プロローグ1(又はさわり)
初めて書きましたのでお目汚しを…m(_ _)m
続くどうか怪しいですがよろしくお願いしやす。
可能性の世界、平行世界、異世界……想像出来る幾つもの世界の可能性。そのひとつの物語。
その男はただ無為に人生を生きていた。夢も無く、恋もせず、最低限の友人関係を築きながらただ働いて食って寝るだけの社会の部品となって生きていた。趣味と言えるものはジャンルを問わない読書と健康の為に始めた中国拳法位なものだ。
…本当ならば、この男の人生はこのまま無味無臭な一生で終わるはずだった…
だがそうはならなかった…起こる筈の無い事が起きることによって。
男はその日も変わらず仕事に向かっていた。向かう途中で雨が降り出し、濡れねずみになる中
「今日はついてない」
とボヤき走りながら駅に向かっているさなかの事だった。
閃光
それだけは分かった。そして理解した瞬間、身体に感じた事の無い痛みと衝撃が走った…。
倒れゆく身体に明滅する意識、焦げた様な匂いと鉄の味、倒れるまでが長く感じ男は何が起こったのか考えて自分が雷に打たれたのだと分かり、悟る…
(…あぁ…死ぬのか…)と
そして倒れ臥した瞬間に男の命は潰えた…
…だが、男の命が潰えたその瞬間に再度閃光が奔る。周囲を照らした閃光、稲妻が再び男を貫いていた。
…本来ならばここで終わり、少しした後にニュースで死亡事故が告げられ男の魂は死後の世界へ旅立つ筈だった。
此処からが可能性の物語。
死後の世界に旅立つ筈だった魂は直前の落雷によって、新たなる可能性の旅路へと向かう事となる。…そう、平行世界…異世界とも呼べる世界へと……。
〈???〉とある場所にて
「·····異質なモノが紛れ込んだようだ…。」
「?如何致しましたか?」
「…今しがた…この世界のモノとは本質的に異なる何かが生まれ落ちた…。」
「異なる何か…でございますか…?」
「…何処から紛れ込んだのか…まぁ…感じた力は見逃してしまいかねないほど小さいものだったが…。」
「お探しになられますか?」
「…大したモノでも無いだろう…捨て置け…。」
「承知致しました…我らが神よ…。」