第六話 僕らの平穏 その終わり
ここから少しシリアスになります
いつもの日常、いつもどうりにみんなに会って、次の日もまた会えると思ってた。
「ねぇねぇわんこさん!ニュース見ましたか?」
朝からなんでこいつはテンションが高いんだろうか。イラつきながら一応返事は返す。
「いや?朝は早くに御主人様に呼び出されたからテレビは見てないな。」
御主人様が妹の舞火ちゃんに病院送りにされてやっと退院できたので最近忙しくてしょうがない。今日も朝からジャンプ買いに行かされたし。
「もう!ニュースくらい見とかないと駄目ですよ?それよりですね!ビッグニュースですよ!最近ここら一帯で通り魔が出るらしいです!」
「通り魔?」
「はい!夜に一人で歩いているといきなり襲われて刃物かなにかで斬られるらしいです!」
そんなおっかない話しをなんでこいつは笑顔で話せるのだろうか。
「あぁ、どうしましょう!?かわいいかわいいルカはきっと夜に一人で歩いていたら襲われてしまいます!」
「ふーん、そりゃ大変だね。夜道は気を付けなよ?」
「だから今日からしばらく一緒に帰りましょう!」
「だが断る!」
別にお前が襲われてもまったく困らないしな。
「そっそんなこと言わないでさぁ。一緒にかっ帰ろうよ?ね?そうしようよ。危ないしさぁ!そんなのに出会ったら僕こっ殺されちゃうよぉ。」
翔が泣きそうな、いや泣きながら必死で説得してくる。
「ね!翔くんもこう言ってるし!赤井君も別にいいでしょう?」
「んぁ?すまん。ジャンプ読んでた。」
御主人様・・・空気読みましょうよ。
「分かったよ。御主人様もいいですね?」
「別にかまわないな。それよりわんこ、のどが渇いたからジュース買ってこい。」
「はぁ、かしこまりました御主人様。」
席を立って自販機まで買いに行く。ささやかな腹いせに飲むヨーグルトを買ってこよう。
そんなこんなで帰り道・・・
「そういえば、通り魔ってどんなやつなんだ?」
御主人様が最近発売されたばかりの携帯ゲーム機をいじりながら聞いてきた。
「さぁ?なんでも暗い夜道にいきなりのことだったらしく誰も顔を見てないらしいです!」
質問に瑠歌が答える。つーか僕の腕に抱きついてくるな!気持ち悪い!
「ひっ!?そっそんなぁ、顔が分からないんじゃあ捕まらないじゃないかぁ。どっどうしよう!?はっ早く捕まってよぉ!?」
「びっくりするほど臆病だな。さすが我らがチキンハート。」
「大丈夫です!何があってもわんこさんだけは私が守ります!」
「守らなくていいから離れてくれ、暑苦しい、周りの視線が痛い。」
「ふふふ!なぁに恥ずかしがってるんですか?見せつけてやりましょう!」
「やめてくれ!御近所さんに合わせる顔がなくなる!」
「分かるかわんこ。それがいつもの俺の気持ちだ。」
なんだと!?この僕が瑠歌と同類だと!?認めん!!僕はもっと普通のノーマルな人間なんだ!
「それより御主人様、さっきから何のゲームをやってるんですか?」
「無理やり話しを変えたな?まぁいい。ほら、これだよ。」
そういって僕たちに見せてくれたのは所謂美少女ゲームだった。うわぁ・・・普通街中で歩きながらギャルゲーやりますか?
「なかなか攻略が難しくてな。現実ならもっと簡単に落とせるんだけどなぁ。」
うわっ!?今この人恋に悩んでる世界中の男の人達を敵に回したぞ!
「ああ!それCMでみたことあります!面白そうですよね!」
「お前ギャルゲーに興味あったのか変態のくせに。」
「ちがいますよ!ああいうゲームは気分を楽しむんです!私はいつでもわんこさん一筋です!」
「はいはい、ありがとう。悲しすぎて涙が出てくるよ。」
「あっ赤井君はどんな人を攻略してるの?赤井君なら現実でどんな人でもすでに落としてる気がするけど。」
うん、いい質問だ、翔。僕も少し興味がある。
「・・・・・・とだ。」
「ん?すみません御主人様、聞こえませんでした。」
「・・・血の繋がってる妹だ。」
・・・・・・あ、あぶねー!?シスコンを通り越してすでに変態の域まで到達してる!?周りのみんなも声がでないほど驚いてるし。
「あ!私お風呂掃除頼まれてたんだった!ごめん!先に帰るね!じゃあねわんこさん!」
うわっ!逃げやがった!?くそ、どうすればいいんだよこの空気!
「あっ!ぼっ僕も愛に呼ばれてるんだった!ごっごめんね、先に帰るね!」
ブルータスお前もか・・・僕一人でどうすればいいんだよ。
「なぁ、わんこ。」
「なんですか御主人様。」
「この前入院してるときに妹が見舞いにきたんだよ。」
「へぇ。良かったじゃないですか!」
「サボテンの植木鉢を持ってきてな?良かったですね、お兄様の好きなナースさんがたくさんいますよ?もうずっとここに住めばいいのに☆って言われたんだが・・・」
・・・・・・どう答えれば地雷を踏まなくて済むんだろう?
「なんとか妹に謝ってお願いを一つ聞いてやることになったんだが。」
「なっなんだ良かったじゃないですか!許してもらえて!」
「というわけで命令だ。今度妹と二人だけで遊園地に行って来い。」
「はい?なんでそうなるんですか?」
「・・・殺してぇ。」
うわぁ、握りこぶしから血が出てる。
「とにかく今度の休日を空けておけ。いいな?」
そういって御主人様は行ってしまった。どういうことだろうか?なんで舞火ちゃんは僕と一緒に遊園地に行きたいんだろうか?この前のお詫びかな?そんな疑問に駆られているといつのまにか家に着いていた。
次の日の朝。僕はテレビで稲光さんの名前を聞いた。