第13回 アイについての補足コーナー
「いや~~今回も久しぶりっ!第13回補足コーナー!!担当はいつも変わらず私ことクラリオンと」
『はるか彼方の銀河で作られた観測船オルヴァ型1256号に搭載された独立補助AI、仮称オルヴァ1256.4598、もといアイです』
「大事な仲間が出てきたわけだし、補足コーナーは入れようと思っていたんだよね~」
と言うことでアイについて諸々解説していきます。
「さて、ぶっちゃっけ何話す?特に決めてないんだけど、小話とか裏設定でも話す?」
『でしたら本編に出ない話しでもしますか?私の出生もとい製造したところについてなど』
「あ~設定考えてみた話しか。じゃあそれにするか」
『なるほど。これが適当なコーナーと言われる理由ですか』
では『アイを製造したところ』について。
『私の製造はレアフィニカと言う国家主導の元、リーマン・シスターズと言う複合企業で製造されました』
「初っ端から不安させる会社名なのは気のせい?」
『気のせいです。農薬を使わない自然環境に優しいコットンのような柔らかみと耐久性が良い製品を作るのが評判で、製造委託された一つの企業。というぐらいです』
「・・・・(なんだろう、所々引っ掛かるんだよな)」
では『レアフィニカ』とはどんな国?。
『レアフィニカ・・。国と言えば国なのですが国家の形態は都市国家に近いですかね』
「イメージ的に言えば中世ヨーロッパみたいな?」
『はい。まず簡単に説明しますとレアフィニカは科学技術の発展があらゆる階級や職種の必要性を無くし、国家組織は形骸化しました。今は伝統として存続してるぐらいです』
個人であらゆる情報の収集や知識を学べる機会があるなど、圧倒的な情報の支えによって国家組織すら必要無くなったのこと。
因みに元首は、一般選挙、人気投票、今年話題になった人とか、なんか人気になった人が決まるらしい。
「国家組織が伝統って・・科学技術が発展するとそこまでいくのか」
『他に個人に許される範囲と行動が広いと言うのも国家組織を必要としない理由でもあります』
「ん?それってどういう事?」
『そうですね、例えば・・・』
ゲーム感覚で宇宙探索や開拓。生産や開発。仲間内同士の独自通貨製造、巨大宇宙ステーションの建造。などなど。
『このように色々です』
「めっちゃ自由やん」
『かなり自由度が高いです』
「そうなると俺が一番とか。この世界を牛耳ってやる。とかそんな奴出てくるんじゃない?」
『いませんね。あらゆることを知り尽くした彼らは達観してしまっています。悟りが開いてしまったと言うべきでしょうか?ですので欲の先がどんな結末になるのか分かっていますし、やるとしても暇つぶし程度でしょう』
暇だとこいつら戦争でもするのか・・・。
『このように色々と自由の中、同じ目的や意識が同調する者同士がコミュニティーを結成し、いつしか中世都市国家のような形態になっていったのです』
「君ら、ゲームの世界のような生活と文明すぎない?」
『事実は小説より奇なり、と言うやつです。しかしいくら個人で許される行動と範囲が広くてもそれを支えている我々AIがいなければ、そんな生活も活動もできはしません』
次。アイ自身について。
『個人で許される範囲と行動が広くてもその為の情報をどう自分に反映させるか難しいものです。そこをAIがその人に合う情報を探し、補佐し、予測し、予想し、適切にまとめるのです』
「まあ、あまりに自由だとそうだねよ」
『はい。それをどこまで反映させられるのか大事です。そして私の場合は超汎用型AI。あらゆる補助と予想を的確にこなせますし、何より全システムに運用可能と優秀です。ですからゴーレムの記号式のプログラムとの統合も可能でもあった訳ですが』
自画自賛。しかし・・。
『ですが私はコア型・・。デスクトップPCで例えるならミニ型・スリム型と言われる低性能で拡張性が一切無い仕様になっている残念ボディー。しかも今はウィルス持ち・・』
※ただし外枠から拡張は可能。
「CPUのスペックはいいけど他が、ってやつね。でもなんでそんなコア型に?言い換えればコア型ってPC本体みたいな訳でしょ?スパコンみたいな形にはしなかったの?」
『以前にも説明しましたが私達は魅惑星系の観測の為に搭載されました。しかしその観測はAIですら観測の個人差を出す厄介なもの。なので大量のAIを搭載する為に小型化の必要があったのと連結やクラスタは一つAIとして認識される傾向があったので、区切る意味でコア型になったのです』
※以前、アイは仮称『オルヴァ1256.4598』と言っていたが4598とは搭載されたコア型の数で、観測船オルヴァ型には10万近くのコア型が搭載されていたのこと。
『またトラブルにも柔軟に対応できるように緊急にはコアを取り外して外部運用出来るようにも考慮されました。その為AIも汎用型なわけです』
観測だけなら観測特化のAIでも良かったのこと。
「なるほど色々考えられてアイが出来たのか」
『はい。大体私の話しはこれぐらいですかね?』
「かねぇ?他なんかある?」
『あとは・・ゴーストハック事変ぐらいですかね。話しますか?そろそろ時効だと思うので』
「ん゛ん゛っ!それはやめよう。あれは見て見ぬふりをしようって決めたやろ」
少し小声で話しを終えると。
「よし今回の話しはここまでにしよう。解散だ、散っ!」
『急に閉めますね』
と言うことでバレたくないので、今回はここまで。




