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死闘!ティアマトVSヨルムンガント  前編

挿絵(By みてみん)


古代怪獣 ティアマト

深海龍 ヨルムンガンド


レフェリーロボット ジャガーアローン


登場

「グガアアアアアア!!!!」

「シャキャアアアアア!!!」


 ジャガーアローンの宣言を合図に、ついに怪獣バトルの火蓋は切って落とされた。


「ティア!破壊光線!」

「グガアッ!」


 優助からの指示を受け、ティアマトは大きく息を吸い込みながらその体に力を貯めていく。

 ティアマトの後頭部から生えた山羊のような角が、根元から先端へと徐々にインジケータランプのように光始め……


「グガアアアアアア!!」


 ……ティアマトの角が先端まで輝くと同時に、ティアマトの口からは白色の破壊光線が吐き出された。


『先手を打ったのは芹沢君のティアマト!破壊光線がヨルムンガンドに向かってまっすぐ飛んでいく!!』


先手必勝。

ヨルムンガンドは絶体絶命……かと思われた。


「……ヨーミー、超音波ビームでガードしなさい!」

「シャキャアアアアア!!」


 エミリアは焦る様子を全く見せず、冷静にヨルムンガンドに指示を送る。


「シャキャアアアアア!!!」


 ヨルムンガンドが大きく口を開くと、リング状に圧縮された超音波が複数連なりながらティアマトに向けて飛んでいく。


 グラウンド中央でティアマトの破壊光線とヨルムンガンドの超音波ビームが衝突した。


「グガアアアア!」

「シャキャアアアアア!!」


『両者共に一歩も引かずに光線をぶつけ合う!この実況席にもその衝撃が響いています!』

『いやまぁ……光線やビームってそもそも『実体がない波』だから、それが『ぶつかり合う』っていうのは物理学の法則で考えると……本来は『あり得ない事象』な訳なんですが……』

『真木君!怪獣相手に細かい事を気にしちゃあダメ!!』


 実況・解説の漫才染みた掛け合いもそこそこに、ティアマトとヨルムンガンドの光線による攻防は続いていた。


「グガアアアア!!」

「シャキャアアアアア!!」


 ぶつかり合う2体の光線は臨界点を超え……



ドッグアアアアアアン!!



 ……ついには大爆発を起こした。


「ウワァァァッ!!」

「キャアァァァッ!!」


 爆発による爆風と煙と衝撃波に巻き込まれ、観客達は次々に悲鳴を挙げる。


「うぅ……」

「くっ……」


 ほとんど爆発の間近にいた優助とエミリアも、爆風と煙に巻かれて顔をしかめる。


「えほえほっ」

「くふ~」

「くっ!」


 優助のすぐそばで応援していた笑子や秀一、カナエも爆風にまかれて顔をしかめた。


「……」


 そんな中で唯一、ロボットであるジャガーアローンだけがクドイ顔のまま平然とした様子だった。


 煙が徐々に収まっていくと……


「……グガアアアア!!」


 ……真っ先に姿を見せたのは、ティアマトだった。


「グガァ?」


 そこでティアマトは首を傾げる。

 今まで自身の目の前にいた筈のヨルムンガンドの姿が消えていたのだ。


「ググゥ~?」


 ティアマトは頭上に?マークを浮かべながらヨルムンガンドの姿を探す。

 その時だった。


「……ヨーミー!今です!巻き付きなさい!」

「シャキャアアアアア!!」

「グガァ!?」


 エミリアの叫びと共に、姿を消していたヨルムンガンドが煙の中から突然現れ、

 ティアマトの体に獲物を襲うニシキヘビかアナコンダのように巻き付いたのだ。


『なんと!エミリア会長のヨルムンガンドが、一瞬の隙を突いてティアマトに巻き付いた!』

『爆発の煙と爆風を利用してティアマトだけでなく、そのパートナーである芹沢君からも姿を隠しながらティアマトに近づき、一瞬の内にティアマトの体に巻き付かせるとは……生徒会長もやりますねぇ』


「ヨーミー、そのまま締め上げてお挙げなさい!!」

「シャキャアアアアア!!」


 エミリアからの指示を受け、ヨルムンガンドは自身の体をまるでSMプレイで使われる拘束用ロープのようにして、ティアマトの体をきつく締め上げていく。


「グッ!グガガガァァァ!!!??」

「てぃ、ティア!?」


 ヨルムンガンドの全長200mを超える細長い体にきつく締め上げられ、ティアマトは顔だけでなく全身を青くしながら苦痛の悲鳴を挙げる。

 自身のパートナーの苦しむ姿を目にして、優助も悲痛な声を挙げた。


「フフフ……勝負ありましたわね」


 エミリアはすでに勝利を確信した様子で、その顔に不敵な笑みを浮かべる。


 そこへ、左上腕に『生徒会 書記』と書かれた腕章を着けた生徒会役員の1人が、高級そうなティーカップに紅茶を注ぎながらエミリアに近づいていく。


「どうぞ会長」

「あら、ありがとう」


 エミリアは書記からカップソーサーごとティーカップを受けとると、中に注がれている紅茶を優雅に飲み始めたのだった。


『エミリア生徒会長、すでに勝利を確信したのか?優雅にティータイムと洒落込んでおります!』

『芹沢君も良いとこまで行ったんですがねぇ~……結局連敗記録更新ですかね?』



果たして、ティアマトの運命は……!?


次回に続く!

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