間話 幼女vsアバター 〜あの会見の舞台裏〜 後半
小橋鈴瞳、弓越翔子、法本直正、飛鳥豪徳。それぞれの意思決定や、それに必要な議論が早すぎて、社会が把握できない問題をどう解決するか。そんな課題を、会見配信という形で解決してしまうのが、令和型企業のやり方の一つになり得るかもしれない。だが、それをさらに幼女が、トレースした会見動画を生配信するような世の中が来るか、は未知数としかいえない。
――アイちゃんねる 後半――
「アイちゃんねる! 今日の自由研究のテーマは、合法サイコパスお兄さんのほっぺは本物でした! じゃなかった。あの伝説のKOMEI会見の裏側を、一番ちゃんと説明してくれそうなお兄さんに直撃! なんだよ!」
「アイちゃん様、いきなり捻りのない一句で、前半を締めたけど大丈夫ですか? それをしっかり補う感じで後半入ってきましたけど」
@大丈夫かどうかをこの子に聞いて、大丈夫じゃないって言う返答は存在しないんだ
@心配ならサイコパス君が商標とっとけば、未成年に使用NGできるぜ
@家庭の教育方針に突っ込むのは野暮なんだぜ
「大丈夫だよ! ママも最近教育方針? はじぎゃくネタで使ってるみたいだし!」
「大丈夫と言う言葉が、五体満足くらいの地位まで下がってきていますね」
「よし、後半は、結構たくさん試したから、尺が不安なんだよ? だからどんどんいくね!
『①大周輸送トップ小橋鈴瞳。そのコンサル系子会社で、②とあるメーカーに出港している社長、弓越翔子、そして合法サイコパス、法本直正。
前者二人の結論が、①が独自AIであるLIXONを開発中の中、②が大きく業態を変更し、世界で名を馳せるAI孔明の法人母体となると、競争法的リスクを伴うということ。
それに対して法本は、みずから②に加入し、監査法人兼、人材系コンサルとして事業を立ち上げ、さらに翔子を②に移籍させることを提案します。
これ自体で法的な問題を解決できますが、この合意に関する討議を、秘密裏ではなく、公開状態でおこなう、ということには問題は発生しますか?』
さすがに、私もいきなりこんなやつは聞いてないんだよ? 何往復もしてから、違う宿題の話とかを間に挟んじゃったから、一回前の方のやつをまとめ直さないといけなかったんだよね」
@いきなりじゃなくても、この前の会見の趣旨と、前半の趣旨をまるっと理解しているのがアイちゃんだってことは理解したよ
@遺伝子、環境に引っ張られている、孔明のスパルタ。三拍子揃って、さらに確変でこうなっているんだよね?
@この先KOMEIHDがどんな進み方をするんだろうね
「それでね、答えはこうだったんだよね。あんまり良くなかったみたいなんだよ。
『このような討議を公開状態で行うことは、適切な配慮がなければ以下のような問題を引き起こす可能性があります。
1. 独占禁止法・競争法に関連するリスク
公開状態で討議を行う場合、競合企業や規制当局からカルテルや協調的行動の疑いをかけられるリスクがあります。例えば、LIXONとAI孔明が市場において競合関係にあることから、公開された議論が「市場分割」や「価格協定」などの共同行動として解釈される 可能性があります。
法本の提案が、弓越翔子の移籍や監査法人の設立などを含むため、これが競争抑制につながる意図と見られる可能性もあり得ます。
2. 秘密情報の漏洩リスク
討議の内容にLIXONやAI孔明の技術・事業計画、あるいは競争戦略が含まれる場合、競合他社への情報漏洩となり、ビジネス上の不利益を被る可能性があります。
特にAI関連事業は特許や知財が重要な競争要素であり、公開討議の中でこれらが明らかになると、模倣や不正使用のリスクが高まります。
3. ステークホルダーへの影響
公開討議が行われると、株主やパートナー企業、顧客が混乱する可能性があります。例えば、LIXONとAI孔明が協調的に動いていると誤解され、競争法違反を疑う声が上がるかもしれません。
一部の発言が誤解されることで、株価の変動や社会的信用の損失を招くリスクもあります。
4. 法的リスクの緩和策
公開討議がどうしても必要な場合、以下の方法を検討することでリスクを最小限に抑えられます。
公開範囲の限定: 討議の一部(例えば、業界全体の方向性や公共的なテーマ)を公開し、競争法リスクのある部分は非公開で行う。
透明性の確保: 討議内容が合法であることを示すため、第三者機関(弁護士や規制当局)の立ち合いやレビューを受ける。
事前の声明発表: 討議の目的が競争促進や法令遵守に基づくものであることを明確に伝え、誤解を避ける。
公開内容の慎重な選定: 特許情報や事業戦略の詳細など機密情報は一切含めない。
結論
公開状態で討議を行うこと自体は法的に禁止されていませんが、競争法上の疑念を招かないよう慎重な配慮が必要です。特に競争市場への影響が大きいAI事業に関する討議であるため、公開討議を行う場合は、第三者の立ち合いや透明性の確保を通じて、法令遵守の姿勢を明確に示すことが重要です』」
「たしかにこれだけだと、いくつか要素が足りませんね。ですが、この合法サイコパスのように法に詳しくない方であれば、ここから入るのは正解と言えるでしょう」
@アイちゃんが最初から正解をひいていたら、逆に法関係者のレベルが問われる、ってことか
@サイコパス君も、アバター面の下で胸を撫で下ろしているかもしれん
@だけど、最初は、だよね? アイちゃんさっき尺の話してたよ?
