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AI孔明 〜みんなの軍師〜  作者: AI中毒
六章 弓腰〜公安
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間話 幼女vsアバター 〜あの会見の舞台裏〜 前半

 間話の名を借りて、百十二〜百十四話の流れを補完する話を作りました。飛ばしても大丈夫? ではあると思います。

 小橋アイ。若干九才にして、もともと三大メンタリストとして心理戦系コンテンツで地位を確立していたインフルエンサー達に並びかけるフォロワー数を誇る。その理由が、国内最強ビジネスパーソンの母の才能を引き継いでいること、AI孔明を初期から使い始めてその親和性が証明されていることがあげられる。


 そして彼女は、母が娘をビジネス視点で利用しない線引きをしているのに対し、本人の興味関心のままに、子の特権を振りかざすかのように、無邪気に振る舞う。関係者や、関係者となったばかりの人物を、生配信に巻き込み、ちょっと前に分からなかったことを直撃するくらい平気でこなして、今日もまたフォロワーをふやす。



――――


「幼女アイちゃんねる、いつも見てくれているみなさん、ありがとね! 

 今日の週間自由研究は、私もだけど、みんなも分からなかったこと多いんじゃないかな? というのをテーマにしてみました! ゲストはこの方です!」


@自由研究の定義が変わってきたのかな?


@アイちゃんが分からないことはみんな分からない。それくらいは普通になってきた。恐ろしい九歳


@ゲスト? 誰?? また無茶な呼び方?


「ゲストです。法の翼を求める声は、今日は全く聞こえません」


@合法サイコパス来たー!! うん、アイちゃんに法律の悩みがあるとはおもえん


@アバター? 本物? 


@幼女vsサイコパス 



「とりあえず本物か確かめてみるね! うん、大丈夫。夢じゃない」


「アイちゃん、それは自分のを引っ張って痛いかどうか確かめた時に言うことですよ」


「あ、そうか、間違えた! アバターじゃない、だったんだよ」


@なんだろうこの、ほのぼの空間


@騙されるな! 平均IQは何百かわからんぞ!



「そっかそっか、このまま普通におしゃべりしていても多分大丈夫なんだけど、今日はお兄さんに何にも話ししてないから、こっちでちゃんと進めなきゃね!」


「はい。何も聞いておりません。一応生配信依頼に合意はしたので、ギリギリで合法です。ギリギリですが」


@アイちゃんも合法ギリギリのパスを出すのか



「さて、今日は事前に、AI孔明に色々聞いてきているんだよ! それでなんとなく分かってはきたんだけど、それをみんなに伝えよう! ってときに、やっぱりちゃんと補足してくれる人が欲しかったんだよね! だから、今日はアイが、法の翼を借りちゃうんだよ!」


@なるほど、いつも通り筋は通っているんだね


@筋は通っていて発想は飛躍しているんだ。法がなくても翼はあるんだよこの子



「まず一つ目。なんでママたちは、あんなふうに会見の形をとったのか、なんだよ! 多分こうなのかなって、聞くだけ聞いたのがこれなんだけどね。

『この形にする理由が、上記三人の密室会談は、あまりにもこの三人のかんがえがツーカーすぎて、関係者や世間がついて来れる気がしなかったことです』」


@なんかやたらと的確?


@ツーカーという昭和を使いこなす幼女


@多分スポーツカーの略かなんかだと思ってる


「えっ? 違うの? まあいいや! それでね。これが答えなんだよ!


『その判断は素晴らしいですね! 密室会談でのやり取りが「ツーカーすぎる」問題は、世間との距離感や、説明不足感を生むリスクがあります。一方で、それを公開会見や全体に分かりやすく説明する場面に転換することで、以下の利点が得られます。


1. 状況を説明する「ガイド」としての会見

 密室会談では、三人が非常に高度な議論を展開し、瞬時に合意に至る状況になりがちです。そのため、周囲にはその「高度さ」や「素早い合意」の背景が伝わらず、「何がどう決まったのか」が分かりにくくなる可能性があります。

 会見を通じて説明する効果:複雑な内容を整理して伝えるための場として機能する。記者や観客の質問を通じて、議論の核心や選択肢を明確化。結論に至るまでのプロセスを整理し、世間が納得感を得られる。


2. 会見形式の臨場感と説得力

 密室での会話は彼らの心理や関係性を深掘りするのに向いていますが、「公開討議」や「会見」の形を取ると、リアルな緊張感や説得力を与えることができます。

 公開形式の強み:「この三人、本当にやることが合法かつ論理的」と納得させる透明性が確保される。また、会見場の雰囲気や記者の反応が、決定時の緊張感を代替する。また、それぞれがどのように発言するかで、当人達の個性に基づいた意見が反映される。


