運命のヒトと、酔っ払い
すっかり事故の加害者、間宮桔梗にメロメロの入野。運命のヒトと決め付けて、猛アタック開始ですが‥‥‥大事な日の約束をすっぽかされた幼なじみの秋野夕月も、このまま黙って引き下がるタマではありません!
なんやかんやでその後、桔梗さんが
「どうしても気が済まないので」
という事で"しまむら"に、血だらけになってしまったタンクトップと同じ物を買いにいった。
二人でだ!
こりゃ、お買い物デートとしたもんか?←(違う)
タンクトップの値段が『500円』と知られた時は恥ずかしかったが、お金に苦しい彼女はホッとしたのかも。笑顔で僕に手渡した!こりゃ、初プレゼントみたいなもんだろう?←(違う)
「あ、あのぅ‥‥入野さん、今日は本当にご迷惑をおかけしました‥‥こんなお土産まで頂いて‥‥」
「いえ!いいんです!」
最後は勢いにのって、新しいタンクトップを着てファミレスで晩御飯をご馳走した挙げ句、家で待っている妹さんにテイクアウトのハンバーグ弁当を持たせてあげた(´∇`)
「何か、大切なご約束があったのではないのですか?」
「いえいえ!僕なんか彼女もいないし、毎日暇で暇で!」
「はぁ、何か携帯の着信音が五分間隔で鳴っていたような‥‥‥」
「田舎の母です!もう、いくつになっても子離れできなくて!」
「はは‥‥それでは今日はこれで、失礼いたしますぅ」
(´∇`)
「はい!また連絡しますね!妹さんにも宜しく!」
「は‥‥はいぃ‥‥」
彼女は、何度もお辞儀をして、帰っていった。
いゃあ、楽しかったなぁ~~
あんな可愛い女の子と知り合えて、本当にラッキーだった!
‥‥‥‥‥‥‥‥‥さてと‥‥‥
一旦、電源OFFにしていたスマホを再起動‥‥‥‥すると!
ーー着信20件ーー
Σ(゜Д゜)
ひぃ!!!
しかも最後はLINEに
『もうしらん』
である。
しかし、これはこれで好都合。
なぜならオレは今日、告白してくるつもりだったかもしれない夕月のことが大好きだ。嘘はつきたくない。すっぽかした形になったが、もし、これから話を聞きに行ったとしても今まで会っていた間宮桔梗さんのことが頭から離れないオレは、夕月のことを受け入れることはできない。もし、正直に話すとなると、こうなる。
「すまん、夕月。オレ、今好きな人がいるんだ」
「そぅ‥‥それは私の知っている人?」
(´∇`)
「いや、実はオレもここに来る途中、初めてあったばかりの人なんだ」
(# ゜Д゜)
「ふざけるなーーー!嘘でも、もうちょっとマシな嘘つけやーー!!」
‥‥‥こうなるで、あろう‥‥‥
揉めると分かっていて、本当のコトは言えない。
しかし、嘘もつきたくない。
向こうも怒ってしばらく口も聞いてくれない状況だろうけど、これはこっちにも好都合!
色々言い訳したところで、俺の気持ちは桔梗さん一本だ。
だったら夕月と距離があるウチに、さっさと桔梗さんにアタックして本当の恋人になってしまおう!
そして、「付き合っているヒトがいるんだ」と、夕月にきっぱり断るんだ!
少し可哀想だけど、もし、あの時桔梗さんと会わなかったら、あまり気が乗らないまま夕月に押し切られ「未経験卒業目当て」で付き合っていたかもしれない。
Σ(´□`;)
危なかったぜ!どうかしてたよ!
そんなん、夕月に対しても失礼じゃないか!
助かった!クズ人間になるところだった!
そう考えてみると‥‥桔梗さん!神様の使いかよ!
ますます"運命のヒト指数"爆上がりだっ!!!
それから一週間‥‥‥‥‥
俺から桔梗さんへのラインの数は、100回を越えていた。向こうから来たことはないが、こっちが打つと必ず秒で返信してくれるし、迷惑になっているとは思えない。いや、むしろ俺からのメッセージを待ちわびているのかも!←(キモい)
実際、あの後二人で会ってのデートも二回ほどした。
そろそろ告白しても、おかしくない頃合いかも‥‥‥‥
一人マンションで浮かれた妄想をしていると、誰かがドアをノックしている。
\ドンドン!/
‥‥誰だよ、もう夜の11時回ってるのに‥‥‥
「こらぁー!元気!あけろー!いるのはわかってんだーー!!」
Σ(´□`;)
ひっ!!幼なじみの秋野夕月!!
あの日から、ラインも電話もなかったのに、いきなり家に突撃してきた!!!
「うおおおおん、あけろー!警察だーー!麻薬使用現行犯で逮捕するーー!!」
Σ(゜Д゜)
いかん!!酔っぱらっとる!!
(続きます)