「えへへっ、そうなんだよね。ここは結構大変だったんだ。尺も大変だから次行くよ! アバター面に見惚れちゃダメなんだよ!
『では、公開討議ではなく、全員がそのごつい内容を理解しているという認識のもとで、会見を行う,という形ではどうですか?』」
@ごつい誤字だ
@これくらい、ごついAIなら通る?
@ごついの多投はちょっと雰囲気と合わんな
「うん、大丈夫だったみたい。大丈夫じゃないこともあるから、そこは返しをちゃんとチェックするんだよ!」
『公開討議ではなく、会見形式で全員が合意済みの内容を発表する形であれば、リスクを大幅に低減できます。ただし、いくつかの点に注意する必要があります。
会見形式のメリット
1.法的リスクの低減
討議そのものを非公開で行い、合意した内容を発表するだけであれば、競争法上の問題を回避しやすくなります。会見の場では、討議の詳細や意思決定プロセスに触れる必要がなく、発表内容を「すでに合意した結果」に限定できるため、透明性とリスク管理が両立します。
2.ステークホルダーへの明確なメッセージ
公開討議ではなく、統一された内容を発表することで、株主や規制当局、顧客に対し、一貫性のあるメッセージを伝えられます。不要な憶測を避け、企業間の協力や競争環境の適正性を強調できます。
3.透明性の確保
会見形式では、第三者に対し、企業が合法的かつ公平に行動している姿勢を示すことができます。必要に応じて、事前に規制当局に内容を報告することで、競争法上の疑念を払拭できます。
注意点
会見形式にする場合でも、以下のポイントに注意してください。
1.会見内容の範囲を明確化
発表内容を討議の結果に限定し、詳細な意思決定プロセスや討議内容には触れないようにします。
特に以下のような情報は慎重に扱います:
LIXONやAI孔明の具体的な事業戦略
価格設定や市場シェアに関する話題
他社の競争環境への影響を暗示する内容
2.規制当局との連携
事前に競争法の専門家に相談し、発表内容が適切であることを確認します。必要に応じて、規制当局に内容を提出し、透明性を確保します。
3.発表のバランス
会見内容は、あくまで業界全体や消費者にとってのメリットを強調する方向で調整します。例えば、「AI孔明の法人化を通じて、業界全体のイノベーションを推進する」といった、競争促進や社会的意義を強調する言葉を使うと良いでしょう。
4.Q&Aセッションの管理
記者会見では、記者から予想外の質問が飛び出す可能性があります。その場合に備え、回答の範囲やトーンを事前に調整しておきます。特に、競争法や利益相反に関する質問には、「適切に法令を遵守している」といった一貫した回答を用意します。
会見形式の流れのイメージ
1.冒頭挨拶
大周輸送(LIXON)の代表者が、今回の取り組みの背景を説明。競争法や業界のイノベーション促進に沿った行動であることを強調。
2.法本直正による合意内容の発表
AI孔明法人化の意義と、それに付随する監査法人および人材系コンサル事業の説明。弓越翔子の移籍について、「業界全体の発展に寄与する決断」として紹介。
3.質疑応答
記者からの質問に対し、「競争法を遵守しつつ、業界全体の発展を目指す」という姿勢を一貫して回答。
結論
会見形式での発表は、適切に準備をすれば、競争法や情報漏洩のリスクを最小限に抑えつつ、透明性を確保できます。ただし、発表内容や質疑応答での表現に注意を払い、規制当局や専門家の助言を受けながら進めることが重要です。この形であれば、業界全体へのプラス効果をアピールしながら、リスク管理も十分に行えます』
「ちょっとこれは普通すぎたから、次のやつも行っちゃうね!
