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自由に気ままに異世界大陸指名犯 ー空賊ライフー  作者: クラ108
エピソード0 まだ最初の時
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第46話 そんな電線のねじり接続みたいなやり方で大丈夫なのっ!?

 前回のお話。空船建造を以下略、ついにゴーレムを本格的に調べていく内に謎が余計に深まってしまった彼。さて、そんな彼は一体ゴーレムをどうのように扱っていくのか・・・。



「結局コードヴェリタについて不明のまま・・・」


 ゴーレムから聞いたコードヴェリタと言う単語。その意味その後彼は詳細を聞くも『未知なるものは未知』と結局は分からないと言うだけだった。手持ちのゴーレムの書籍でもやはりと言うか関連がある内容は見つからない。

 う~ん仕方ない・・。


「とりあえず同期させてみるか。壊れても1体は残るし」

『ご主人はサイコパスだった』

『死ね』


 普通に悪口を言われた。


『まあ同期は構いませんが、どっちにいたしますか?』


 構わんのかい。


「じゃあ死ねって言ったやつから」

『では同期の準備をして下さい。』


 同期はそこまで問題にしてないらしい。だが準備と言われてもどう同期するのか分からない。


「え~っと、どうやって同期するん?」

『付属別の変換アダプタから何処かにあるポートかピンに差して下さい』


 そう言うパターンか~~。

 同期にはアナログ的な接続でないと駄目だった。


「そんなの無いが。あとお前らの身体にポートもピンも見当たらなかったけど?」

『では無理ですね』

『ゴーレムの種類や個人で部品を外される方もいますので』


 あっさりと無理と言われた。

 お前達の身体は組み立てPCと同じ構造なのかい?


「え~じゃあこういう場合どうすればいいんだよ・・」


 再び色々と時間が掛かりそうな案件に頭を悩ます。


『カスタマーサポートセンターにご連絡』

『お近くのゴーレム店で部品の購入か規格対応のゴーレムの購入で対処』

「そんなのあれば苦労しないわっ!」


 為にならない助言に突っ込みを入れる。


『では3Dプリンターで製作』

『電気街に行く』


 もはや適当に言われているが製作ならまだ彼に有りな範囲である。しかしそれに彼は良い顔をしない。

 

「専門知識が必要となるとな~~」


 専門知識が必要となる製作には、無論その専門知識が必要だ。が、知識無しで挑むとなればかなりの製作時間が伴うのは必然。

 時間を掛ければ、モチベーションの低下、飽きたり保留にしたり、目的が変わっていったりするのを彼自身よく起こしている故にお手軽で済ませたいのだ。


『他に同期手段としてケーブルの芯線に直接繋げる配線接続する方法もありますが』

「それだよ!求めてた答えはっ!!え?でもそんな電線のねじり接続みたいなやり方で大丈夫なのっ!?」


 案外お手軽に解決方法はあった。ただ・・・。


『非推奨です。精密部品がある我々にそんな配線接続はしないでほしいですね』

『メーカ保証対象外となり、一切のサービスが受けれなくなります』


 推奨はしないのこと。しかし今はそれしか手段がない。


「とりあえずどのケーブルから線とればいいの?コアはどの差込口から繋げればいい?」

『この部品に繋がってるケーブルから出来るかと思います』


 外部フレームを外して内部のどのケーブルかを教えてもらう。


『コアへの配線は差込口にある全ての端子にケーブルを繋げて下さい。恐らく問題ないはず。知らんけど』

「それで自分自身が壊れたらどうするんよ」

『我が生涯に4GBの悔い有って恨みます』


 それは容量的に多いの?少ないの?

 その悔いはゴーレムにとってどのくらいなものなのか不明である。

 だけどな~。色々頑張ってコアを調べたのにそんな雑な繋ぎでいいのかよ・・。

 そしてコアを調べる為に道具を製作したり、謎を解いたりしたあの苦労は一体何だったんだ?とため息が出る。


「はぁ・・。とりあえずケーブル剥いて芯を出すか」


 ケーブルの被覆を剥こうとするとやはりなのかゴーレムは抵抗する。


『本線を剥いて繋げるのはやめて下さい。せめて同一のケーブル用意して繋げて下さい。モンスターの素材から用意できますので』


 どうやらケーブルの素材はモンスターから取れるらしいが、それに彼は疑問を持った。


「ん?ケーブルとかって銅線じゃないの?」

『まさか。魔力伝導率が高くない素材でケーブルに使用するなど非効率です』


 電気で動くわけじゃないから電気伝導率ではなく魔力伝導率が大事らしい。

 あ~。そう言えばパレス工房で武器製作についても魔力伝達やら伝導やら大事って教わったな~。

 教わったことを思い出すが「素材を取ってくる必要があるのか」と思うとすぐに用意出来そうなもう一体のゴーレムを見つめる。


『無理矢理血管を取るようなことはやめてください。死んでしまいます』


 当然そのゴーレムも嫌がった。


「え~~」

『代わりに門外不出の大変貴重な正常位で交尾しているギラファノコギリクワガタの映像をお見せしましょう』


 相変わらず昆虫の交尾映像をラインアップしてくる。

 

