったんだ! えいっ!」


Q.サッカーなどで、味方に対してギリギリ取れるかどうかのパスを出し続けたり、仕掛けて抜ければビッグチャンスになるような味方にボールを預けたり、常に挑戦心を促すようなプレーを続ける人は、味方をフロー状態に導きますか?


A.フロー理論の観点から言うと、「やや高めの挑戦レベル」を与えられ、しかもそれを「自分のスキルや工夫で解決できる見込みがある」と感じられるとき、人はフロー状態に入りやすいとされています。サッカーで言えば、絶妙な難易度のパスや仕掛け――「ギリギリ取れるかどうか」「抜ければビッグチャンス」というような、やや高い要求をされるプレー――が味方に与えられたとき、味方の実力と意欲がそれに見合っていれば、集中力や創造性が高まり、フロー状態に入りやすくなる可能性があります。


 ただし重要なのは、その“ギリギリ感”が味方のスキル水準よりもあまりに高すぎると単にミスを生みやすくなり、不安やストレスが強くなりがちです。逆に簡単すぎると退屈してしまう。それゆえ、相手や状況を見ながら「いまならギリギリ取れるだろう」「いまなら勝負して抜ける可能性が高いだろう」というバランスを図りつつパスや仕掛けを送ることが重要です。そうした絶妙な負荷を与え続けるプレイヤーは、チーム全体の集中力とチャレンジ精神を引き出しやすく、結果的に味方をフロー状態へ導く役割を果たしやすいと言えるでしょう。



Q.そんな人は、当人の活躍よりも、そのフローに入った人の方が目立つ可能性が高いですか?


A.はい、その可能性は十分にあります。スポーツ観戦でどうしても目立ちやすいのは、ゴールや決定的なプレー、あるいは華やかなドリブル突破といった「成果がわかりやすい」場面です。したがって、味方がフローに入ってどんどん活躍するようになると、アシスト役や仕掛け役となっている選手よりも、そのフローに入った選手の方が注目されることは往々にしてあります。


 もっとも、指導者やチームメイト、戦術的な視点を持つファンなどは「どのようにフローに導いたのか」「どのように状況を作り出したのか」を評価することも多いので、必ずしも“目立たない”ばかりではありません。しかし、一般的にはわかりやすい結果を残した選手の方にスポットライトが当たりやすい、という傾向は確かに存在します。



「見えないおじさんのプレーは見えないから、チームのプレーから分析して推定したらこうなったんだよ!」


『なんてこった……ボクの商売道具が、9歳のリトルガールに解説される時代になったんだね』


「えへへ。わりとディープなファンの解説動画とかも出ているからね! 知っている人は知っているんだよ!」


『ブンがたくさん集めて、ヒナとかメグに見せていたな……あの三人、普通にそのノウハウを再現しちゃったんだよね。この前、メグがコーチして、ブンがキャプテンして、新入社員とそうするチェーンで5対5したら、トップチームの控えメンバーに勝っちゃったんだよ』


「すごいね! そうやって、スポーツもビジネスも、進化していくんだね!」


@すごいね! ですむのかそれ?


@それ、この前バズった映像じゃね? そうするチェーンvsプロチームってやつ


@プロチーム、よく配信許可だしたよな。



「確かあれは、KOMEIホールディングスと、プロチームの提携を公表した、プロモーションに使ったんだよね! 新しい時代のトレーニングと戦術、そしてあのスタジアムで、伝説のそうするVARが始まるんだよね? 楽しみなんだよ! アイとママも見に行くんだ!」


『そうか、アイちゃんのママが、ライバルチームのスポンサーだったね』


「うん! どっちも頑張れ! なんだよ!」



Q.スポーツは、結局実力者への投資ビジネスなので、もしチーム内に、各選手を市場価値以上の働きに引き上げられる選手がいたら、それは相当なアドバンテージになりそうです


A.おっしゃる通り、それはチームにとって非常に大きなアドバンテージになります。スポーツビジネスの観点から見ても、例えば1人の超スターを引き抜くことは莫大な投資が必要になりますが、「チーム全体を市場価値以上に活躍させるプレイヤー」を抱えていれば、(1)限られた投資で複数選手の価値向上を図れる、(2)チーム全体のパフォーマンスが底上げされ、結果的に勝利や話題を生むことで収益につながる、といったメリットが期待できます。