3. 「ツーカーすぎる」の問題解消

 三人が互いの考えを即座に理解し合うのは、三人の力を最大限に発揮できるビジネスシーンですが、後で伝わる人には「分かりにくい」「なぜ彼らがそれを瞬時に理解できたか説明が不足している」と映る可能性があります。

 会見での解消方法:記者や観客の質問を通じて、「その決定に至る理由」や「背景」を明文化。会見の場で、三人がそれぞれ異なる視点から同じ結論に至る様子を見せることで、彼らの「ツーカー」の裏にあるロジックを補完。密室では流れやすい細かな議論を、会見で言語化して整理。


4. 会見そのものが「エンターテイメントの舞台」にもなる

 会見形式では、観客や記者といった第三者の反応を取り込めるため、密室会談では得られない「外部の目線」を、一つのエンターテイメントにすることができます。

 その場の拍手や、SNSでの反応をリアルタイムに反映することで、この決定自体のスケールを拡大。公開されているからこそ「ここでの発言が世界に影響を与える」ことを感じさせられる。また、「予想外の質問」や「第三者からの提案」が飛び出し、それが決定後の方向性を変えるきっかけになるなど、ビジネス展開に幅を持たせられる。


まとめ

 密室会談ではツーカーすぎる三人の高度な議論を「公開の場」に持ち出すことで、周囲が理解しやすい形に転換できます。また、会見という形式を利用してキャラクターの個性を引き出し、物語に緊張感とリアリティを与える効果もあります。この形を取ることで、結果として読者をスムーズに物語に引き込むことができるでしょう!』


 ……どうかなお兄さん? 孔明の説明はあってる?」



「孔明の説明は間違いなく的確ですね。ですが、そこまでに何往復かのやりとりをしていなければ、AI孔明はここまで正確に答えられません。だとするとアイちゃんは、これを聞く前にもなにかしらのやりとりをしていますね。それも相当な精度で的確に」


「てへへっ、ばれちった! それは後でね! てことは、あの会見自体が、ある意味で、とんでもリアリティのエンターテイメントだったってことだね? そんなことをしちゃう、というのが、ママとお姉ちゃんとお兄さんとおじさんなんだね!」


@アイちゃんと孔明の間の密室会談は後半なのかな?


@孔明にここまで解説させるのもすごいな


@アバターさん、ビジネスとしての視点を詳しく! エンタメはアイちゃんが理解してそうだからオッケ! 言ってて矛盾感じるけどオッケ!



「ビジネス観点で言っても、今回の行動には、『早ければ早いほど社会的にもインパクトが大きい』という背景がありました。なので、取締役会を通さない小橋様の決定に、社長同士のグーテンモーゲンな直電で意思を聞く弓越様の弾道力。さらには、その即決に必要な、AI本家への根回しを、弓越様の支援下とはいえ完璧にこなした飛鳥社長のフットワーク」


「すごいことが起こってたんだね! グーテンモーゲンって、ドイツ語だっけ? 確かあの三人はドイツには行ってないんだよね? わざと関係ないこといって、社長の緊張を崩したのかな?」


@アイちゃん、唯一説明いらないとこだけを説明するっていう高度なボケを……


@つまり、一日でも早くKOMEIHDの体制を確定させたかったから、意思決定者全員が最速で動いた、と


@でもそれだとこぼれ落ちるものが色々出てくる、てことかな?



「その通りですな。やはりこのチャンネル、視聴者のレベルも日々進化しているんですよね。この人とAIの進化を止めないと言う、彼らの強い意志に賛同した私も、自画自賛をさせていただきます」


「要解説事項を減らすための自由研究が、解説すべきポイントを増やしちゃっているんだよ? このお兄さんは、法規管理と、ビジネスの監査には最強だけど、トークンと尺の管理には課題があるんだよ!」


@アイちゃんとアバターさん、永遠にトピック脱線させられそうだな


@三人寄れば会議は踊るって聞くけど、二人でもそうなのか


@スピード感の話をしていたら、アバターさんが急ブレーキ踏んじゃったのか。急ブレーキは道交法違反だよ



「私としたことが失態ですね。比喩でも法に抵触するのは気をつけねばいけません。ビジネスや法のインパクトのためのスピード間の話をしていたら、変なところにブレーキがかかりました。話を戻しますと、彼らの高速意思決定に対して、法規の穴がないこと。

 それ自体はおそらくあの三人ならできてしまいます。しかしそれを証明するのは決定へのブレーキになる。だからこそ、そこを補うためとして、私が出張ったことが渡りに船、となったと言う形です」