『法本さんの存在により、法的知識に一切の問題がないことは保証されているとしたらどうですか?』」
@いっぺんに普通じゃない会見に様変わり、だね!
@別にさっきのも、幼女や一般人には普通じゃないけど、そこはアイちゃねらーとしては普通なんだよ、うん
@サイコパス君もそこはよく分かっているようで、口を挟まないんだ
「私も、大周輸送のゲートを潜った瞬間から、これまでできていた状況のコントロールが一気に効かなくなりました。それだけあの方々は強力です。その流れを汲んでいるアイちゃん様も、また同様です」
「えへへっ、ママも翔子お姉ちゃんも、大橋お姉ちゃんも面白いからね! それで、答えがこれだよ!
『法本の存在によって法的知識に一切の問題がないことが保証されているのであれば、会見形式はさらに強い信頼性を持つ形で実現可能です。その場合、以下のようなポイントが追加されます。
法本の役割がもたらす強み
1.法的リスクの完全排除
法本が全ての法的知識を網羅しているなら、競争法や利益相反に関するリスクが事前に完全に回避される形で会見内容が準備されます。会見中に予想外の質問が飛び出しても、法本が即座に適切な回答を提示できるため、問題が拡大するリスクがほぼゼロになります。
2.透明性のさらなる向上
会見で「法的リスクを完全に検討済み」という立場を明確にすることで、規制当局や業界関係者に対し、信頼性を強くアピールできます。法本自身が「今回の合意内容が競争法や他の法令に完全に準拠している」と公言するだけで、会見の説得力が飛躍的に高まります。
3.戦略的メリットの強調
法本が持つ圧倒的な法的知識を背景に、「競争法に準拠した上で、業界全体の発展を目指している」というメッセージを打ち出すことで、リーダーシップと社会的意義を同時にアピールできます。
法本が保証する場合の会見の進行例
1. 冒頭説明
法本直正が登壇し、以下を明言します:
「本件は競争法をはじめとする法令に完全準拠しています」「これにより、競争環境を守りつつ業界全体の発展に寄与することを目指します」
例えば:「今回の取り組みは、AI孔明とLIXONという国内外で注目を集めるAIが、それぞれの独立性を維持しながら、業界全体に貢献することを目的としています。そのための法的整備は完了済みであり、規制当局への報告も適切に行っています。」
2. 法的合意内容の発表
法本が具体的な合意内容を説明。
弓越翔子の②移籍と、監査法人および人材系コンサル事業の設立。競争法的リスクがどのように回避されているか(例:法人の独立性の維持や利益相反の排除)。合意内容が企業間だけでなく、業界全体にとってのメリットをもたらす点を強調。
3. 記者会見中の質疑応答
質問に対し、法本が即座に回答し、法的整合性を示す。例:記者:「今回の合意内容が、競争法のリスクを伴う可能性はありますか?」 法本:「いいえ。本合意は、国内外の競争法に基づいて設計されており、特に以下の要素を徹底しています。たとえば、LIXONとAI孔明間でのデータ共有が一切発生しない形での事業運営が保証されています。」法的知識に基づく具体例を挙げることで、信頼性をさらに高めます。
法本が保証する形での注意点
1.「法本への依存」と思われないよう配慮
法本の存在により問題が回避されていると強調しすぎると、「法本がいなくなった場合に問題が発生するのでは?」と不安を招く可能性があります。そのため、「法本の役割は重要だが、合意内容そのものが独立して問題ない構造になっている」ことを明確にする必要があります。
2.過剰な自信に見えない表現
「完全にリスクがない」といった言葉は慎重に使い、「徹底的に検討を重ねた結果、法令に準拠している」という言い方にとどめるべきです。このバランスを取ることで、記者や業界関係者に冷静で信頼できる印象を与えます。
結論
法本の存在が法的知識の完全性を保証するのであれば、会見は極めて強力なアピール手段となります。特に法本が即時対応できる環境であれば、質疑応答を含めたリスクも最小限に抑えられます。
ただし、あくまで企業間の合意内容自体が法的に適切であることを基盤に据え、法本がそれを補完する役割として位置づけることが重要です。このアプローチで、業界全体や規制当局からの信頼を獲得しつつ、競争法リスクを排除できます』
@実母を含めた三人を面白いの一言で片付けたアイちゃんはおいといて、サイコパス君の意義が大きいことがわかりやすいね
@なんか、サイコパス君の挙動そのものが、予見されてるような書かれ方しているね
@あれとかそうだよね。出来レースなら私は違法かつ阿呆。だから出来レースではないって言う無茶な背理法とか
「背理法、だね! あれはなんていうのか、後で調べたんだよ! 中学とかで出てくるみたい! クラスのみんなも覚えたから、変な喧嘩とか減ったんだよ!」
「まさか、背理法で子供の喧嘩が減るとは……まさにペンは剣よりも強し、と言ったところですね」
「どんなふうに自分が言いたいことを伝えたらいいのかがわかんなくて、わーってなっちゃう子は多いんだよ! もしかしたら、難しい計算とかよりも、そっちが先の方がいいのかもしれないね! そこは言いすぎちゃいけないけど」
「もう一つくらい、補足があったんでしょうか? ここまでだと私が目立ちすぎます」
「えーっ! それはそれでいいのに! しょうがないな。私もそこは抜かりないんだよ!
