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【7/24】穢れた血だと追放された魔力無限の精霊魔術士【コミックス第4巻発売】  作者: 冬月光輝
第1章『魔力無限の精霊魔術士誕生』

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エルトナ王国

 エルトナ王室から新しい才能の発掘を依頼されているという宮廷鑑定士エルヴィンに王立ギルドに入らないかと誘われた私。

 私には精霊魔術という聞いたこともない魔術の才能があるらしい。

 実家のギルドがパワースポットと化したのも私が原因みたいなんだけど、どうも信じられない。


「国外からの移民にちょっとでも使えそうな人材が居ないかチェックしに来たが、いきなり大当たりだ。まさか、精霊魔術士になれる人材を確保出来るとはなぁ」

「精霊魔術ってそんなにすごいの?」

「凄いなんてモンじゃないぞ。極めた者は例外なく名を残している。大賢者・リーガン、勇者・カリオス、皇帝・シエル。このあたりは全員が精霊魔術をマスターしていた。まぁ、そいつらの時代は普通に魔法士って呼ばれてたけどな。魔法を使える人間がごく少数だったから」


 へぇ、知らなかった。歴史に名を残した英雄たちが使っていた魔術なんだ。

 でも、そんなに有名人が使っていたのなら、何で精霊魔術って超マイナーなんだろう。

 そんなの使える人間、一人も知らないし、精霊魔術って名前も本当に今日まで聞いたこともなかった。


「何か胡散臭いんだよね。私、これでも実家がギルドなんだけど、精霊魔術なんて聞いたこともないよ」


「かもなぁ。精霊から魔力を借り受けて自分の力にするのは才能に恵まれた一握りの天才しか出来ないからな。まず使える奴が少なすぎるんだ。だから、遥かに簡単な体内の少ない魔力を効率よくエネルギーに変換する現代魔術がメジャーになったのさ」


「私は初級魔術も使えないような人間なんだけど……。そんな大層なこと出来る気がしない」


「ははは、安心しなって。リアナは特別なんだ。その右手の刻印。そいつが何もしなくても精霊から魔力を吸い取っている。つまり、一流の魔法士やら聖女がどんなに頑張っても乗り越えられない壁をクリアしてるってわけだ」


 私の人生を狂わせたこの刻印がそんなに凄いことを? ちょっと信じられない。

 一流の魔法士や聖女が出来ないことをやっているなんて……。

 エルヴィンは凄い鑑定士だから私よりも私の身体のことを理解してるのかもしれないけど。やっぱり、今までが今までだったからなぁ。


「とにかくリアナには半永久的に尽きない無限の魔力がある。精霊魔術を使いこなすには訓練が必要だが、オレが使えるようになるまで教えてやるからさ。王立ギルドに入ってくれ」


「うん。そこまで言ってくれるなら、頑張ってみたい。でも本当に私なんかでいいの?」


「リアナじゃなきゃ駄目なんだって。それじゃ、行こっか。エルトナの王都へ」


 こうして私はエルヴィンに言われるがままに王都に向かうこととなった。

 仕事を見つけることが出来ずに野垂れ死にするかもしれないと思っていたから正直ホッとしたよ。


 ◆ ◆ ◆



「着いたぞ。リアナ、ここがエルトナの王都だ」

「へぇ~~。故郷の城下町よりも賑やかだよ。こんなに人がいるのは初めて見た」

「仕事が無ければ取り敢えずここに来るからな。そのせいで問題も多いが……」


 目の前に広がる多くの建物とそれ以上に多くの人々。

 老若男女、様々な種族が入り乱れて忙しなく動いている。

 ここ十数年の間に大国へと成長したエルトナ王国の王都は私には輝いて見えた。


「おやおや、エルヴィンくんじゃないか。またナンパ……じゃなかったスカウト帰りかい?」

「おっ! レイス、久しいな。今度の新人は期待していいぞ。もしかしたら、5年ぶりにSランクスタートになるかもしれないからな」


 エルヴィンに話しかけたのはレイスという青髪で眼鏡をかけた青年でした。

 んっ? 彼が身に着けているのはユニコーンの毛を使った手袋では? 

 この人は一流の魔法士に違いない。あまりにも強い魔法を使う魔法士は手を保護する為に魔獣の毛皮を使った装備を使うんだ。ウチの父親もそうだった。


「君、前もそんなこと言ってなかったかい? ルーシーさんだっけ? 彼女もAランクは固いとか言ってなかったか? あの子、まだDランクだった気がするけど」

「うっせーな。ルーシーはちょっと事情があるんだよ。でも、リアナは本物だぞ」

「ふーん。まぁそれなら信じるとしようかな。僕もそろそろ同じSランクの仲間がもうちょっと欲しいと思ってたんでね。それじゃあ、失礼するよ」


 レイスは舞い上がる花びらとともに消えてしまった。

 高等魔術の空間移動術式を使ったんだと思うけど、花びらには何か意味があるのかなぁ……。


「相変わらず、嫌味な野郎だ。まぁいいや。リアナの凄さを知れば黙るだろう」

「あのう。あんなに凄い魔法士さんを唸らせるなんて無理かと」

「大丈夫、大丈夫。精霊魔術を覚えれば誰にも負けないって」


 バシバシと肩を叩きながら適当なことを言うエルヴィンに一抹の不安を感じながら、彼の案内により王都を少しだけ見て回る。

 そして、彼は栄えているところから少しだけ外れたところで足を止めた。

 うわー、きれいなお城がある。城門の装飾なんてかなり凝っていてあれだけで芸術品みたい。

 でも――


「ここが、エルトナ王宮……。立派な建物だけど、思ったよりも小さいね。リヴァリタの宮殿はもっと――」

「ここ、オレの家」

「じゃあ、大きすぎるよ!」


 どう見ても城にしか見えない建造物はエルヴィンの家だという。

 えっ? まさか、この人ってとんでもない人なの!? 

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