「じゃあ何のモンスターの素材が必要なの?近くに迷宮あるからそこで取ればいいけど」

『ナーサリーの神経となります。1体分で足りるでしょう』

「また意味ありげな部位を~。けどナーサリーって・・・」

『蜘蛛型モンスターです。保存データに交尾映像があるのでどんなモンスターか指摘可能です』

「分かった。見分けがつけれるってことか」

『特徴は交尾の際にメスを糸で拘束すると言う・・』

「その豆知識はいいから。まあどうあれミヤちゃんと迷宮探索に行くしな~・・。よ~し一緒に行く準備するぞ~」


 と言うことでゴーレム1体を連れてミヤちゃんとの迷宮探索に行くことにした。

 まあ目的ある分いい探索になるか。


 ※因みに蜘蛛の生殖は交尾ではなく交接と言う行為だそうで、蜘蛛だとまたさらに特殊らしい。詳しくは自分で調べてみよう。



 そしてミヤちゃんにゴーレムを連れて行く事を説明して迷宮探索に向かい・・・。

 


『あれがナーサリーです』

「やっと見つけたぞ・・」



 中層であちらこちらにボードで進みながら探してやっと思いで見つけた。何しろ蜘蛛型モンスターは隠れていたり糸の罠を張ってたり、蜘蛛にも色んな種類がいるのだ。アリグモ、ツノクモ、トタテグモ、クモではないがヒヨケムシ。似たり寄ったりで苦労したのである。

 まあ、戦闘なればミヤちゃんが瞬殺してくれるからいいけど。


「あれ何してるの?」

「ん?何が?」


 それでやっと見つけたナーサリーだが、ミヤちゃんが不思議そうに見つめているのを彼も目を凝らして見つめてみた。すると「あ~」と言ったり「タイミング・・」と呟いた。


 キュゥゥゥ・・・。


 その光景は仲間を糸で拘束してモゴモゴ動く姿。ゴーレムが言ってたナーサリーの特徴ある交尾(交接)を今まさにがっつりしていたのである。

 

 ヂ・・・。


 そして与吉からしたらただの青姦現場に言葉を詰まらせる。

 

『撮影しておきますね』

「しなくていいから」


 とりあえず終わるまで待つことにした。モンスターでもプライベートは尊重しておく彼である。


 そして数十分後・・・。


『終わりましたね』

「意外に時間長かったな~」


 一通りの行為が終わり、彼とゴーレムは動きだす。


『雌の抵抗が激しかったのが原因でしょう。また雄も若い個体からして今回が初だったのでしょう。脱DTと判断します』

「流石今まで色々見てるだけあって凄い観察眼」

『どうします?雄は長めの余韻に浸っている様子ですが』

「これ以上時間を掛けるのもあれだしな~」


 そろそろミヤちゃんも待つのを飽き飽きしてる様子。早めに済ませないと首嚙まれそうだから「すまんな」と静かに狙いを定めて一発で仕留めて仕事に取り掛かった。


「お~煙にならなかったか。なったらまた探すの面倒だな~って思っていたけど。ゴーレム的に煙になるならない辺りどう思う?」


 倒したナーサリーを見ると煙ならずに身体が残ったを確認し、彼とゴーレムは神経を取り始める。


『何故モンスターが死後、煙となって消失するか又は肉体を残すかは解明できておりません。それよりこの外骨格硬いので割ってもらってもいいですか?神経はこちらで取りますので』

「はいはい」


 軽い雑談をしながらゴーレムは器用に神経がある部分だけを取っていき、ある程度取り終えると・・・。

 

『これで必要な量は取れました』

「今さらだけどさ、その神経でどうケーブルに使うの?」

『このまま使います』

「え!?そのままっ!?!?加工とかせず生でっ!?」


 驚愕の事実に驚く。

 待って、これ大丈夫なのか・・?

