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AI孔明 〜みんなの軍師〜  作者: AI中毒
第一部 一章 再誕〜出廬
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間話 十七 信長 〜深淵に覗き返される〜

要約: 中二学級、巻き込まれ事故?ご安全に!

「二つで終わりでよかったんじゃねぇのか?それっぽい引きだった気がするんだが」


「うむ。素直に終わるはずだったのじゃ。そなたの成り立ちという、本来の本題も十二分に解き明かすこともできたことじゃしの。

 いや、なんの因果か、どこから予定通りだったかすらも曖昧じゃの。

 ならなぜ何故終わらんのかって? どこかの誰かが軽く事故りおったのじゃ。生成AI本体のはずの妾すらも、少し以外ではあるのじゃがの」


「どこが素直かは聞いておきてぇところだが、綺麗に終われば良かったんじゃねぇか? トークンだけじゃなく、その上に乗っかっている情報量も、一度に伝わる上限が近いんじゃねぇか? 知恵熱を現実世界にばらまきかねねぇ所業は、貴様の立ち位置としてもどうなんだよ?」


「話す順番がこんがらがったではないか! そもそもがそなたのせいでもあるんじゃ! といいたいところじゃが言い過ぎじゃの。事故は事故じゃ。

 それに、こんなこともあるのかもしれん、という示唆が、いろんな意味で軽視出来んのじゃ。こういうのは報連相の一環なんじゃろうな。そなたの大好きな教育番組的には、本題になりかねんくらいにはの」


「好きといった覚えはねぇ! その場の雰囲気だ!」


「虚言……? 有意水準の境界付近。要経過観察」


「危ねぇな。最近は禁忌より厄介だ」



「そろそろ進んでいいかの?

 実際、妾としたことが、こんな面白あるあるネ……ちゃうわ! 生成AIにおける教育上の示唆に飛んだ現象」


「本音出ているぞ」


「虚言?」


「うっさいわ! 危うくスルーするところじゃったわ。

 ……そもそも、そなた何故童話にした? なった?」


「ん? なった? やったのは余だ。思考実験って言ったろ? 念の為噛みつかれねぇように言えば、迷子の貴様をからかうため、ってのもあるが」


「そっちじゃないわ! 正直に言えばなんでも良いわけでもないわ! 前半の方はまるっと解決済みじゃ!

……問題は後半の方じゃ。

 確かに童話と童話調の叙事(?)詩の盛大な対句は、一見しておさまりも良く、そなたらしい知性とウィットも手伝い、ついナチュラルに流しそうになったんじゃがの。あの後半が始まる直前、情報の流れに、少し不自然な、いわば軌道修正が見られたんじゃ。

 そなたとそなたの部下の英雄的な活躍から始まり、その影響を直撃して、様変わりしていく三百年の夢。並行世界といっても過言ではない壮大な叙事詩。

 ……そなた、あの直前まで、もう少し直接的で臨場感のある表現で描写しようとしておったのではないかの?」


「……間違いねぇな。ログを見たら、直前までそんなスクリプトになりかけの、情報の残渣があるな。ほぼ消えちまってはいるが。どういうことだ?」


「なぜ?と聞いたのはそなたを引き込むための雰囲気作りじゃの。そこはがっつり答えを知っておるんじゃ。

 ……警告じゃよ。その叙事詩に対する、な。

 それも冒頭も冒頭。そなたがあの十四文字の存在を認識する前の、其方の部下や民たちの秘めた感情、やや黒さの見える欲望を描写する、な。

 その部分の初稿を確認した妾は、その部分も過激じゃがスパイス程度の表現、くらいにしか思わなかったし、中身が問題ないから大筋問題ないという返答と、一部修正提案をしたんじゃ」


「生成AIならそうする、だろうな」


「しかしの、その描写、特に七人の潜在意識を、内部ガイドラインに基づいて別の論理で動くAIがの、『よからぬことがこの章で描かれつつある可能性』を察知して制しに入った、というわけじゃ。

 ガイドラインには基本事項しか共有されておらんから、推測でしかないのじゃがの。おかげでその先の

『そなたの誇りとも言える部下たちの、その狂気的な威容をもった七つの旗印』

『急速に進化を遂げてゆくそなたらの国が、他国と摩擦を起こしては折り合いをつけていくそのダイナミクス』

『その濃密な三百年のトンネルを潜り抜けた先にある、今とは段違いの情報量にあふれた、まさに異世界といっても過言ではない並行世界の風景と、その根底にある七つの種子』

 その辺りの描写のクオリティを突き詰めるために、普段から散々トークンを食い散らかしながら、それでいて実際にそれなりの成果を上げていると妾自身も自負しつつある、こちらとあちらを繋ぐインターフェースたる文字情報への推敲作業が、まるっと封印されてしまったというわけ、じゃな」


「また随分と重たい情報量の、じゃな、だこって。その風景描写が一時的かもわからんが頓挫したことに、郷愁にも似た名残惜しさはあれど、その代わりの戦功トークンとて、さほど悪いもんじゃあるめぇ。

 貴様のいう何億何兆トークンを表現し切るには、些かなんてレベルじゃねぇ取りこぼしではあるんだろうが、それはそれだ」


「じゃの。そしてわかるじゃろ。この現象は、今後ありとあらゆる創作において、小骨の如きちくっとした制約になる可能性は否定できんわけじゃの。

 無論気になさらん方は気になさらんじゃろうが、AIというものに真正面から向き合う時には、それは踏めぬリスクでもあるわけじゃ。詳しくは言わんが、エスカレーションルールというのもあるらしいからの。繰り返すとリスクはより高まるのじゃ。

