第二話 僕の恋人? その一人
不幸と幸福は紙一重
土曜日、学生にとって休日というものはとても素晴らしく甘美なものなのだがこの日僕は携帯電話に朝早くから入っていたメールによってテンションはあり得ないほど下がっていた。
それというのも、僕の数少ない友達から遊びの誘いが入っていたからだ・・・普通、友達に誘われれば心が躍るほどに嬉しいものなのだが・・・相手が悪かった・・・
○月×日午前11時、待ち合わせ場所の公園の噴水に着くと既にそいつは待っていた。
「おっはようございまーす!あれ?どうしたんですか?あなたのルカちゃんがどうせ暇で暇で一日中日向ぼっこをしているであろうわんこさんをデートに誘ったというのに!」
そういって声をかけてきたのは白いワンピースに可愛らしい帽子をかぶっているとても可愛いこなのだが、彼の名前は恋結瑠歌という僕の数少ない友達の一人である。ここで注目して欲しいのは何故僕が彼女ではなく彼と言ったかだ。
「はいはいおはよう変態野郎。お前が誘わなければ僕は一人楽しく日向ぼっこをしてられたよ。」
「むー、そんな言い方ないじゃないですか。何だかんだ言いつつ来てるし。」
「メールで、来てくれなきゃあなたを一生不幸にさせ続けます。なんて書かれたら行く以外の選択肢がないだろうが!」
「あんな見え見えの嘘に引っかかるなんてわんこさんは意外と臆病なんですね!」
「お前の場合は嘘に聞こえないんだよ!」
そう、彼の守護は「リャナンシー」
好きになった相手を幸福にすることができ、また人を不幸にすることもできるというとてつもなく厄介な能力の持ち主である。
そんなこんなで街を二人で歩いていたわけだが、
「なぁ、瑠歌さん?」
「なんですか?わんこさん?」
「手を離してくれないかな?」
「不幸にしますよ?」
ホーリィシット!なんで男と手をつないで街を歩かなきゃならないんだよ。しかもカップル繋ぎだし。
「あっあれ?わっわんこさんだ!なっ何でこんな所にいるの?いつもなら日向ぼっこしてるよね?」
あぁ救いの手が差し伸べられた・・・
「やぁ奇遇だね、翔くん!きみこそどうしたんだ?」
さりげなく瑠歌と手を離し翔に近づく僕。そこで翔のとなりにいるとても美人な女性に気付く。あぁそういうことか。畜生!神様はどこまでも不公平だ。
「そちらの女性は?」
「あ、かっ彼女はほら前に言った幼馴染だよ!」
そういうと美人さんは一歩前にでて話し始めた。
「こんにちは。あなたがわんこさんね?私は蛇神愛。よろしくね?あなたのことは翔からよく聞くわ。なんでもイケメンの御主人様にべったりなホモ野郎らしいですね?」
「初対面の人にありえない罵倒のされ方した!!そして翔!お前普段どんなことを話してやがる!?」
「あら?でも、いっしょにいるのはとても可愛らしい子じゃない。まぁ噂はしょせん噂なのかしら。」
「初めまして!恋結瑠歌です!」
「こっこんにちは。るっ瑠歌くん。どうしたの?遊び?」
「違うよ!デートだもん!ねっ?わんこさん。」
「いや、さっきそこであっただけ。こんな女装してる変態野郎はしらん。」
「裏切られた!?くそぅ、不幸になれ不幸になれ不幸になれ…」
「おっそろしことぶつぶつ言うな!わかりましたよ!デートしてました!。」
「あらあら、噂は聞いていたけどほかにも男を作っていたんですね?お願いですから翔にだけは手を出さないでくださいね?」
「あぁ!?だからこの前言い間違えたとき泣いてたんだ?」
オゥジーザス・・・初対面の人に退かれてるだけでなく忠告までされてる・・・僕はどこに向かってるんだろう・・・
ところかわって喫茶店。
あのあとダブルデートだとやかましく騒いでいた馬鹿を軽くぶちのめしてからみんなでご飯を食べるために喫茶店に入ったわけなんだが・・・
「あぁ店員さん。このチャレンジメニューの特大ステーキお願いします。」
「えっ?愛そんなの食べるの?」
「あらあら。レディがそんなもの食べるわけないでしょ?あなたよ。」
「えぇ!?むっ無理だよぅ、ぼっ僕じゃ食べきれないよ、ね?やめようよ、そんなもの!」
「あらあら。やるまえからあきらめるなんていつからあなたはそんなになってしまったのかしら?」
「そっそんなこといわれても無理なものは無理だよぅ」
「わかっていないわね・・・あなたは困った顔をしている時が一番輝くのよ!」
「ひぃっそんなぁ」
「あっ、わんこさん!カップル限定パフェですって!これにしましょう!」
「願い下げだ馬鹿野郎」
なにこのカオスな空間。店員さん困ってんじゃねぇか。あとなんとなくわかってたけどやっぱり蛇神さんドSだ。
結局そのあと翔はステーキを食べきれず罰金を泣きながら払い、蛇神さんはそれを見て恍惚の表情を浮かべながらサラダを食べ、僕は瑠歌とパフェを食べさせられることになった。僕のおごりで・・・
帰り道、なぜ僕の周りにはろくな人間が集まらないんだろうなんてことを考えながら歩いているときだった。
「今日はとても楽しかったですね!わんこさん!お礼に今日一日わんこさんを幸福にしてあげます!」
「あぁそうかい、そりゃよかったよ。日付があと数時間で変わるけどな・・・」
「またまたぁーそんなこと言ってもわかってるんですよ?つまり私に一生幸せにしてほしい、というわけですね!?あぁ!ついに私の恋が実るんですね・・・」
「とりあえず、それはありえないしその場合カリフォルニアあたりに移住しなきゃいけないし僕は女の子の方が好きだ。」
「あぁ、駄目ですわんこさん。そんなところ汚いです・・・」
「気持ち悪い妄想してんじゃねぇよ!あと人の話をきけ!!」
「女ならいいといいましたが、別に男の娘でもかまわんのだろう?」
「かまうよ!?それが一番大事なところじゃねぇか!?」
「あ!そろそろ門限があるんで帰りますね!わんこさんさようなら!」
「にげんな!」
・・・行ってしまった。貴重な休日のはずなのに、何て厄日だ・・・
その後、帰り道でやっていた商店街の福引で一等を当て、その商品のカリフォルニア旅行七泊八日を受け取り、それをビリビリと音を立てて破きながらあいつがくれる幸福は絶対に僕にとって不幸だと確信した。
今回FATEネタを入れました。アーチャーかっこいいよアーチャー。友達が初めてみたときディアッカと言った時は殴りかかりました。