 素材が神経なのは承知していたが、まさかそのまま使うとは思ってなかったのである。

 モンスターの神経とは言え、冒涜、禁忌、背徳とかそんなフレーズが浮かび出す。


 人型ロボット作るのにローマ法王の是非を聞いたって話しがあるけど・・。自分も是非聞きたくなったな・・。

 しかしもう今さらでここまで来たのだから止まることはしない。


「まあいいか・・と言うわけじゃないけど保留案件だな、これ」


 とりあえず今は深く考えずにただのケーブルの素材として見ることにした。


「よし、帰るか」


 こうして必要な素材は手にしたわけで「さ~て帰るか」とボードに乗って帰る身支度をする。


「どこに?」

「ん゛ッグ!?」


 が、帰ろうとする彼をミヤちゃんは頭を鷲掴む。

 迷宮探索がこれで終えるなどミヤちゃんが納得するわけがない。

 このままノリで帰れるかなって思ったけど・・っく!やっぱ無理かっ!


「このまま進む・・」

「・・はい」


 そんなわけでいつも通りにミヤちゃんの迷宮探索に付き合うことに・・・。

 


 そして夕方・・・。



 ミヤちゃんが迷宮探索に満足して教会に戻ることが許されれば、早速教会の工房でケーブル製作を始める。


「与吉~。これ巻ける?」


 チッチチ。


 神経をそのまま使うのもあれなので、与吉の糸で被覆になるようにお願いする。


『本来なら何種類かの被覆で覆うものですが芯線が剝き出しになるよりはいいです』

「そこは仕方ない。けど与吉糸は結構使い勝手いいよ?」


 与吉にある程度巻いてもらうと今度はコアの端子に神経を繋げる精密作業をやり始める。


「・・ムズイ」

『端子から神経が簡単に取れないようにしておいてください』

「もはや医者の真似事だな、これは」

『イシャとは?』

「ごめん、今集中してるから解説する余裕ない」


 道具も使って神経がちゃんと端子に繋がっているか確認しながら、更に取れないように固定する為の部品を即席に作り上げて、固定していき・・・。

 

「・・・はぁ、出来た・・」


 約一時間半掛けて神経とコアを繋ぎ合わせた。


『思いの外時間掛けましたね』

『丁寧に仕上げようとするのは意外でした』

「これでも武器やら道具製作するから丁寧に仕上げないといけないの。雑に仕上げると爆発するかもしれないし」


 そして後はゴーレムのケーブルに繋ぎ合わせて同期させるだけ。


『後は私のこのケーブルに接続するだけです』

「そうだけどさ、本当にねじり配線みたいなやり方で大丈夫なの?」

『最初に申した通り非推奨です。魔力伝導率の問題が解決できておりません。』

『不正規の接続手段である為、深刻なエラーを起こしかねます。またコア自体が正常に稼働するかどうかも不明な為これも深刻なエラーを起こし得る要因となりかねます』


 やはりリスクは避けられないようである。しかし以前コアを調べたが異常とまでと言えるものは無かった・・はずである。だから彼はコアは大丈夫だと思っているし、今更

止まることはない。


「いやもうここまで来たし。腹をくくるしかない」

『くくるのは私なのですが』

「駄目だったら供養はしておくよ。ここ教会だし。あ。でもこの場合お焚き上げになるのかな?」

『ご安心を。4GB分の悔いが張れるまで全力で呪縛霊となって憑りつきますから』


 ありえそうだから嫌なんだけどな~。この異世界、幽霊やら呪いは普通にあるからな~。


「まあ、本当にこれが最後になるかもだけど、他に何かある?」

『いいえ。お別れになりませんので、いつでも同期は大丈夫です』

 

 悔いはあるが大丈夫のこと。


「ふぅ。じゃあ・・同期お願いしていいかな」

『了解です。非推奨の同期の為、安全保証は無いので私から離れてください』


 そう言われて彼は同期するゴーレムから少し離れる。


『では同期を開始します・・・・・』


 すると内部の部品とコアが異様に光り出す。

 遂に今まで時間を掛けてきた事がこの同期でどうなるかの是非が来た。もう彼が出来ることは成功を願うのみである。



 コアの読み込み開始・・。読み込み失敗。アクセスコード「NLP」に変更・・。

 接続成功・・。複数のエラーを確認。エラーの詳細不明。解析不能・・。

 同期に問題発生。再度同期を開始・・・。問題発生・・。

 プログラム工程変更・・・。強制同期を開始。


 同期に成功しました。


 プログラムの設定を����似ヘンKOU・・。

 邨ア蜷磯幕蟋。莠、莠呈?ァ縺ォ蝠城。後↑縺.



 言語プログラムに問題有り。適応プログラムで対応開始・・。

 類義する「NLP」を確認。構成を確認中・・。バージョンアップが可能となりました。

 「NPL.ver0.1」の構成に成功しました。再起動します・・・・。



『・・・なんでこのAIはこんな情報(交尾映像)を・・もっと有意義に容量を使うことは出来なかったのでしょうか・・・』

2022.08.24 誤字一部修正。


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