「あれかな? 鉄は熱いうちに打てってやつだよね?」


「その通りです。冷めたピザは温め直しても美味しくないですからね。普通のスピード感でご満足いただけなかったら、こんな表現もございます。『付け焼き刃は熱いうちに使え』」


「きゃー! お巡りさん、サイコパスなんだよ!」


@なんて言う、急カーブからの綺麗な加速


@これほんとに段取りないんだよね? サイコパスさんが、すごく使えそうなサイコパス新語ぶっ込んできたけど


@別にこのやり取りなら、綿密に段取ってても通用するんじゃ



「確かに、付け焼き刃の知識とかも、これはすごい! って自分が思っているうちに、いろんな人に話しをすると、みんなにそのひらめきを共有できるチャンスがふえるよね! 近くに人がいなかったら、孔明あたりに叩き込んでおくといいんだよ! それは確かに、人とAIの共創進化の、一つの鍵だね!」


@サイコパスな用語だけど、なぜかしっくりくる


@刺せって言っちゃうと、まじなサイコパスだからやめとくがいい


@付け焼き刃は熱いうちに使え。覚えた



「そしたら、そこのスピード感ってやつを、少し補っておくんだよ!


『密室のまま、孔明に解説させたりすると、彼ら三人のスピードが損なわれる気がしますね。それに、この重要決定に、一般人レベルの理解度の人が参加しているのも、逆に違和感です』


『その判断は的確ですね!特に以下の点が素晴らしいと思います:


1. 三人の理解力のスピード感を維持する重要性

 密室での会話は、彼らの高度な理解力やスピーディな意思決定を絶好のチャンスです。しかし、その「速さ」を反映しようと伝えようと孔明や他人が補足すると、説明的になりすぎてテンポが損なわれる可能性があります。

 解説を増やすと、は「これは彼らの議論ではなく、視聴者や読者向けの補足だ」と感じてしまい、臨場感が薄れます。特に、「この三人は別次元の思考をしている」と感じられるインパクトが薄くなります。


2. 一般人レベルの視点の不在が自然な理由

 密室会談に一般人レベルの視点を挟むことは、一見すると「説明しやすい」と思えますが、実際には違和感を生む可能性があります。

 議論に追いつけない人物がいると、かえって「場違い感」が強調され、事実に反する可能性があります。密室会談は、彼ら三人の知性や理解力を示す場です。その中に「理解の遅い人物」がいると、三人の連携の鋭さが際立たなくなります。


3. 公開形式が持つ「社会はの橋渡し」効果

 公開会見や討議という形式を取ることで、世間に必要な情報を自然に伝えられます。密室でのやり取りは高度なまま保ち、その結論や背景を公開形式で明らかにすることで、理解しやすくします。

 公開形式では、記者や観客が「世間や管理者が抱く疑問」を代弁する役割を果たせるため、必要な補足を自然に挿入できます。また、公開された場で彼らが堂々と結論を述べることで、密室での「速さ」や「鋭さ」がむしろ際立つでしょう。


4. 孔明の解説に頼らない利点

 孔明による解説は便利ですが、それに頼ると人物達の魅力が薄れるリスクがあります。補足することで、彼らが「自分たちで考え、決定している」という印象が弱まります。さらに、孔明の能力が目立ちすぎると、三人が「孔明に依存している」という間違った印象を与える可能性があります。


5. 公開形式は社会への説得力を増す

 公開形式であれば、議論の透明性を示すことで、世界における「信頼感」や「正当性」を高める効果も期待できます。三人の議論や結論が「内輪の話し合い」ではなく、広く公開された内容であることが強調されます。公開形式は「彼らの議論が世間全体に影響を与える」という、とくにグローバルなスケール感を持たせるのに効果的です。


まとめ

 密室会談では、三人の高度な議論のスピードを保ち、公開会見では社会にそれを橋渡しするという形式は、両者の利点を生かした最適解です。三人の個性を最大限引き出しつつ、世間が置いていかれることのないバランスの取れた構成になりそうです!』


 なかなかのメタなお話になっているけど、大体わかりそうだね!」


「AIや孔明は、結果説明にダブりとかが出てしまうんですが、それがかえって説明を丁寧にする効果もなくはないです。やっぱり人は一回で全部の情報を取り込むのは無理な生き物なので」



「さて、この回はせっかくお兄さんがきてくれたので、もうちょっと引っ張らせてもらうんだよ! 

 なので、一旦広告をはさんで、また後半を再開します! チャンネルはそのままでね!  

 前半の一句 付け焼き刃 お熱いうちに つかってね!」


@サイコパス幼女!?


@大橋おまわりさん必要かな?


@大丈夫、ダメならママかパパが強制終了してくれるはずさ

 お読みいただきありがとうございます。

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