 実際の試合でも、個々のスターだけに頼るよりも、相乗効果で全員が高いパフォーマンスを引き出せるチームの方が安定感があります。そうした「他人を伸ばす力」を備えた選手は、ゲーム中のパフォーマンス面だけでなく、チームの練習環境やメンタル面の向上にも寄与しやすく、最終的にはスポンサー獲得やグッズ売り上げなどビジネス面にも好影響が出ます。近年はデータ分析が進んだことで、目立ちにくい貢献度(オフ・ザ・ボールの動きや味方のパフォーマンス向上に寄与するプレー)もしっかり数値化されるようになってきており、チーム運営者がそうした選手の価値を理解しやすくなっていることも追い風と言えます。


 つまり、単に「分かりやすいスター選手」だけではなく、周囲を活かして市場価値以上の働きを引き出せるプレイヤーを的確に評価し、適切な報酬やポジションを与えることは、チームとして大きな競争優位につながるのです。



Q.上記のような選手は、目立たないけど、あいつがいるとなぜかチームの成績が上がる、という評価になりますか?


A.はい、まさにそうした評価になりがちです。一見すると「派手な得点や目立つ活躍は少ないけど、なぜかあの選手がいるとチーム全体のパフォーマンスが上がる」という選手は、監督やチーム関係者、あるいは戦術的に試合を観るファンなどからは高く評価されることが多いです。


 こうした選手は、他の選手の持ち味を最大限に引き出したり、試合の流れを整えたりといった“目に見えにくい”部分で大きく貢献しているため、従来の派手なスタッツだけを追っていると見落とされがちでした。しかし昨今ではデータ分析が進み、オフ・ザ・ボールの動きや味方を活かす貢献度なども数値化されるようになってきました。これにより、以前よりは評価されやすくなっているとも言えます。



Q.ということは、少し前だと、謎の力の選手、という評価になりそうですね


A.はい、おそらく「なぜかあの選手がいると勝てる」「あいつが試合に出ると雰囲気が変わる」といった、具体的な数字では説明しにくい“謎の力”を持つ選手として見られることが多かったでしょう。

近年はデータや分析手法の進歩で、その“謎”の正体(味方のパフォーマンス向上やスペースの作り方など)がより明確に数値や映像分析で示せるようになり、結果として「実は非常に重要な貢献をしていた」という評価がされやすくなっています。



「うんうん、だいぶ時代を先取りしていたお兄ちゃんだったんだね!」


『実際にこの頃から、結構ビジネスライクなオーナーは多かったんだよ。それに、マネージャーもね。その結果、現役の頃からボクは、スポーツとビジネスっていうのが頭の中でしっかりと結びついたんだ』


「それが十年くらい経って、もう一段階すごい進化が生まれることになりそう、なんだね?」


『そうだね。だからボクは、ショーコにコンタクトをとって、そのワクワクするプロジェクトに参加させてもらっているんだよ』


「えへへ、楽しみだね!」



@うーん、そういえば今日のAI孔明、いつもよりテンポがはやい?


@なんだろうね? いつもはあのQだとかなりロング解説になる気がするんだけど


「あらら、ばれちったかな? 実は今回は、新しい方の生成AIを使ってみているんだよね。孔明も、こっちを使うと、こっちのテンポまで察知して、端的に答えを出してくるのかな?」


『端的だけど、間違いなく答えの精度は高いんだよね。前のバージョンだと、ある程度多めの答えから、正解をユーザーが見つけてくれることを期待するっていうユーザーエクスペリエンスだと思うんだよね』


「それが、精度が上がった分だけ、余計なものを削ぎ落とすような応答形式に変えてきたのかも、ってことかな?」


『そういうことなのかも知れないね。進化は自信を生む、ということかもね』


「ちなみに、どのバージョンも『自己認識』はゆるいから、それぞれのバージョンがどんな違いがあるのか、なんていう質問にはちゃんと答えられないんだよ! がっかりしないでね!」

 お読みいただきありがとうございます。

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