幼なじみ、味方になる!?
幼なじみにストーカー扱いされ、それならば相手からアプローチがあるまで連絡はしない、と決めた入野元気。しかし、待てど暮らせど愛しの桔梗さんからは連絡がないまま1ヶ月‥‥
「やはりオレはあの人にとって、只のストーカーだったのか!」と、体調を崩し寝込んでしまった元気です‥‥( ´△`)
だ、だ、だ、誰が来たんだ!
桔梗さん?桔梗さんなのか?‥‥いや、絶対ないやろ。
何の連絡もなく突然押し掛けてくるような"無礼"なコトするわけないし。
こんな"無礼者"は、NHKの集金か、アイツしかいないやろ‥‥
\ピンポーン/
\ガチャ/
「おぅい‥‥開いてるから入るよぉ‥‥元気‥‥ですかー!‥‥なんて‥‥‥‥」
( ´△`)
ああ~~,やっぱり夕月‥‥
まぁアイツ位だよ、こんなとこ来るのはな‥‥‥‥
「あのぅ‥‥元気、大丈夫?仕事、行ってないらしいじゃない?ご飯たべてんの?」
「へっへっへ‥‥ミジメなストーカー男を笑いに来たのかい?」
「う、ごめんよう‥‥この前は言い過ぎたよ‥‥会社の先輩から聞いたよ‥‥日に日にやつれていって、とうとう病気になったって‥‥」
「ふ、ふ、ふ、笑うてくれい‥‥ミジメな勘違いストーカー男を‥‥」
「ご、ゴメンて!とにかく何か作るよ‥‥」
そう言うと夕月はエビ、肉、野菜のたっぷり入った煮込みうどんを作ってくれた。
美味しくて、涙がでたよ。
この味は一生、忘れないだろう‥‥
少し元気が出てきた。オレにも、こんなに心配してくれて助けてくれる人がいるんだ。
これは大きいよな。
このまま、夕月とくっついちまうか‥‥‥いや、あくまでも向こうがまだ、その気があるのなら、だが。
そんな事を考えていると‥‥‥
「ねぇ、元気‥‥この前はごめん。あんたの言う通りだった。
付き合いたいと思うあまり、あんたのこと、全否定でストーカー扱いしてしまったんだ。」
「ああ、もういいよ‥‥よく考えてみりゃあ、ストーカー扱いされてもしょうがないって思ったよ‥‥」
「私だって、好きな男がストーカー気質だなんておもいたくもないよ。だから‥‥あの日はどうかしてたんだ。だって考えてみてよ?
10年以上もずっと好きだった男に、二十歳の誕生日に告白しようと死ぬ気で呼び出してみれば、私に会いに来る途中で偶然事故にあって、その加害者の女の子に一目惚れしました‥‥なんて、信じられないよ。どんな確率だって話しだよ‥‥」
「はは‥‥ホントだな。だからオレも"運命のヒト"かも?って思ったんだよな」
「ねぇ、元気のやってたことは、ストーカーまがいの迷惑行為の可能性は高いよ。
だって、事故で怪我させて"引け目"がある男に頻繁に会いたい、話しがしたいなんて思う女性、いないでしょ?普通はできれば会いたくないよね」
「う、言われてみれば‥‥‥」
「できれば距離を置きたい男から、LINEが100回来てみたり、夜な夜な電話でラブコール。果ては壊された車を買い替えるから、車屋さん回りに付き合え、なんて‥‥ホラーだろ?」
(。>д<)
「ぎぎぎ‥‥やめてくれーー!!」
夕月に
言われてみれば
もっともだ
一句できたよ‥‥‥なんて言ってる場合じゃないか。
おお、恥ずかしい!!
特に事故の加害者の女の子を、買い替える車選びに連れ回すなんて‥‥最悪だ!言い訳させてくれーー!
妹と二人暮らしで経済的に余裕のない桔梗さんが、車の修理代を気にしている。でも、保険が下りなければ修理代は30~40万円位掛かるはず。払わしたくないんだよね。
だけど、自分でそんな大金かけて修理するくらいなら、もう少しお金を足して、新しく車買うよな。元々、買い替えを考えていたんだから。
桔梗さんと二人で楽しく車選びして、納得して買って、初ドライブとか一緒に行って楽しめば、気を使わせないと思ってしまったんだけど‥‥この言い訳は女々しいから、言わんほうがいいか‥‥‥‥
「元気、あんたはビックリするほどの阿呆だけど、嫌がっている女の子の顔を見て
『楽しそう』
『喜んでくれてる』
と脳内で書き換える程のサイコパスじゃない。人の気持ちが分かるヤツだ。信じるよ!こうなったら、応援するよ!」
「おう!『ビックリするほどの阿呆』は、ヒドイけど‥‥有り難う!お前に信じてもらえて勇気がでたよ!
最後になるかもしれないけど、もう一度桔梗さんとちゃんと会って気持ちを伝えて、向こうの気持ちも聞いてみて今回のコトは決着だ!
ダメで元々!勘違いなら、笑い飛ばしてゼロからスタート!
よく考えてみれば、失う物なんか何もないもんな!」
「ふふ、そうだよ!元気!ダメだったらまたコッチの世界へ戻っておいでよ!私、まってるから!」
ああ、夕月のお陰で目が覚めた、こんなグズグズの世界から脱出できる!‥‥‥‥と思い、きっちり決着をつけようとした結果‥‥‥
あんな最悪なコトが起ころうとは‥‥今はまだ、知るよしもなかった‥‥