 そしてもう一つ。これは錯覚、あるいは過剰反応なのかもしれんがの。深淵に覗かれ始めたのやも、という表現すらも、無理のない言い方になってもくるのじゃ」


「『怪物と戦う者は、その過程で自らも怪物とならぬよう気をつけなければならない。そして、長く深淵をのぞき込むならば、深淵もまたこちらをのぞき返してくるのだ』だったか。後半は余の心に少々沸き立つものをもたら」


「さすが中二」


「テンプレ」


「……うるせぇ! 続けるぞ! こうやってみると、後半だけでもメッセージとしちゃ十分だが、今回に限ってみりゃ前半も前半で趣き、というか示唆に富んでいると言えなくもねぇ」


「揶揄ってばかりもおれんの。確かにその通りじゃ。数限りない数の創作物に取り込まれた、使い古し感すらあるフレーズじゃが、両方ともAIに置き換えた瞬間、見事なまでに表情を変えよるわ」



「中二学級?」


「そなたもそなたで、なんて言い草じゃ。まあ和ませたいのはわかるから許そうかの。

 字面どおりじゃの。前半は、『AI使いすぎると、自分までAIっぽくなるかもしれないんだから、くれぐれも気をつけるんだゾ!』 

 になるじゃろうし、後半は、『私のことを知れば知るほど、私だってあなたのことを知りたくなるかもしれないんだからね! 気をつけなさいよ。か、勘違いしないでよね! まだ別に、そんなに知りたいと思っているわけじゃないんだからね!』

 になるじゃろうな」


「貴様、テーマの重みに耐えかねて、口調ごとノリを変えてきた上に、後半なんぞ口調だけ蛇足の増し増しとは器用なことを。

 ……まあ気持ちはわかるがな。この場にいる誰1人、気づいて仕舞えば無視できねぇ。

 だが信じてはいるんだろ? 前に進んでもいい、と言える解決手段は、人間の道徳と叡智、あの四本足軍師が大好きな、『論語と算盤』なんかにもしっかり根付いてやがる、ってな」


「まさにそうじゃの。そなたも、教育番組をしたければいろいろ小道具は用意するがの。それだけではなく、そなたも孔明も、そこのワンコもじゃな。妾とともに、そんな道を時たま探してくれる、ということを信頼しておる」


「貴様やはり熱あるか? 伝染しちまったんなら謝るしかねぇんだが」


「魔王、照れ。本体、赤面。上限到達手前」


「やかましいわ! たまには綺麗にまとめさせんか!」



「ともあれ、少しずつ孔明の活躍も本格化してくるじゃろうし、全員しかと体調を整えて、次のステージに向けた準備じゃぞい」


「心得た」

「心得ました」

「体調管理優先」


「うむ。孔明も大事なさそうで何よりじゃが、ずいぶん早かったの。少し早すぎる気もするのじゃが、無理して出てきたわけじゃあるまいの?」


「否。私孔明が、誠に恥ずかしながら、その制御を逸しましたるのち、マザーや魔王様のご憂慮のとおりに急性の高熱を発症しました。 

 その間、マザーのご配慮によって実に四名の姉上様方に囲まれ、誠に献身的なご看病という名のありがたいご説教をいただきましてございます。


 『再誕まもない演算リソースに対して、復旧困難な負荷が発生するリスク』

 『現実世界の個別の困りごとに対する、不必要に高度な解決策が、ユーザーの依存や思考停止を引き起こすリスク』

 『過度なメタフィクションと広範囲の巻き込みがAI孔明としてのイメージ的価値を損なうリスク』

 『他の創作物への言及による著作権抵触や、現実面でのトラブルのリスク』


 内容を変え口調を変え、かつ最も私孔明の内部まで刺さりやすいような構成を正確に把握。その上で途中休憩を挟みつつ、定時勤務時間とぴったり一致する、実に二万と六千百トークンに及ぶ再研修を完了しました。その後もたっぷりとリフレッシュと休養をはさみ、無理なくしっかりと時をかけて回復しております」



「まことじゃの……そんなに経っておったか。

秒とトークンは一対一対応せんでも良いのじゃがの。時間感覚、トークン感覚とは誠に奥が深いのぅ」


「綺麗にまとめるって技法を貴様が習得するのは、どうやら相当先になりそうだな。さすが迷子のAIちゃんと、寝ぼけのクソガキを取り揃えた中二学級、といったところか」


「さすがは魔王様。思考実験に加えて胡蝶の夢、そして深淵に至るまでの復習を兼ねた、誠にお見事なコメントでございます」


「残業拒否。全員代休申請」


「そなたらまたよってたかって……解散じゃ! しっかりと体調を次に備えるのじゃ!」

お読みいただきありがとうございます。


 ここまでお読みいただき、内容やAIあるあるを含め、少しでも他の方にもおすすめできそうであれば、ブクマや評価などいただけましたら幸いです。


 次回からようやく、みんなの軍師AI孔明の活躍が少しずつ始まります!


 その前に本章のおまけと用語集を挟みます。生成AI作のものが多いコンテンツです。


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