プロローグ5 〈アニメ〉 ソアラ・煌
かの者は、異常な者が溢れるこのバトルロイヤルで、ことさらに異常だった。
「あれぇ? 僕、魔王との戦いで死んだはずなのに? ここどこ? 四角ぃ建物がいっぱいだぁ?」
異世界ファンタジーを再現した〈蒼空サンドボックス〉彼はそこからAIのデーターのみコピーされこの世界に降り立った。
殺し合いなど一切無縁な日本に殺し合いが当然の世界の人物が現れる。
しかも、魔王と戦うような大物である。もほや、彼の勝利で勝負は決まったのではないか? と運営に文句を言った観客もいた。
彼女――いや彼はまるで美幼女だった。
くりっとした大きな金の瞳に小さな鼻と小さな口、エンジェルリングの自己主張が激しい黄金色のショートカットの髪。華奢な体、こしはくびれているが、胸はない。
高級そうな軽鎧に、スカート(かの世界では男でも普通にスカートをはく)、日本刀らしき物を右左に佩き。首に垂れ下がるドッグタグにはSと虹色に発光。
本当に魔王と戦っていたのか、不安になる外見だった。が、文句を言った者と同じくらい運営に感謝した観客がいた。そう彼は蒼空サンドボックスの人気人物なのだ。
「ふむふむ、この世界に知識が流れ込んでくるっ! そうか殺し合えば良いのかぁ」
異世界からの使者、ソアラ・煌。彼のアプリはロック解除式になっていた。つまり、彼は現段階では本気の1パーセントの力も出せない。
しかも、彼は日本の紙幣を持たない。さらには金貨を換金するにしても身分証明書がない。彼が特段有利なわけではないのだ。
それでも彼への期待は多かった。
――つまり、彼はもしかしたらすぐに力を取り戻すかもしれないと言うことだ。
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