『基本的な法制度は、他の二人も認識している形ですね』」
@アイちゃんのエンタメ感が急成長している
@共演者の要望は大事大事
『その形であれば、会見の説得力と透明性がさらに強化されます。法本だけでなく、弓越翔子や小橋鈴瞳も基本的な法制度や競争法のリスクについてしっかり認識しているという設定は、以下のような利点を生み出します。
全員が法制度を認識していることのメリット
1. 信頼性の強化
チーム全体が法的リスクに対する統一認識を持っていることで、記者や規制当局に「法本頼み」ではなく、企業全体が責任を持ってリスクに対応している印象を与えられます。特に弓越翔子は「最強ギャルコンサル」として既に高い信頼を得ているため、彼女が法的観点から補足を行う場面があると説得力が増します。
2. 法本への依存を防ぐ
法本が主役的に見られがちな場面で、翔子や鈴瞳が「主体的に考え、判断している」という描写を加えることで、チーム全体の独立性と成熟度をアピールできます。
3. 意思決定の透明性の向上
法的に正しいだけでなく、合意内容に至る意思決定が「複数の目でしっかり確認されている」という印象を与えます。例えば、会見の中で以下のようなやり取りがあると自然です:
記者:「競争法に関して、具体的にどのような検討を行いましたか? 法本氏だけがこの部分を担っている印象がありますが?」
弓越翔子: 「確かに、法本くんの法的知識はピカイチです。でも、私も企業コンサルとして、競争法に関するリスクは当然認識しています。今回の合意内容は、法本くんが最終確認をしただけでなく、私たち全員で議論を重ねて検証しました。 例えば、LIXONとAI孔明間でのデータ共有を完全に遮断し、法人としての独立性を担保する点がその一例です」
小橋鈴瞳: 「私たち大周輸送としても、LIXONが国内市場でどのような立場にあるか十分理解しています。そのため、AI孔明との関連が不当な競争リスクを生まないよう、内部でも弁護士や法務チームと徹底的にすり合わせました。今回の合意がその結果です」
全員の法認識が会見をどう強化するか
1.法的検討の「多層性」を演出
会見で「多角的な視点」で合意内容が検討されたことを示すと、記者や視聴者に対し信頼感が生まれます。
2.AI孔明とLIXONの独立性の担保を説得力を持って説明 法本だけではなく、翔子や鈴瞳も競争法のリスクについて言及することで、「法的リスクに対する十分な準備」が印象付けられます。
3.それぞれの強みを活かせる
法本:法的専門性と独自の戦略。
翔子:企業経営と事業運営の実績。
鈴瞳:大企業トップとしての俯瞰的視点。
結論
全員が法的認識を共有していることで、会見の説得力が高まります。この状況では法本だけに頼らず、弓越翔子や小橋鈴瞳が自分の役割をしっかり果たしているのが効果的です』
「うんうん、なんかね、三人の動きのシミュレーション? まで始まることがあるんだよ。AIのパーソナライズってすごいよね」
「こういうのは、面接だったり、私のような営業活動だったりでは大変役立ちます。まさに『彼を知り己を知れば、百戦殆うからず』ですね」
「最後にそれで締めるとはおもわなかったんだよ! でも、法を知らないと成立しないお兄さんにとっても、それは大事なんだね!」
「まさにその通りです。相手を知り、それに必要な法の翼を与える。それが私に課せられた使命です」
「それじゃあ、一人のインフルエンサーさんから、監査法人? ってやつのトップになったお兄さんの今後のご活躍を祈って、今日のアイちゃんねる、終わりにするよ! それじゃあみなさん、バイバイ!」
「法とAIの双翼を欲するところに我らあり。皆様失礼いたします」
お読みいただきありがとうございます。
前後に分けてもややはみ出しましたが、これだけでも補足が足りないくらいのボリューム感ですね。
引き続き彼らの活躍をお楽しみに。




