プロローグ8 〈ラブロマンス〉 神来神殻
その者は恋をしていた。しかしその恋には壁があった。彼女は25才、恋する相手は離婚歴のある47才の男性。彼女は渋い男性が好きだった。
くたびれつつも強い眼力と強い信念を持つ彼に惹かれていた。
しかし彼女は彼に異性とは認識されず。娘のように思われていた。そして、警察官のキャリア組である彼女はノンキャリア組である彼をいずれ立場で超えてしまうだろう。
しかし、彼女は恋をする。恋に恋する乙女だった。
彼女はラブロマンスのプレイヤーに選ばれるだけあって美女だった。
出るべき所は出て引っ込むところ引っ込むまさに黄金律の身体。筋肉はついているモノもそれも彼女の美しさを上げる。
彼女はまだ制服組だったが、制服を着用することによってライバルをだませるかもしれないと思い着替えなかった。
神来美殻は警察官でありながらもバトルロイヤルに参加する。殺し合いで勝って彼に見てもらうんだと――
当然彼だったらそんな彼女には失望する。彼は生粋の刑事。妻と仕事を比べ悪人を捕らえることを選んだ者なのだから。
それでも神来神殻は気づかない、まさに恋は盲目。
彼女は拳銃を無断で持ち出し決意する。
「この殺し合いが終わったら、彼と結婚するんだ」と、
死亡フラグを立てながら。